散歩かリハビリか
高額療養費の自己負担限度額適用認定 (名前が長いっ。朝鮮民主主義人民共和国かっ) という制度がある。これが無ければとっくに死んでるか、借金まみれになっているか。私のような者でも、手術入院ができるのは日本という国に住んでいるお陰である。有り難いことだ。
颯爽と髪をなびかせクロスバイクで走り去る制服を着た女子高校生に追い抜かれたり、ハンドルに寄っかかりながら漕ぐお爺さんに追い抜かれたりしているが、去年の10月あたりから自転車散歩は高師緑地公園へ行くことが多くなった。自宅から9キロの道のりを漕ぎ、公園内を歩いて2周から3週。約3~4,5キロ、そしてまた9キロを漕ぎ。約4時間のいい運動になる。鼻水が後ろへ飛ぶ程冬の西風がビュンビュン吹く日や、真夏の殺気を感じる猛暑はさすがに避けるが、このコースは今の私の体力なら続けられそうな最高の散歩になっている。
2年前腰の骨にネジを締められ、今年の新年早々、鼠経ヘルニア(脱腸)の手術を受け、その20日後に背中に出来たアテローム摘出。体にはいろいろな不具合が出てきている中「年寄りの冷や水になるから気を付けれ」と言われることもあるが、これはリハビリも兼ねていることだし自分なりにその時の体調を見ながらなので、決して無理はしていないし、根性もないから楽しいと思える範囲内で続けている。
リュックの中には必ず飲み物とトイレットペーパーが入っている。歳を取ると、少しでも便意、尿意を感じ始めると数分で満杯に達することがある。特に尿意は感じ始めると短距離走並みにニョウイドンのスピードで膀胱は満杯になる。公衆トイレには必ずしもトイレットペーパーが完備しているとは限らない。緑地公園内には5か所に公衆トイレがあるが、距離と位置は把握しておくのは大切である。また稀に汚れて使用不能なこともあるから気を付けたい。また、この季節では防風対策と汗の問題で、何しろ年寄りだから汗をかいたまま体を冷やさないよう、こまめに脱いだり着たりをしないと前期高齢者の体はすぐに壊れてしまう。脱いだ衣類や飲み物、トイレットペーパーなど持ち物も増えたりする。そのためにも、特にこの季節にはリュックサックは欠かせない。やっぱり面倒がらず「こまめに…」というのは年寄には大切なことだ。もう一つ年寄ついでに、とにかく年寄はすぐに目ヤニが溜まる。ということでウェットティッシュも欠かせない。私が使用しているのは赤ちゃん用のおしりふき。年寄りの目に赤ちゃん用のおしりふきを使用するのは、おしりふきに失礼ではないか。とクレームが来るかもしれないがデリケートな目の周りはこういう優しい肌触りのシートが使い勝手がいい。
歩き終えるとまた自転車をキコキコ漕いで自宅に向かう。大崎から老津までの緩く長い上り坂と杉山駅から御園までの上り坂は疲れが出てきていてちょっとしんどい。フラフラヨロヨロと玄関を開けると誰もいない冷え切った家の中。便座だけが私を温かく迎え入れてくれているであった。