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みんな違って、みんないい

愛知の藤岡です。
中学1年の1回目か2回目のテスト前のことです。学習方法を教えなくては…という思いで、「テスト勉強はこうやるんだよ。やりなさいね」と私から子どもにひと通りを伝えたとき、
子どもは「そんなこと言うけど、自分はお母さんじゃないから、同じようにはできないよ!」と強く反発したのです。

私は、
(あなたのために良かれと思って伝えているのに…。わかってない!)
とイラッとする反面で、
(親から押しつけられたら、反発するか…、思春期だし。それに、確かに、私とこの子は同じではなさそう。私の伝えたやり方は自己流で、この子にとってのベストではないのかも…)
とも思いました。

その後は、親からの押しつけは意識して減らしていきました。
押しつけなければ、子どもはそう反発することはなく、落ち着いているようでした。

後日、このできごとを改めて振り返る機会になったのが、「エニアグラム」です。
ハートフルコミュニケーションで 書籍と講座があり、「人が生まれ持つそれぞれの気質(全9タイプ)の特徴を学んで、自分を理解し、子どもや身近な人を理解して、接し方のヒントを見つけよう」という内容です。
何か人間関係のヒントが見つかりそう…と興味を持って受講しました。

そこでわかったのは、
「気質のタイプが違う人は、もののとらえ方や考え方、行動もこんなに違うんだ!」
ということでした。
9タイプの気質の特徴について”トリセツ”を手にしたような感覚でした。

私自身は、タイプ9「平和を求める人」の傾向が強いようです。
昔から、のんびりマイペース、本や映画など”今”に没入、うっかりも多い、じっくり考えてから発言や行動をする、
人からは、穏やかで怒らなさそうに見えると言われることもある…

以前はそんな自分を(他の人が当たり前のようにできることを、どうして私はスムーズにできないんだろう)ととらえがちでした。
自分の気質についてわかってくると、
私の得意や不得意もすべて生まれ持つ気質から、と受け止めるようになって、
(欠点に見えるところもすべて含めて自分なんだ)と思えて、少し自己肯定に繋がったように思います。

すべての人にそれぞれ違った特徴がある、
自分らしさ、この子らしさ、それぞれの人が持っているものを尊重しよう、
他の誰かのようになろうとするのではなく、それぞれが持って生まれたものを伸ばして幸せな生き方をめざせばいい、
という感覚を持つようになりました。
『みんなちがって、みんないい』という言葉が、本当にそのとおりだなと感じます。

そして、うちの子はどんな気質だろう?と気をつけてみると、
自分の考えを持っていて、人にも伝えることができる、そして目標を目指して行動できる、自分に厳しいところもある、素直にハッキリ言う、責任感もありまじめに取り組むが、できないことは引き受けない、そんなタイプと思われました。
特徴が私とは驚くほど違います。
私のニガテなことにこの子が力を持っていて、うらやましい部分もあります。

私と子どもとでは気質も、考え方、行動もこんなにも違う。
それがわかったことで、子どもとの関わり方も変わってきました。
「えっ、なんでこの子はこんなことをするの!?」という場面で、(この子は私とは違うタイプなんだ)という見方をすると、イライラを感じることは減って、怒らずにすむようになりました。

改めて中1のときのできごとを思い返すと、
親のやり方を押しつける形になったとき、反発する中で、この子の「気質」が強く反応して、自分の状況と気持ちをハッキリと言葉で返してきたわけか!と納得です。
同じ状況でも私はすぐには返せないだろうし、違う言葉が出てくると思います。
「自分はお母さんじゃない、同じようにはできない」の言葉は、正にそのとおりだな、とよく理解できました。

ちなみにその後はどうだったかというと…
子どもは本人のペース、やり方で学校の学習をこなしているようでした。

この子の特徴に合った関わり方を考えると、
目標や何をすべきかも考えていて、自分で十分がんばれるようだから、
本人が考えられるように大人視点からの情報や選択肢などをわかりやすく示すこと、がんばり過ぎることもあるので気をつけてフォローすること、などで、
この子の場合は、親がそれ以上にがんばらせるようなことは追いつめてしまうのでNGだな、と考えました。

また、私の特徴から気をつけたい点は、(大丈夫だね、あとは任せたからがんばれ~)のように楽観し過ぎて、子どもに(私のことを気にかけてない? 無関心?)と受け止められることがないように、たくさん話をして、「関心があるよ、応援しているよ」と伝えることです。

学習面でも、機会ごとに「あなたはどう思っているの?」と聞いて本人の考えていることを理解し、「応援しているよ」と伝える、テストの結果などは「どうだった?」と一緒に振り返ってみる、良い結果には「良かったね、よくがんばっているね」と喜ぶ、本人が困っているときや必要なときは一緒に「どうするといいかな?」と考える、がんばり過ぎに見えるときは声をかける…のように、落ち着いて見守るスタンスになりました。

子どもは「自分でやっている」という自覚を持って取り組んでいた様子で、
私の方は(よくがんばっているね、誇らしいよ)という気持ちでした。
”トリセツ(気質ごとの特徴)”も参考にして、私と子どもの特徴に合わせたオリジナルの「任せて、見守り、信じる」になってきた感じです。

あのときの子どもの言葉は、心に残って、私に大きな気づきをくれました。
子どもとその気質に感謝です。
そして、『みんなちがって、みんないい』は、子どもと接するとき、人と接するとき、また自分の気質と付き合っていくなかでも、いつも私の心の真ん中に置いておきたいと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

2024年9月9日
愛知県/藤岡伸子  
NPO法人ハートフルコミュニケーション認定ハートフルコーチ


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