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1999年に一世風靡したGardenという曲のルーツを調べたら歴史的名曲にたどり着いた

この記事の目的は「サンプリング」の面白さをカジュアルに紹介すること

音楽におけるサンプリング(英: sampling)は、過去の曲や音源の一部を流用し、再構築して新たな楽曲を製作する音楽製作法・表現技法のこと。または楽器音や自然の音をサンプラーで録音し、楽曲の中に組み入れることである。

普段はあまりプレイリストで音楽を聴かないんですが、知ってる音楽ばかり聴いていても音楽の面白さが広がらないなと思い最近はあえてプレイリストを聴くようにしています。

とかいいつつ新しい音楽の話じゃないんですが。そんななか、

あれ? これなんか聴いたことあるぞ? っていう音楽が流れてきました。ぼくは36歳なんですが同年代の方ならどの音楽を想起したかすぐにわかると思います。

メアリー・J. ブライジ
クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウルと称される。
Real Loveは第1作目のシングルとして1992年にリリースされ、全米ナンバー1を記録する大ヒットとなった。

続いて、想起した曲がこちら。多分ここで世代がわかれる。

SUGARSOUL(シュガー・ソウル)
日本のR&Bユニット。 元々はaico、DJ HASEBE、カワベによるR&Bユニットだったが、現在はaicoのソロユニットとなっている。

これじゃないよって方はたぶんこっち。

Garden
この曲は1999年にSugar SoulがKj(Dragon Ash)とコラボレートして制作し、1999年に大ヒットを記録。原曲の着うた配信は現在までに行われていないだけに、当時のファンにとっても嬉しいカバーといえる。

着うた。

ということで『May J. / Garden feat. DJ KAORI, Diggy-MO', クレンチ&ブリスタ』は先に載せた『Garden Sugar Soul feat.Kenji』のカバーです。

気になるのはメアリー・J. ブライジのReal Loveです。

かなり似てるのでこれはクイーン・オブ・ヒップホップ・ソウルへのリスペクトということだろうかなんて考えたんですが、調べたら承諾をとってリリースされているものでした。

トラックは1992年8月25日に発売されたメアリー・J. ブライジのリアル・ラヴを弾き直している。

Gardenといえばわれわれの世代で知らないひとはいないんじゃないかくらい大流行していた曲です。そんな有名曲にこんな背景があったとはつゆ知らず、いまさらですが新しい発見でした。

サンプリングが広げた音楽の可能性

さらに調べるとこのReal Loveという曲にも元ネタがありました。
それがこちら。

Real Loveの元ネタは1987年リリースのAudio Twoのデビューシングル、トップ・ビリン。ドラムはImpeach the Presidentのサンプリングしたビートです。

ここでようやく本筋のサンプリングの話です。Real Loveはこちらのトップ・ビリンという曲の音をサンプリングしていて、さらにトラップ・ビリンのドラムのサンプリング元であるImpeach the President がこちらです。

最高にかっこいいですね。はねてるしパターンも変わってはいますがやはり醸し出す世界観は共通するものがあります。

いろいろ技術が進化しているので最新機器の方が昔より良い音で録れるんじゃないの? って思う方もいるかもしれませんが、実は音の世界はそんなに簡単ではありません。

今は手に入らない昔の機材や組み合わせじゃないと出せない音というのがあって、その世界観を完全に再現することは現代のテクノロジーを持ってしても難しい音もあったりします。

そんな貴重な音はその音でしか作れないオンリーワンな世界観を持っていて、サンプリングというかたちで音を分解・再構築してももともと持っていた世界観はそのままにまた違った音としての価値を発揮しくれるわけです。

余談ですがサンプリング文化の浸透に欠かせなかったのは間違いなくサンプラーでしょう。AKAIのサンプラー欲しくてたまらなかった。

Real Loveという偉大な音楽のパワー

話はいよいよ終盤に入ります。

その後いろんなアーティストがReal Loveをサンプリングした楽曲をリリースしていきます。

アリアナ・グランデ - Lovin' It

Anitta - Amor Real

Romeo - It's All Gravy feat. Christina Milian

こうしてあらためてふりかえると日本でGardenがリリースされたことについても、そこにはいたって自然な流れがあったんだなと思います。そして何よりReal Loveという名曲がその後のアーティスト ひいては音楽シーンに与え続ける影響力の大きさたるや。

いやぁ、音楽って本当にいいもんですね~。

そしてこのインスパイアの系譜は大小様々あれどあらゆる曲が秘めているといっても過言ではないと思います。ここまで読んでいただいたあなたには、そのストーリーの扉を開けていく面白さの一端を感じていただけたのではないでしょうか。

余談、、

大ヒットしたReal Loveはリミックスバージョンもリリースされます。

この曲に参加しているのがデビュー前のノトーリアス・B.I.G.(ビー・アイ・ジー)というラッパーです。彼はのちにジェイ・Z、2PACとともに偉大なヒップホップMCとして評価されるほどの人物になります。

Netflixでドキュメンタリー映画もあったりします。


イントロのとても記憶に残るギターのフレーズもまたサンプリングなんですが、こちらもなんか聴いたことあるって方いるのではないかと思います。

まずは元の曲はこちら。


サンプリングではありませんが小沢健二がラブリーという曲で引用というかたちで使用しています。この曲もま〜流行りましたね。



そしてサンプリングしているのが、Dragon AshのI LOVE HIP HOPでした。



大事なことなのでもう一度いいます。
いやぁ、音楽って本当にいいもんですね~。


CISUM特別対談を公開しました!

CISUMの世界観を体験していただこうと、著名なアーティストのルーツを紐解く対談映像を公開しました。当時をふりかえった貴重な話がもりだくさんなのでぜひご覧ください。


Vol.1 いとうせいこう × 屋敷豪太(第1話)

いとうせいこう
処女小説『ノーライフキング』が第2回三島由紀夫賞と第10回野間文芸新人賞の候補作にノミネートされ、ラッパーとしては日本語の表現方法の可能性を追求し様々なラッパーに影響を与えてきた、小説家や俳優などマルチに活躍する日本語ラップの先駆け

屋敷 豪太
MUTEBEAT結成後MELONのメンバーとしてヨーロッパ公演へ、Soul ll Soulの1st.アルバムではグラウンド・ビートを生み出すなどさまざまな著名なアーティストのレコーディングに参加、Simply Redのメンバーとして2年間にわたるワールドツアーに参加するなど、世界的に活躍するドラマー・プロデューサー

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SHINICHI OSAWA、MONDO GROSSO、RHYME SOとして活動する他、国内外の様々なアーティストをプロデュースし、広告音楽、空間音楽、サウンドトラックの制作も多数手がける音楽家・DJ・プロデューサー

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自身もタイニー・パンクスなどヒップ・ホップの先駆者として活躍、MAJOR FORCE設立後はスチャダラパー等を世に送り出すなど日本ヒップホップ界の最重要人物の1人

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