#異能力
バトルショートショート ――『指弾』VS『ノスタルジア』―― 2
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いつからだっただろう、死合いに臆せず臨めるようになったのは。
己の能力である『指弾』を意のままに操れるようになったのは。
最初の頃は只々痛みが不快だった。
相手を痛める感触も気持ち悪かった。
しかしそれでは生き残れないのだ。不快な想いを抱き続けていては、僕は人生を活きて行けない。
ならば、楽しむしかないと悟った。
別にそれも悪いことではないのだろう。
肉を弾き、骨を砕く愉悦
バトルショートショート ――『指弾』VS『ノスタルジア』――
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下は地平線まで広がる白いタイル張りの床。
上は異様なまでに高く広い、同様に白色の天井。
おおよそ10mの距離にて対峙するのは白い貫頭衣を着た2人の少女。
片方の名前は「カイナ」、片方の名前は「キュラ」という。
カイナは無手、対するキュラは両手にナイフを握っていた。
2人の容姿は持ち物以外、まさに瓜二つ。
そして仕合開始と同時に互いが取った行動の『自由さ』とでも言えるものも、い
バトルショートショート ――『急襲主義』VS『アトラスガール』―― 2
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「ふぅーー……」
拭い切れぬ違和感。
(……傷、軽すぎない? 気のせい…………いや……)
攻撃が効いていないわけではない……血を流しているのがその証左。
しかし、どうも決め手に欠ける損傷具合だった。もしや、礫を投げるだけでは決定的なダメージを与えられない?
否、そんなはずはない。
真正面から受ければ人体を貫く程度の威力はある。
急所に当たれば即死もあり得るだろう。周りの床の破
バトルショートショート ――『急襲主義』VS『アトラスガール』――
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下は地平線まで広がる白いタイル張りの床。
上は異様なまでに高く広い、同様に白色の天井。
おおよそ10mの距離にて対峙するのは白い貫頭衣を着た2人の少女。
片方の名前は「レツ」、片方の名前は「ハン」という。
レツは手に木刀を、対するハンは岩を所持している。
2人の容姿は持ち物以外、まさに瓜二つ。
レツは手にした木刀を静かに構える。
ハンは……頭上に掲げていた身の丈すら越える巨大