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ルミナパサージュ 惑わす闇



  


ルミナ・パサージュの光の道を進むほど、周囲の輝きが薄れ、霧のような影が漂い始める。  


  


「この先は……?」  


  


足元が沈むような感覚に襲われ、気づけば**深い闇の中**にいた。星の光も見えず、あたりは静寂に包まれている。しかし、それはただの静けさではなかった。  


  


──「ここへ来るべきではなかったのでは?」  


──「君は本当に進む価値があるの?」  


  


どこからともなく囁く声が聞こえる。それは、まるで**心の奥底にあった迷いを具現化したかのよう**だった。  


  


道は消え、目の前には無数の影が揺らめく。  


  


その影のひとつが、**もうひとりの自分**の形を取った。  


  


「進んでも何も変わらないよ」  


「君にはできない」  


  


影は微笑みながら、手を差し伸べる。まるで**受け入れてしまえば楽になれる**と言わんばかりに。  


  


足が動かない。思考が絡まり、意識がぼやける。  


  


──「光は、あなたの中にある」  


  


その時、どこかで聞いた**ルミナの言葉**が脳裏に浮かんだ。  


  


手を胸に当てる。そこには、わずかに**真実の心の鍵が光を放っていた**。  


  


「私は……進みたい」  


  


そう呟いた瞬間、鍵が淡い輝きを放ち、影がゆっくりと遠ざかる。  


  


迷いの霧が晴れ、光の道が再び現れる。そこには、優しく見守るルミナの姿があった。  


  


「よく、乗り越えたね」  


  


微笑む彼女の手を取った時、心の奥にあった不安が、少しだけ軽くなった気がした。  


  


──そして、旅は続く。  






  



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