今を楽しもう
最近読んだ本の中に気になる1文がありました。それは「足るを知るの意味を誤解している人は多いし、人によって解釈が違う」という内容。
マジか、と思って調べてみると確かにその通りで、これはいいネタが見つかったと思いました。そんなお話。
まず、「誤解」とされている点ですが、足るを知るとは我慢や辛抱だと思われていること。
ましてや自分なんてこんなものさと、卑下することでも自己憐憫でもありません。
正しくは、「現状に満足して、身の丈に合った生き方をする」ことです。
持たざるものの屁理屈に聞こえますが、よく考えてみると腑に落ちる所もあると思われます。
とはいえ、自分の今の暮らしに満足している、と胸を張って言える人なんてそうそう居ないでしょう。お金なんてあればあるほど幸せだし、煩わしい人間関係もあるし、将来の不安は常につきまとうし。何とかしたいですよね。
ここで問題なのが、欲望というやつです。諸悪の根源と言ってもいい。これを何とかしない限り、現状に満足することはできません。
欲望は尽きることはありません。これはもう生き物の仕組みというか、種が繁栄する為の本能です。抗えるものではない。
ただし、それを知っていると知らないとでは雲泥の差です。欲望とは尽きることがないもので、そうそう抗えるものではないと知っていれば、それを追い求めることが徒労であることを理解できます。そんなものに労力を割くぐらいなら、「今」に満足して楽しむ生き方の方が良いのではないでしょうか。
足るを知るにはもう1つの誤解があります。それは、努力を否定するものではないと言う事です。
キャリアアップの為の勉強や転職は素晴らしいものです。成長する為には欲望が原動力になる事もあるでしょう。なので、上手いことコントロールしていきましょう。
身の丈に合った暮らしというのもなかなか難しいものです。隣の芝は青いもので、他人の幸福を許容する事はさらに難しい。ならばせめて、自分だけでも許容しましょう。自分を救えるのは自分だけであると、仏陀も仰られたのだから。