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★インスタグラム 野望の果ての真実  (サラ・フライヤー)

今やシリコンバレーでフェイスブックを利用する子供たちは皆無とのこと、同窓会コミュニティのSNSではなく、若者の心をつかみたいザッカーバーグが社名を変えて取り組む新戦略に注目したい。本著は世論同様にザッカーバーグに対しやや批判的である点は気になるものの、「理想」を主眼に置いたインスタグラムの創業者シストロムと「経営(成長)」を追究するザッカーバーグの対極的な関係が語られ一見華やかに見えるSNSの世界の裏で展開される人間関係、また経営判断のリアルな緊迫感が伝わり、ビジネスのケースタディとして大変読み応えのある460頁であった。Twitterがインスタグラムを買収しようとしていたことと、現在インスタグラムは創業者が不在の会社なのだと初めて知る。

以下、要約

🔸インスタグラムー3大SNSの一つ(2010~)
・月間ユーザー数約10億人(ツイッター約3億人)
 位置情報アプリ「バーブン」を改良
・ケビン・シストロム(高校時代)
 ぼくにとって世界がどう見えているのかをみんなに見せる
・ネクストストップ(スタートアップ)転職
 バーブンをリリース/マイク・クリーガーと共同開発
・写真をキラー機能、試作1号「スコッチ」
 →インスタント+テレグラム組合せ、名称をインスタグラムへ
・たった一つのこと「写真」を極めた
 ユーザー負担を小さく、体験に集中
・セレブ利用による転機
 ジャスティン・ビーバー/毎分50人フォロワー増(サーバー悲鳴)
・インスタグラムの価値
 ①コミュニティファースト ②簡潔が大事(⇔FB) ③創造力を刺激する
 共有ツールを設けない(パーソナルブランドの追究;拡散なし)
 創造性やデザインを体験する場・誠実を旨とする場
🔸フェイスブックが買収(2012)10億ドル
・Twitter(ドーシー)からの猛アタックを断る
・インスタを脅威ととらえ独自資金調達を阻止
・FB"独立性”を保証する→テクノロジー系M&Aに拡大
・シストロム-成長市場主義にNO(特徴が失われる)⇔ザッカーバーグ
・FB-多くのユーザーの問題を解決する技術的な仕組み
 インスタ-創造的、人間関係の中で問題解決(個人にとって特別な場所)
🔸フェイスブックは永遠の敗者(成長至上主義)
・ユーザー数の伸びやアプリ滞在時間を注視、これを成長させた社員を評価
 素早く動き、破壊せよ(Move fast and break things)
・重要なのはバズることではなく成長のみ
・2015 今すぐインスタグラムの戦略を変えさせろ
・2017 インスタグラムへのリンク切断
・Twitte以上のTwitterへインスタグラムのクロスポスト活用
 著名人への展開(チャニング・テイタム)
・FB問題の核心
 アルゴリズムで人間性が操られること(大統領選)
🔸スナップチャット問題
・FBによる買収失敗→ワッツアップ買収(190億ドル)
・対抗策でストーリーズ実装
 セレブへの展開ージャスティン・ティンバーレイク/レディ・ガガ/テイラー・スウィフト
🔸創業者退任(2018)
・ザッカーバーグ「アプリのファミリー」構想(25億人のコミュニティ)
・インスタ支援機能を切断→成長ストップ
・シストロム「自分は大将ではなかった」
以上

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