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法学の旅〈2〉〜同性と異性の壁〜
▶問.学生A〜Cの発言の中で、明らかに誤っているものを、1つ選べ。
教授「同性婚に関して、各国で様々な議論がされているね。今回は、同性婚について、みんなで話し合ってみよう。憲法24条との関係では、どういう意見があるかな?」
学生A「憲法24条1項には、『両性』や『夫婦』という文言が規定されているので、異性婚が前提とされており、同性婚は認められないと思います」
教授「条文を素直に読むと、そういう解釈になるね。他の意見はあるかな?」
学生B「憲法24条1項は、婚姻が成立する要件を『合意のみ』と規定しています。そのため、結婚をするかどうかは、当事者の自由かつ平等な意思決定に委ねられるものであり、異性婚に限らず、同性婚も認められると思います」
教授「なるほど。条文の趣旨を考えると、そういう解釈も考えられるね。それでは、高等裁判所は、何と言っているかな?」
学生C「同性間の結婚を認めていない民法と戸籍法の規定は、憲法24条1項、同2項に何ら違反するものではないとして、同性婚を認めるのに否定的な判断を下しました」
※憲法24条1項
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」◀
何かほしい本があったわけではなかったが、家にいても暇だったので、ワイは本屋に行くことにした。
自動扉を抜け、法律書のコーナーへ向かうと、『時事問題的な、あるいは憲法問題的な』という本に視線を奪われ、最初に開いたページに、上記の問題が掲載されていた。
それまで同性婚について考えたことがなかったワイは、これを機に、少し調べてみようと思った。他のページまでは見なかったものの、おそらくこの本は、ワイの知的好奇心を刺激してくれるものだと確信し、購入意欲が高まり、値段を確認した。9800円だった。
何事もなかったかのように、ハナから立ち読みのつもりで読んでただけですよオーラを身にまとい、本を棚に戻し、男性誌コーナーを目指して歩き出した。水着姿のセクシーな女性が表紙を飾っている、600円の週刊誌を手に取り、レジへと向かった。
(ちなみに、上記問題の答えは「学生C」です)
(終)
【参考条文】
・憲法24条