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Base Ball Bear 全曲紹介・感想・解説 12曲目 少女と鵺

東京はだいぶ初夏ってきましたね、ケンイトウです。
この時期の30℃はキツイすね。。7,8月はこれが当たり前になるっちゅう。というかむしろ30℃だとマシに感じるっちゅう。
人間の体感温度ってようわからんすね。

というわけですっ飛ばしていた『少女と鵺』です。
HI-STYLE vol.7』というコンピレーションアルバムに収録されてました。下北沢にあったハイラインレコーズというレーベルから出た若手バンド向けの企画コンピだったみたいですね。

ここで気づきましたがitunes上に存在しない曲みたいですね。。
メジャーデビュー後『完全版「バンドBについて」』というインディーズ時代の曲を網羅したベストアルバムに収録されてたんですが、このアルバム自体が配信されてないという。
どうしても聴きたい方はCD買うかレンタルしかないんかな・・・、サブスク全盛の時代ですけどフィジカルで所有するってのも乙なもんです。

【曲・歌詞について】

鵺とは

『平家物語』などに登場し、猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち、尾は蛇。文献によっては胴体については何も書かれなかったり、胴が虎で描かれることもある。

妖怪みたいです。妖怪物の漫画とか作品だと結構聞くやつですね。
最近だと呪術か。

タイミング的には『YUME is VISION』のシングル製作以前の楽曲のようで、テイストは『夕方ジェネレーション』期に近い曲です。リフのメロが「夕方感」なんだよなぁ。音楽詳しい人なら理論的に説明できるんだろうな。

曲の構成もだいぶシンプル。それゆえに小出氏のメロディーメイカーっぷりがわかりやすいかも。曲はインディーな感じなんだけど、歌メロとかフレーズはポップに仕上がるんですよね。

ラスサビ前のとりあえずゴチャゴチャしてみました感は嫌いじゃないです。
ライブだといい感じにシャウト入れててかっこいい曲。

それでは歌詞

毎日退屈ばっかの少女は今日も 笑えもしないで帰宅
冷蔵庫に昨日のバースデイケーキの余り 一口で頬張って
二階へ上がる 「家鳴りがひどいな」と呟いて

歌詞の感じは『HIGH COLER TIMES』期を感じる小説感。
今後もたまーに「バースデイケーキ」っていう単語は出てくるんですが、小出氏的に何の象徴なんだろう。
普通はポジティブの象徴だと思うんですけど、割とネガティブな場面で出てくるんですよね。

ぐしゃぐしゃ 潰されたバースデイケーキ
・・・『スイミング・ガール』

とか。

ベランダから見える景色は躁鬱 秋の色も濃くなってきたくせに
全力疾走手段を考えてるうちに 内緒のビールもぬるくなっていた

こういう情景描写ほんと上手な。
造語もしっくりくるんだよなぁ。

神隠しにあって 鵺の背に乗り
東京の夜空を 飛ぶ夢
いつの間に 寝息をたてて 二時間後・・・
曖昧になる前に逃げることは逃げじゃない、と
わかった時に 一階からの夕飯と呼ぶ声で目が覚めて また夜が来て

曖昧」をネタにするのがベボベなんだよなぁ。
割と小出氏の感覚の原点な気がする。

午前三時 遠くでバイク音が鳴る
天然リヴァーブ 気持ちいいなぁ
見えない天井 眺めていると
丸い目が ギラリと光っていた

深夜ゆえの反響を「天然リヴァーブ」と例えるかね。
天井」っていうワードは『新呼吸』期に再燃してきますね。この感覚は「エヴァ」からきてるのかな?
ドッペルゲンガー・グラデュエーション』と同じく「シミュラクラ現象」にも触れてますね。

曖昧になる前に逃げることは逃げじゃないよ
ふわり 夜空に飛び出す不思議な感じ
彼女の知らない朝が来て

自殺」とも取れるような表現だなぁ。
「儚さ」とか「喪失感」を描いていたこの頃ならあながち外してないのかもしれないなぁ。

【まとめ】

調べてたら小出氏の昔のブログでも触れてました。

フレーズもなんかいいのあります。
「全力失踪手段」とか「曖昧になる前に逃げる事は逃げじゃないよ」とか

熱い自画自賛。

ふと思いましたけど、「曲紹介」というか「歌詞紹介」がメインになってるような・・・
曲を文章にするのってむずくないですか?ようわからん慣用句とかつければそれっぽくなるんですかね・・・?

次回は13曲目『April Mirage
いよいよ『HIGH COLOR TIMES』の曲群に入ってきました。
※スプリット版が先行しているので『TRAGIC HEROINE』も挟みますが。

引き続きよろしくおねがいします。


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