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輪読会のベターなやり方を考える

皆さまこんにちは!
サービス&デザインアシスト部のマネージャーのハトッポです。

SD部では、それぞれのプロジェクトチーム毎に知識を得るために、テーマを決めて輪読会を行なっています。(こんな感じ)
マネージャー同士でも輪読会をやっており、書籍の種類毎に、輪読会のやり方を変えて実施しています。
そこで、今回は、そもそも輪読会はどのような形で実施するのがよいのだろう?ということを考えてみたいと思います。



輪読会の実施方法

パターン1:準備あり、ロング

  • 事前準備:指定の箇所(章)を読む

  • 時間・頻度:1h/毎週

  • 場所:対面/オンラインのミックス

  • 使用ツール:ホワイトボード(Microsoft365内のツール)

  • 進め方と時間配分

    • ホワイトボードに付箋で「気づいたこと・学んだこと」書き出す(参加者全員で一斉に):10分

    • 出てきたキーワードの説明を各自簡単に行う:15分

    • 説明を受けて、「現在の状態とのギャップ」を話し合う:20分

    • アクションプランを話しながら書き出す:10分

    • クロージング、次回の予定:5分

パターン2:準備あり、ショート

  • 事前準備

    • 指定の箇所(章)を読む

    • 予めテーマを出しておき、事前に記入しておく

  • 時間・頻度:30min./毎週

  • 場所:対面/オンラインのミックス

  • 使用ツール:Loop(Microsoft365内のツール)

  • 進め方と時間配分

    • 記入されている内容を、各自で説明:15分

    • 全員で意見交換:15分

パターン3:準備なし、ロング

  • 事前準備:なし

  • 時間・頻度:1h/隔週

  • 場所:対面/オンラインのミックス

  • 使用ツール:Loop(Microsoft365内のツール)

  • 進め方と時間配分

    • 指定した箇所(章)を黙読:15~20分

    • 感想、気づいたことの書き出し:10分

    • 書き出した内容を元に対話:25分

    • クロージング,各自の一言感想:5分

メリット、デメリット

各観点から、メリットとデメリットを洗い出してみます。

時間視点

30分と60分の2種類実施しましたが、30分は時間に急かされてしまい、議論が深まる前に終了となる印象が残りました。その反面、30分に集中して取り組む姿勢を作ることで、効率的な輪読会になると感じます。
60分の場合は可もなく不可もなく、妥当な時間だと感じます。

事前準備の有無

事前に読む場合は、自分のペースでじっくり読むことができるため、自分の理解を深めつつ進められます。一方で、事前の予習時間を確保するため、時間のやりくりが必要になります。
当日その場で読む場合は、読むのが遅い人にとっては大変そうであること、深く理解するところまでいくのは個人差がありそうです。一方で、事前準備が不要なため、負担は軽いと言えます。

事前準備の方法

事前準備のパターンは二つあり、指定した箇所を読んでおくことは共通で、事前に意見を書いておく、意見は当日書く、に分かれます。
当日意見を書く方は、輪読会当日に、「事前に読んだ内容を思い出す」という作業が、多かれ少なかれ各自に発生していました。つまりスムーズに意見が出てこない状況に陥りがちとなります。
一方、事前に書いておく方は、輪読会当日の思い出す作業が、体感で半減。ただし、この場合、主催者側は事前に本を読み、ディスカッションしたいテーマを決めて周知するという手間が発生するため、主催者の負荷が高くなります。

使用するツール

ホワイトボード(Web)と、テキスト等のコラボレーションツール(Loop)を使いましたが、どちらも共同編集ができるという特徴があります。
前者は、付箋に書く仕組みを使っているので、視覚的なまとめや、考えを整理することに向いていますが、議論の内容をまとめたり新しい意見を追加するという作業はしづらいものでした。
また、後から読み返すことには向いておらず、結局別のファイルに議論したことをまとめるという二度手間が発生します。
後者は、テキストで記入するだけのため、新たな意見や、まとめの内容を、話しながら同時に書くことができ、終わった後でもそのまま読み返す資料として有益なものになりました。

議論の深まり方

パターン1は、事前に読んできているものの、人によっては内容を思い出すのに時間がかかるという難点があり、議論の密度は回毎にばらつきが出る印象でした。

パターン2は、短い時間ながらも、事前準備がされているため、エンジンがかかるのも早く、議論としては深まりやすいと感じました。

パターン3は、その場で読んで、すぐにアウトプットのため、議論が進みやすい印象でした。時間もゆとりがあるため、それぞれの意見を出し合う時間が作れます。反面、難しい本の場合は、読みこなしきれず消化不良になる可能性があります。

おすすめの輪読会実施方法

最後に、ズバリ、輪読会はこうやってみると良さそう!をまとめてみたいと思います。

深い議論を行いたい場合

  • 事前準備:事前に読み、意見を書き出しておく

  • 時間:1時間

  • 本の種類:内容が複雑で深い理解が必要な本

  • 進め方と時間配分

    • 各自で感想、ピックアップしたいテーマを話す:15分(1人3分程度)

    • 提案されたテーマを掘り下げて議論:30分

    • アクションプランを各自考え、宣言:10分

    • クロージング(次の回の範囲について):5分

この方法は、理解を深めること、議論の質を高めることのみならず、得た知識から業務にどのように活かすかまで落とし込みをするところまで実施することで、読んだだけで終わらない知識の定着を図ることができます。

気軽さを兼ね備えた柔軟な議論を行いたい場合

  • 事前準備:なし

  • 時間:1時間

  • 本の種類:読みやすく、章や節が区切りが良い本

  • 進め方と時間配分

    • 黙読:15分〜20分

    • 感想、気付いたことを書き出す:10分

    • 書き出した内容を元に対話:25分

    • 各自の一言感想、クロージング:5分

この方法は、参加者の負担が少なく、気軽に参加できます。その場で意見を出し合うため、即興的なやり取りが思考の活性化を生み、面白い議論ができると思います。

結論:おすすめの方法は、目的に合わせて柔軟に選ぶこと!

輪読会の実施方法に「絶対的な正解」はなく、どれもメリットデメリットがあります。重要なのは、輪読会の目的や参加者のニーズに合わせて、最適な方法を選ぶことだと思います。
例えば、時間に余裕があればじっくりと事前準備を行い、議論を深めることができますし、逆に忙しい場合は、シンプルな形式で当日読む方法でも十分な効果を得られます。

最後に、輪読会の効果を最大限に引き出すためには、どのような実施方法であれ、参加者全員が積極的に関わることが大切です。

読書の秋。1人でも、チームでも、存分に本を楽しみ、知的好奇心を満たす時間にしましょう。