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映画ブルージャイアント(ネタバレあり)

今愛媛県に向かっています。今週末(2月25、26日)に行われる「えひめハンドメイド&雑貨フェア」に出展するためです。そのバスの中でこの記事を書いています。
イベントの様子はまた後日報告しますね。一体どんな旅になるのやら…

さて今日はそのイベントのことではなくて、この前友達と行った映画の話を書こうと思います。
僕が観に行ったのは映画「ブルージャイアント」です。雑誌ビッグコミックで連載された、ジャズを題材にした漫画が原作となっています。
作者の石塚真一先生は「岳」っていう登山者が主人公の漫画でも有名ですね。
音楽といテーマを、音の出ない漫画で表現するって、中々に大変なことだと思いますが、見事に原作では「音が聞こえてくる漫画」と大人気になり、現在10巻まで出ています。
今回そのアニメ映画化にあたって僕はぜひ観たいと思っていました。
実は僕自身は原作を全部読んだことなくて、でもすごく好きな作品だし、きっと音楽も凝っているだろうと楽しみに観に行きました。さて、前置きはこれくらいにして。

ます結論から先に言ってしまうと、めちゃくちゃ号泣しました。
音楽との親和性が高かったし、監督は立川嬢さんといってアニメ「モブサイコ」の監督さんです。主観の表現のシーンでのアニメ効果はモブサイコっぽくて、視覚的にも面白い工夫(アニメで「音」をどう表現するか、というテーマを感じる)がたくさんありました。
さらに音楽監修をあのピアニストの上原ひろみさんがやっているなどサントラだけ買って聞いても良いぐらいの音楽性の質の高さだなと思いました。

これはもう観てもらってそれぞれの人が色んな感じ方をするんだと思うんですが、原作を読んだことなくても、相対的にアニメ、音楽が好き、という人にはおすすめです。

さてそれだけでは中々号泣まで行かないんですが、なんで僕がそこまで感じ入ってしまったかというと、ここから先はネタバレなので作品を先に観たいよ、という人は鑑賞してから読んでほしいと思います。

この映画のストーリーは、主人公のサックス奏者と、一緒にバンドを組む2人の若者、この3人が中心となって進みます。
その中でピアノを担当する10代の男の子がいまして、そのピアノの子がクライマックスで大事故に遭うんですね。しかも、3人の夢の大舞台に出演が決まった、そのライブの2日前に。
車に轢かれて右腕が複雑に折れている表現もギクっとしたのですが、一命は取り留め、なんと1曲だけ左腕だけでライブに出演して公演をやりきるわけなんですね。
原作ではそのライブには参加できなかった、という終わりだそうなんですが、映画ではなんとか1曲だけ参加した、というふうに脚色したみたいです。

その一連のシーンを見て、僕は自分の弟のことを思い出してしまって、そもそも映画のことから頭がすっかり離れて感情が溢れてしまいました。
僕が27歳の時、1つ下の弟が自転車事故で亡くなりました。車に轢かれたわけではなくて自損事故だったみたいです。(みたい、というのはその事故の瞬間を見ている人が1人もいなかったので)
弟はダンサーを目指していたり、飲食店をやりたくてソムリエの資格を取ろうとしていたり、文字通り「夢を追いかける若者」でして、僕の双子のような感じでした。
早朝連絡が来て、弟が運び込まれた病院で一日中親と一緒に、手術が行われるのを待合室で過ごした後、その日の夕方に弟は亡くなりました。
その間、もし命は取り留めてもダンスはもうできないんじゃないかな?とか、それをどう支えていったら良いんだろう?とか、そんなこと考えてる自分はいけないのかな?とか色んなこと考えました。
そんな記憶が、映画によって呼び起こされてフラッシュバックしたんですね。いやいや、不意打ちくらってビックリしました(笑)まさかそんな展開があるなんて知らなかったので。
しかも、クライマックスのライブか行われる日が弟の誕生日の12月11日だったのでマジでもうやば…って感じでした(笑)
ピアニストの子が死んじゃわなくて本当に良かったし、弟のことかあったので、その腕で演奏するのは流石に無理だろうな、とかちょっと冷静になれたので、友達とも無事笑い合って話しながら映画館を後にすることができました。

そのほかにも、夢や目標を追いかけることの難しさとか、自分で何かを選び取っていくことの大切さとかを感じる素敵なシーンがたくさんあって、涙なしには観れない、そんな映画でした。

僕は音楽を生み出したり奏でたりは出来ませんが、音楽、映画、ダンス、などエンターテイメントに心を支えられて今があるなあ、といつも思います。
僕は去年2022年にハンドメイド作家になりたいという夢を持って、イベントに出たり作品を作ったりし始めました。
今年で39歳ですし、スタートするにはどうなんだろう?って思ったこともあります。でも今は少しずつですが、自分の活動の手応えと、応援してくれる方の暖かさに支えられて楽しく続けられています。
この楽しむ気持ちが無くなるまでは、ひたすらやってみようかな、と。
この気持ちが一生無くならなかったら、きっと死ぬ頃には何者かになっているのかなあ、とは思ってます。ただのオタクの、工作好きのおばあさんになってるだけの可能性もありますが(笑)

また弟のことや自分の夢のことについて機会があれば書きたいなあと思いますが、映画「ブルージャイアント」は2月17日から公開され、現在上映中です。漫画好きな人、音楽好きな人、そして今何か夢を持っている人、におすすめです。ぜひアニメでジャズを堪能してみてくださいね。

レコードみたいなパンフレット
友達が用意してくれたムビチケも
パンフの装丁もめっちゃ素敵でしょ

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