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元彼との再会と転機

初めて在籍したU店を退店後、私は昼職を続ける傍らで居酒屋のホールスタッフのバイトを始めました。

キャバクラを辞めてからも元彼と過ごしていた時間の穴を埋める方法が見つからず、何か新しい事を始めてみようとジムに通ったりアロマセラピー検定を取ろうとしたりアウトドアを始めてみようとしたりしたものの…どれも長続きしませんでした。

新しい事を始める為にと初期投資をした事や、元彼に対する未練を断ち切る為に彼との思い出のあるアパートを出て引っ越した事もあり、金銭的に余裕もなくなってきていたので楽しみながら地道に稼げたら…って思ったのがバイトを始めたきっかけでした。

以前から料理が美味しいと評判の居酒屋だったので、まかないも美味しくて一人暮らしの食費が浮くというメリットもあり、元気良く接客対応したり忙しいとホール内を走り回ったりして日頃の小さな悩みや元彼の事だとか余計な事を考えずに済んだので、時給はたったの800円だったけれど中身は充実していました。

昼職が翌日休みの時や年末の忘年会シーズンの頃には朝まで働いた事もあり、一時はバイトだけで昼職以上の月収を手にした事もありました。まぁ、今は体力的に絶対無理です(汗)。

そんな時、ホールの責任者から"れいちゃんもだいぶ業務に慣れてきたみたいだし、そろそろ出前にも出てみる?"と声をかけられました。

出前とは、バイト先周辺のキャバクラやホストクラブから従業員が営業前に食べる弁当や客席で出たフードメニューのオーダーを電話で取り、各店舗に料理の配達や集金を行う業務。

もしU店からオーダーが入ったらそれとなく手が空かない振りをして行かなければいい。そう思って私も出前業務をやる事にしました。

その頃、元彼の共通の友人を通して彼がホストになったという噂を聞きました。ホストについて一切の知識がなかった私は、ネットで調べたりホスト系雑誌を買って読んだりして衝撃を受けました。

ホスト業界に枕営業がありがちな事。

  

彼も今頃もしかしたら店に来た客の女と寝たりとかしてるのかな…私と過ごしたあの日々は彼にとって何だったのかな…と想像を巡らせ、過呼吸になりそうなくらい息苦しくなった記憶がこれを書いていて蘇りました。

そんなある日、バイト中に出前のオーダーが入り、近くの店へ配達に出る事になりました。

"サパークラブ◯◯…初めて聞く店名だなぁ…確かこの道を曲がってつき当たりであってるよね?"と店長から貰った地図のコピーを確認しながら届け先の店に到着。

「居酒屋◯◯です。500円弁当3つお届けに参りました!」

店のドアを開けると坊主頭で背の高い少しいかつい感じのお兄さんが登場。その後ろにはまだ若い男性従業員と思われる人物が2人。

「お代が合計で1500円になります…」

と言いながら顔を上げたら、坊主のお兄さんのすぐ後ろにいたのはなんと元彼でした。向こうも私の存在に気づいたようで、お兄さんともう一人の従業員の間に身を隠して顔を背けていました。

あまりにも突然すぎて、坊主のお兄さんからお代を貰ってその場を去ってからバイト先に戻るまでの記憶がまったくありません(笑)。

その後、バイト先で出されたまかないを食べながらホール責任者の社員さんに"サパークラブ◯◯ってどんな所なんですか?ホスクラ?"と気づいたら自然と口に出して聞いていました。

「よく間違われるらしいけど、あそこは正確にはホストじゃなくてサパーだよ。要は指名制の店じゃないから従業員は基本立ち接客。客入りや時間を見て不定期でショータイムやったりとかしてるような所だよ。」

社員さんから詳しい話が聞けて"なんだ、ホストじゃないなら枕営業とかそういうのはないよね…"となぜか安心している自分がいました。

そして、彼との再会を機に"いい女になって彼を見返す"という気持ちが再燃し、一度は諦めた水商売の道をもう一度選ぶ決意をしました。何という不純ぶりでしょうか(笑)。この話の続きはまた今度書きたいと思います。

#水商売 #キャバ嬢 #ホステス #ホスト #サパークラブ #夜のお仕事

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