自作小説について
みなさん、こんばんは。
今回は、私が執筆中の小説、
「Duo in Uno(デュオ・イン・ウノ)〜2人で1人の勇者の冒険〜」
についてお伝えしたいと思います。
生まれて初めて書く小説なので分からない事も多く、不安でいっぱいです。
まだ連鎖中で完結していないのですが、現在、第8話まで完成しています。
RPG風な冒険ファンタジーものです。
双子の王子が主人公なのですが、二人とも生まれつき兄は盲目、弟は足が不自由という境遇で育ちました。
兄弟は互いに自分の持っていないものを持つので、羨望の感情から衝突することもありましたが、絆の力で乗り越えます。
兄アストリアは持ち前の明るさや身体能力を、弟セラフィス(魂となって兄の心の中に存在している)は驚異的な空間把握能力を駆使して、二人が協力し、共有している兄の身体を入れ替わりながら、お互いの足りない部分を補いつつ様々な敵を倒していきます。
精神世界での兄弟の会話をとてもコミカルに描いたつもりです(^_^)v
心温まるストーリーを頑張って考えました(^_^*)
道中でドワーフのローハンや愉快な仲間も増えていきます。
「アルファポリス」、「小説家になろう」
というサイトにて連載中ですので、興味がある方はそちらをご覧になって頂ければと存じます。
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こちらがリンクです。
それでは、最新の
第8話「光の神殿の対決」
を掲載しときます。
ラッキーアイランドの中心部、「光の神殿」での対峙。
「"喜びの力"ならあなた達をも支配出来ると思っていたのに、残念(笑)」
喜のイザベルは自らの細い指先を愛おしい物を見るように見つめながら、アストリア達の方を全く見ずに話し始めた。
「アストリア、視力を失った自分がどれほど不自由だったか、覚えているでしょう?今、こうして周りの全てが見えるのに、それを捨てる理由なんてあるの?」
アストリアは一瞬ためらった。
視力を取り戻したことで、世界の美しさを再び感じられた喜びは本物だった。
しかし、その一瞬を逃さず、イザベルはさらに追い詰める。
「そしてセラフィス、ずっと兄の中に閉じ込められ、自由を渇望していたあなたが、やっと自分の足で歩き、世界を感じることができるようになった。これを手放すなんて考えられる?」
セラフィスも立ち止まり、目の前の現実を見つめる。
これまで感じたことのない解放感が、心を揺さぶっていた。
イザベルは最後にローハンを見つめる。
「ローハン、あなたはどう?長身の美しい姿になり、周りから尊敬される存在になった。それを失うなんて、愚かしいと思わない?」
ローハンは、つい口元を緩める。
「確かに、この姿も悪くないが…」
三人は喜のイザベルの言葉に揺れ、思わず立ち止まる。
だが、そのとき、島の住民達の「笑顔」が視界に入った。
それは、喜びというより、感情を抑圧された異質なものだった。
アストリアは剣を握りしめる。
「確かに、目が見えるようになったのは嬉しい。でも、それ以上に俺が失いたくないのは、自分の“生きる意味”だ。俺は喜びだけに支配される人生なんていらない。他の感情も持ち続けて、苦しみながらでも進みたい!その先に本当の喜びがあり、幸せがある!」
セラフィスも兄に続く。
「僕も同じだ。たとえまた兄さんの中に戻るとしても、僕の役目は兄さんを助けること。感情のない自由なんて意味がない!」
ローハンは二人を見て、豪快に笑い出した。
「やれやれ、お前達の決意を見せられたら、俺も“夢の世界”に戻りたいなんて言えないな!行くぞ、ぶっ潰してやろうぜ!」
イザベルは微笑みを崩さずに言った。
「なら、力ずくでその“覚悟”を試させてもらいましょう。」
彼女が手をかざすと、周囲の笑顔の住民達が一斉に動き出す。
それはまるで操り人形のようで、彼らは"喜び"の仮面を被ったまま襲いかかってきた。
アストリアとローハンは連携して住民の動きを封じながら、イザベルに近づこうとするが、彼女の攻撃は強力だった。
"喜び"の波動がまるで津波のように襲い、一行は追い詰められる。
そのとき、アストリアとセラフィスはふと目を合わせた。
「セラフィス、手を。」
二人が手を取り合うと、かすかな光が溢れ出した。
それは次第に強くなり、二人の魂が"共鳴"する。
セラフィスは眩い光の粒子となり、アストリアの心層部へと溶け込んでいく。
『兄さん、これが僕達の本当の力だ。』
『いくぞ、セラフィス!』
青い光に包まれてセラフィスがアストリアに憑依。
「僕は...僕はもっと兄さんを助けたい!!」
彼の蒼く澄んだ瞳が光り、周囲を暖かく照らし出す。
二度目の"魂の共鳴"により、彼らの心の拍動が強まり、セラフィスの新たな能力が覚醒した。
それが、"スキャニング"。
再び主導権がアストリアに戻る。
アストリアの意識の中に、目を閉じていても周囲の全てが立体的に浮かび上がる感覚が広がった。
それは視力を超えた次元の"視界"であり、イザベルの本体が鏡の奥深くに隠れていることを即座に察知した。
「わかったぞ…イザベル、お前の正体はそこだ!」
アストリアは剣を構え、目に見えない標的に向けて渾身の力を込める。
「マグナム・トニトルス(大いなる雷鳴)!!!!!」
剣から放たれた強烈な雷の斬撃が、イザベルのいる鏡を直撃した。
鏡は砕け散り、彼女の幻影が消えていく。
鏡が砕けると同時に、住民達の笑顔が自然な表情に戻り、彼らはその場に倒れ込んだ。
アストリア達が見上げると、輝く光の中に"喜の魂"が現れた。
それは純粋で、どこか温かいものだった。
「これが喜びの本当の姿…か。」
アストリアは魂を壺に封じ込めると、そっと呟いた。
セラフィスの声が心の中から響く。
『兄さん、ありがとう。僕は今が1番楽しいよ。』
ローハンは満足げに笑い、肩をすくめた。
「まったく、お前達には付き合ってられないな。でも、この旅も悪くない。」
一行は再び前を向き、次の魂を探す旅に向かう準備を整えた。