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Base Ball Bear 全曲紹介・感想・解説 24曲目 彼氏彼女の関係
お久しぶりになってしまいました。ケンイトウです。
夜に用事があるとなかなか更新できないですね。
最近は一週間がめちゃくちゃ早く感じます。
今回は『彼氏彼女の関係』です。
『HIGH COLOR TIMES』のリードトラックというやつですかね。
PVあるし。
曲名は「彼氏彼女の事情」からですかね。
観たことはないんですが、アニメは「エヴァ」でおなじみの庵野氏が監督ですね。
【曲・歌詞について】
当時の下北沢には今でいう「4つ打ち」っていう感じも既にあったんですが、そこにディスコ,ファンク的なニュアンスを混ぜる人たちはあまりいなくて。っていう事に下北沢GARAGEでのバイト中に出演者さんを観ていて気が付いて、伝票の裏にメモして、それを元に膨らましたのが「彼氏彼女の関係」。
— Base Ball Bear 小出祐介 (@Base_Ball_Bear_) November 13, 2016
「SAYONARA〜」は、個人的に遊びでラップを乗せようと思って作ったトラックが元になっているので、出自がまた少し違うんですよね。その後の「彼氏彼女の関係」などは、当時の下北沢には少なかったけど、デビューしてる人たちがやってるぞ、みたいな匂いを嗅ぎつけて作ってます。
— Base Ball Bear 小出祐介 (@Base_Ball_Bear_) June 9, 2019
ということでメジャーデビュー後にも活きてくるベボベテクの始祖曲ですね。
ワウが効いたフレーズとダンサンブルなビートが気持ちいいっすね。
儚いコード感に消え入りそうな裏声がたまんないのよね。
個人的にもかなり好きな曲。
それでは歌詞について
彼氏彼女の関係 街の中へ吸い込まれて、消えてく
だから今日も哀しく彩られて
「街」という「舞台」。そこで起こる「俺」と「君」の物語。
アルバム『C』まではこの世界観が強く出た曲が多いです。
13月のボーイミーツガール 少し季節を超えてる2人
乾燥した唇の味の感想伝え合って
田園風景に立ちすくんでいる様な透明感隠さずに、
夕方世代の次の世界
「13月」ってのがいいですね。昨年末からの流れの延長線上っていう。
「1月」だと全然受ける印象が変わってきます。
まさに「夕方世代の次の世代」の恋愛劇。
彼氏彼女の関係 街の中に溢れ返っては、失せてく
俺は今日も街と海を重ねた
哀愁色に暮れる少女の眼に映った細波
ハート型の波紋が嘘っぽく広がっていく
「街=city」「海=sea」とアルバム『C』のテーマが。
「少女(彼女=she)」の眼に映る細波、「海=sea」とも重ねてるわけです。
綺麗な服に飾られ、君はお辞儀して1度笑った
飛行機が 上空に一文字書き割れた夏の日
頬杖ついて思い出してみても 今は冷めた珈琲が淋しいだけの朝
飛行機雲ってなんで夏を連想させるんだろう。
「夕方世代」だったころの回想。
君色の街を、南の海を、想起して息継ぎをする
濡れた顔を急いで拭って君の笑顔が目の前にあったなら、
素敵に笑えると思う
君色に溢れた世界を泳ぐ俺。「水中都市」ってワードも今後出てきたりしますが。
なんて幻想的な世界なんだろうなぁと思う。
歌、演奏も含めてめちゃくちゃいいパートです。
彼氏彼女の関係 街の中へ吸い込まれて、消えてく
だから今日も哀しく彩られて
彼氏彼女の関係 なりたいと思っていた俺も、消えてく
一掴みの思い出を道連れに
『HIGH COLOR TIMES』の曲って結局のところ恋愛としてはうまくいってないんですよね。だからこそ苦味のある曲になっていて。
お洒落な言葉選びや文学的な比喩を重ねて表現してますが、結局のところ過去に囚われていて。
そんな作品だから今聴いても褪せないんだろうなぁ。
【まとめ】
演奏、歌詞の面でこの時期の集大成的な曲ですね。
この後に『HIGH COLOR TIMES』で締めるって流れが最高に儚いです。
というわけで次回は25曲目『HIGH COLOR TIMES』です。
この時期の曲で一番好きな曲なのでなかなか気合入れないと書ききれなそうです。
新曲『プールサイダー』も明日深夜解禁ですね。
こちらも大変楽しみでございます。