「今だから接客業を召し上がれ 2」
ネットの記事の中で見つけた数字です。
2021 年(令和 3 年)の年間における、ハラスメントを理由とした離職者数を簡易推計した結果は、約 86.5 万人。そのうち 57.3 万人が会社に伝えられず「暗数化」している。業種別には、宿泊業、飲食サービス業で離職 者が多い。引用先
https://rc.persol-group.co.jp/assets/files/202211180001.pdf
ハラスメントの種類はたくさんありますから
上記の数字はパワハラなのかモラハラなのか、あるいはカスハラなのか
詳細はわかりません。
「宿泊業、飲食サービス業で離職 者が多い。」
これは、実際に何か所化で働いたので理由が納得できますが
その原因は一言では語れません。
「全就業者の 34.6%が、職場で過去にハラスメントを受けた経験がある。被害内容としては、「自分の仕事について批 判されたり、言葉で攻撃される(65.1%)」が最も多い。」
ある場所で働いていたとき、
「仕事を批判され言葉で攻撃される」
体験を何回かしました。
そして言葉で攻撃されて凹んで職場を離れる人を
実際に自分の目で何回も見ました。
一方で、高校生からバイトをしている18才未満の若い人たちが
コミュニケーションをよく理解し、明るく楽しく仕事をしている姿は
ハラスメントの現場を見る以上に何度も何度も見聞きしました。
カスハラが話題ですが、この1年の間は
私はカスハラは殆ど体験しませんでした。
むしろ、逆の体験が多かったことを
皆さんにお伝えしたいのです。
某ハンバーガーショップで勤務初日に
ドライブスルーの注文を受けました。
まだ商品もポスレジの扱い方もわかりません。
注文された商品は注文を受けてから
支払いの窓口にきたとき準備して提供しなければいけません。
この間の時間は、わずか数分。
注文内容もヘッドフォンで聞き取るのは大変で
それを聴いている他のスタッフが商品を準備するのですが
飲み物は私が準備します。
初めてですから要領がつかめず
あたふたしていると、お客様からこんな風に声をかけられました。
「あ、新人さんだね?大丈夫!急がなくていいから。頑張ってね!」
と笑顔で私に声をかけてくれました。
私より遥かに年齢が若いお客様から
そんな声をかけて貰えるなんて想像もしませんでした。
私はうっかり涙がでそうになり
「お待たせして申し訳ありません。ありがとうございます。頑張ります!」
と心からの感謝の気持ちで頭を深くさげながらお客様を見送りしました。
ここだけではありません。
某コンビニでも、某ホテルでも、某衣料販売店でも
同様のことがありました。
今思い出しても胸が熱くなる出来事が
様々な接客の現場で体験しました。
こういう言葉は年齢を重ねた年長者が言いそうですが
多くは若い方達なのです。
あるとき、少し時間があったので
励ましてくださる若いお客様にお礼を述べて
少し話をすることが出来ました。
今風の若い学生の方は笑顔で
「コンビニ大変ですよね?分かりますよ、俺高校のとき
コンビニでバイトやったもん。」
彼が私を毎回気遣ってくれたのは
自分も体験して接客したことがあるから・・・。
違う日に一緒にバイトを初めた16才の子と話をしました。
「接客業って大変だよね。色々なお客様やスタッフがいるし・・」
こう話しを振ると
「はい、ホントそうですね。
最初はかなりびっくりしました。
でも・・なんか慣れてきちゃいました。
お客様や先輩スタッフも付き合っていくと
皆さん悪い人ではないですもん。
うまく言えないんですけど、
なんていうか・・・
毎日お金もらって『人間』を
勉強しているって感じです♪」
なるほど、その通りです。
ポイントはお金を貰って仕事をしているという条件下で
コミュニケーションの体験値の数を増やしているという点かもしれません。
インターネットの普及でコミュニケーション不全が叫ばれて久しいです。
「コミュニケーション不全」をGoogle検索すると
AIが以下のように答えました。
コミュニケーション不全は、時代や働き方の変化に伴い、企業組織において増加しています。原因としては、次のようなことが考えられます。
セルフサービスや自動販売機の増加など、自分からコミュニケーションをしなくても必要なものが手に入る環境になっている
会社におけるOA機器の操作業務の増加など、人と話をしない業務が増えている
子どもの頃からテレビなど一方通行のメディアが多く、人と接しなくとも過ごすことができる環境になっている
少子化や核家族化、地域社会との関係の希薄化が進み、子どもが他者とのコミュニケーションをとる機会が少なくなっている
SNSでの交流が増え、リアルな場面で人と接する機会が減ってきた
コミュニケーション不足を改善するには、次のような方法があります。
会話の機会を強制的につくる
定期的にミーティングを行う
アイスブレイクやイベントを取り入れる
一緒に仕事をしない人とも関わるようにする
フリーアドレス制を導入する
上司から歩み寄って話しかけやすいようにする
メンター制度を導入する
コミュニケーション不全という問題を見つけたら
コミュニケーション改善という課題をすぐ探して
すぐTRYするのが危機管理(クライシスマネジメント)です。
既に問題がおこっているわけですから
悠々とリスクマネジメントをしている暇などありません。
では何をしたらいいか。
私は、一か月でもいいから人と関わる仕事を体験することだと考えます。
それが今回文章で、接客業の良いところや改善点を伝えようと
思いついた理由です。
私は講師もやっています。
しかし、この1年のバイト体験の前は
遥か昔のCAだけの体験と心理学を勉強しただけで
偉そうにセミナーや研修で伝えていたのかもしれません。
穴があったら今すぐ飛び込みたいくらい恥ずかしいです。
講師になった頃はいいのですが、月日を重ねるうちに
私の体験は古臭いのです。
そして自己啓発だけで学ぶ心理学の知識は
実践的ではあっても理由や理屈が曖昧なものも多く
実際習ったとおりに伝えていても
違和感を覚えるようになっていました。
一念発起して放送大学で心理を専門し
すでに130単位以上勉強してきて今季で卒業しますから
エビデンスや根拠も以前より正しく伝えられるかもしれません。
さらに1年新人としてリアルに接客業の現場を体験したので
接客の現場の問題や課題は体験や経験はまだ新しいので
読んでくださる方にも伝わりやすいのではないかと考えます。
そして私が伝えたい理由はもう一つ。
私は20才で国際線のCAとして働き始めました。
仕事の内容は多岐にわたり、世界中の全ての年齢のお客様が対象でした。
最初の頃はフライトの前の日は緊張で眠れませんでした。
その理由は・・・私はコミュニケーションが大の苦手だったからです。
今でいうならオタク系女子だったため、学生時代のコミュニケーションは
苦痛に感じることの方が多くCAが根本的に向いていたわけではありません。
人の基本は変わりません。
ですから、実は今も人間関係はとても苦手です。
でも
長年仕事で蓄えたコミュニケーションスキルに
どうにかこうにか助けられています。
接客の現場で得たスキル。
コミュニケーションのマニュアルはありませんが
お客様や先輩や仲間と関わる中で得た
自分の葛藤と血と汗と涙でなんとか編み出したスキルです。
自分で生み出したスキルは
私たちを決して裏切りません!
FACE TO FACEのコミュニケーションはどんどん減っていきますが
コミュニケーションは以前よりも必要で、価値や意味が高まっています。
だから、コミュニケーションを学ぶために
皆さまにも
今だから、接客業をぜひ召しがってほしいのです。
つづく
PS アメブロでもBLOG書いています。
「新ストレスと怒りの調理法」です。