【短編小説】#21 アーニャとターニャ
アーニャはターニャのことが好きで
ターニャはアーニャのことが嫌い
アーニャのともだちはアーニャとターニャが好きで
ターニャのともだちはアーニャとターニャが嫌い
アーニャはターニャのともだちが嫌いで
ターニャはアーニャのともだちが好き
アーニャは自分のともだちが好きで
ターニャは自分のともだちが嫌い
アーニャのともだちはターニャのともだちが好きで
ターニャのともだちはアーニャのともだちが嫌い
アーニャは自分のことが好きで
ターニャは自分のことが嫌い
——長い年月が経ち、やがて
アーニャはターニャのともだちと結婚をして
ターニャもまたアーニャのともだちと恋仲になった
登場人物はたった4人なのに、それぞれの思いはこんなにも絡まっている。
そして人の心は環境×時間で常に変化するもの。
みずから変化しなければいけないこともあるけれど、
急におとずれた変化を受け入れることも重要だ。
陸にしがみついて地位を築くのも大切だけど、
潮の流れに身を任せて大海原を旅するのも悪くはない。
アーニャとターニャに会いに行かなきゃ。
そろそろ時間だ。
支度をしよう。