私の体験から考える配慮の言葉①:驚きより思いやりを込めて
体調を崩して緊急入院した方に対して、
「突然のことでびっくりしました」や
「突然のことで驚きました」と直接伝えることに、私は少し違和感を覚えます。
体調を崩すことは誰にでも起こり得ることであり、それが「突然」であることはほとんどの場合
避けられません。
事前に「そろそろ体調を崩しそうだ」と周囲が察知できることは、ほぼないと言えるでしょう。
確かに、元気だった人が突然体調を崩したことを知れば驚くのは自然な反応です。
しかし、一番驚き、混乱しているのは、当事者である本人です。
そんな状況で、「突然でびっくりした」「驚いた」と何度も伝えることが、果たして相手の気持ちに
寄り添った言葉なのかと疑問に思います。
それに、驚かせるつもりで体調を崩す人もいないはずです。
さらに、これらの言葉を繰り返し聞かされると、
相手によっては、まるで責められているように感じることもあるかもしれません。
また、「驚かせてしまった」という罪悪感を抱かせてしまう可能性もあります。
特に、体調を崩した本人は、既に心身ともに辛い状態であるため、こうした言葉が追い打ちとなり、
自分を責める気持ちを強めてしまうことも考えられます。
もちろん、驚きを伝えること自体が悪いわけでは
ありません。
しかし、お祝い事でのサプライズとは異なり、
体調不良のようなネガティブな状況においては、
驚きを繰り返し伝えることが相手にどのような印象を与えるのかを、もう少し慎重に考える必要があるのではないでしょうか。
では、「突然で驚いた」や「びっくりした」という言葉を避ける場合、当事者にどのような言葉をかければよいのでしょうか。
まず大切なのは、相手を思いやり、寄り添う姿勢を持つことです。
驚きを伝えるよりも、相手の体調や気持ちを気遣う言葉を選ぶことが適切です。
例えば、以下のような言葉が考えられます。
こうした言葉は、相手の状況を尊重しながらも、
負担をかけずに気遣いを伝えることができます。
また、無理に言葉をかける必要がない場合もあります。
相手の気持ちに寄り添う沈黙も、一つの大切な
コミュニケーションの形です。
重要なのは、
相手が今置かれている状況を理解しようとする姿勢と、
「驚き」を共有するよりも、前向きに支える気持ちを表現することです。
こうした言葉選びを心掛けることで、相手に安心感や励ましを届けることができるのではないでしょうか。