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ゾッとした話 〜あなたの会話を聞いている〜

リハビリ施設では、利用者たちが理学療法士、看護師、介護職員とともにリハビリに励みながら、和気あいあいと会話を楽しむ時間もある。

私にとって、こうした会話の時間も社会復帰への大切なリハビリの一環だと思っている。


しかし、残念ながら、その楽しい会話を乱す存在がいる。


これは気の持ちようなのかもしれないが……。



私は毎週、同じ曜日にリハビリ施設に通っている。

そこには顔なじみの利用者も多く、お互いに挨拶を交わしたり、リハビリの合間に会話を楽しんだりすることもある。

そんな中、ある一人の利用者の言動が気になり始めた。

最初は特に気にしていなかったのだが、その人は 突然会話に入り込んでくるだけでなく、そのまま話の主導権を握り、会話を奪ってしまうことが多々あった。

それも 私たちの会話だけでなく、他の人たちが話している輪の中にも割り込んで、大きな声で話し始める。


私は最初、「そういう話し方の人なのかな」と思い、特に気にしないようにしていた。

しかし、何度も続くうちに、 「またか…」 と思ってしまうようになった……


4人掛けのテーブルが3つ並んでいる。

私はそのうちの1つのテーブルで、3人で会話をしていた。

すると突然、私たち以外の声が

(え?)

私たちは驚いて声の方向を見たが、
少し離れた別のテーブルに座っていた人が
どうやら私たちの会話を聞いていたようだった。

そこから、その人が話題を引き取り、自分の知っていることを延々と話し始めた。

私たち3人の会話は遮られ、いつの間にかその人の独演会になってしまった。

私たちは相づちを打つこともできず、ただ呆然とするばかり。

楽しかった会話はそこで途切れてしまった。

しかも、こうしたことが、場所を移動するたびに繰り返されるのだった。



最初は、たまたま話に入りたかっただけなのかもしれないと思っていた。

しかし、それが 何度も続くと、次第にあまり良い気分ではなくなってきた。

特に、 私だけではなく、他の人たちが話しているときにも同じように割り込んでいるのを見て、ますます気になるようになった。

もちろん、楽しく会話に入ってくる人もいる。
しかし、中には相手の気持ちを考えず、会話を一方的に奪う人もいる。

私はどちらかというと、後者のタイプの人が苦手で、おそらく態度にも出ていたと思う。



ある時、私は看護師さんと会話をしていた。


しばらくすると、その人が、看護師さんに向かって、「〇〇さんと△△について話していましたよね?」と話しかけた。

看護師さんが「そうですね」と答えると、さらに会話の内容を根掘り葉掘り聞き出そうとしていた。

その人は声が大きいため、遠くにいても話が聞こえてしまう。


うわ………

「どこにいても、誰かの会話を聞いているのか?
そしてその話題を長々と語っている……」 

私はゾッとした。

不気味な感覚が残った。

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