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音楽 ~子どもから教えてもらうこと~

愛知の藤岡です。
先日、好きな音楽グループのライブに10代の娘と行きました。大好きな音楽を聴いて、浸って、一緒に歌って、最高に楽しんできました。笑顔あり、感動あり、日常から少し離れて、特別な時間になりました。
そして、音楽とのかかわりは子どもの成長とともに少しずつ変わってきたなと感じる機会でもありました。

振り返ってみると、子どもが赤ちゃんの頃には、子守歌を歌って寝かせたり、「♪かいだんのぼって…こちょこちょ~」のような遊び歌で一緒に笑ったりして、母親になったんだなぁと実感が湧いたのでした。

幼児期になると、誕生日やクリスマスなどのとき一緒に歌ってお祝いしました。子ども向けの歌をおかあさんといっしょの番組などで一緒に歌いながら、自分が小さい頃もこういう歌がともにあったなと思い返しました。

そして、小学校では運動会で曲に合わせて踊る演目があり、中学では合唱がありました。家で曲について話したり、気に入った曲を一緒に聴いて歌ったりしました。そうして「beautiful」「with you」「友」「旅立ちの日に」「正解」など、子どもにとっても私にとっても思い出深い曲が増えました。

おもしろいのは、親が好きで家や車内で時々聴いていた尾崎豊やGLAYなどの歌を、娘は自然と覚えていて、TVなどで歌が流れると「この歌知っている、歌える」と口ずさんでいます。親は子どもにそうした影響を与えているんですね。

ただ、思春期の頃は、親への反発が強い時期や、本人の悩みが深くてとても落ち込んでいた時期もあり、親の方も心配で音楽を楽しむ心の余裕がなかったときもありました。
子どもが10代後半になって、「この曲いいよね」「これ知ってる?」と話してくれることが増えてきました。親の影響だけでなく成長して本人の好みや感性が出てきたなと感じます。

先日ライブに行った音楽グループも、高校生の娘と「このグループの曲いいよね」と話題になったのが始まりでした。当時の印象は、曲は良さそうだけど、髪の色やメイク、速い曲展開など今どきな雰囲気で、私はちょっとついていけなさそう…という感じでした。
その後繰り返し聴くようになり、メロディや歌詞が耳に馴染んでくると歌詞の意味がわかってきて、数カ月経つうちに、お気に入りの曲が増え、メンバーそれぞれの魅力もわかってきました。そして、気づけば、毎日のように曲をかけて時には一緒に歌っている自分がいます。
娘との会話をきっかけに、最初の印象という壁を越えて深く知ることで、彼らの良さや魅力がわかって、好きが深まってきたと思います。

好きというパワーは強くて、楽しんでいるうちに自然と覚えられるなぁと感じます。年齢的になかなか物事を覚えられない私ですが、好きなグループのことや歌の歌詞は、繰り返し耳にしているうちに、気づくと覚えています。私の仕事関係のあれやこれやも、娘のテストの勉強も、こんなふうに楽しんで頭に入るといいのにね、と思います。

好きな歌からエネルギーをもらい、歌詞のハートフルな言葉にあたたかい気持ちになり、彼らの笑顔で私も笑顔になれて、グループの信頼・協力関係や楽しい雰囲気に大切なことを気づかされる…など、好きなグループの存在が私のエネルギーと楽しさの源になっています。

そして、10代の2人の娘とは、好きな曲やグループの話で盛り上がったり、TVやライブ、カラオケを一緒に楽しんだりと、「音楽」が共通の趣味のようになっています。私にとっては娘と気持ちを共有できることがさらに楽しさに繋がっているなぁと思います。
また、対等に感想などを話せる、良き仲間、同志のような今の関係性は、彼女たちが成長してきて、親とは違う個性を持つ1人の大人になってきたからこそだなと、成長をうれしく感じます。

子どもが幼い頃は、親が子どもに教えたり、影響を与えたりしている部分が大きかったです。それが、思春期の頃から、親が子どもから影響を受けることが増え、認め合うようにもなってきました。
どうしてそうなってきたか考えてみると、思春期の子の成長を見守るなかで、(この子は親とは違う1つの人格で、ほぼ大人に近くなり教えることも少なくなっている)と感じたこと、もう1つには、エニアグラムを知って、(個性や特徴を理解して大切にしよう)と思っていることも大きいです。

今は、必要な場合に親から教えることもありますが、基本は対等な一人の人として個性を尊重して接する姿勢で、好みや考えを知りたい思いから「あなたはどう思う?」とか「あなたはそれが好きなんだね。私はこれが好きだな」という会話をよくします。

娘は私とは違うアンテナで情報をキャッチして知っていて、音楽の他にもニュースや話題などを教えてくれます。AIやIT系のこと、マンガやアニメ、素敵な人、学んだこと、楽しいことなどについても、彼女から影響を受け、私の世界が拡がるきっかけになっています。また、親に対して率直で厳しい意見をくれる場面も多いです。
子どもの成長とともに、こうして親が教わることも増えていくんですね。

社会の変化はとても速く、これから子どもから教えられることがもっと増えそうです。柔軟な頭で素直に聴いて取り入れられる自分でいたいし、教えてもらうばかりでなく自分の経験や知識から人にとって大切なことを教えることができる存在でありたいなとも思います。

私の生活を楽しく、豊かにしてくれる好きな音楽の存在に感謝。
そして、一緒に楽しんでくれて、私の世界を拡げてくれる娘たちに感謝です。

ここまで目を通してくださって、ありがとうございます。

2024年11月11日
愛知県/藤岡伸子 
NPO法人ハートフルコミュニケーション認定ハートフルコーチ

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