毎日新聞×TBSラジオコラボイベント感想
まだまだ残暑が続きますね。タトゥーシール貼ってサマソニに行ったら、その模様の日焼けができてしまったはとびです。
さて、先日というか昨日、毎日新聞とTBSラジオ荻上チキSessionの番組がコラボしたイベントに参加してきました。
タイトルは
「性暴力を問う 今社会は何をすべきか」
僕が毎日聴いているTBSラジオのSessionという番組でMCをされている荻上チキさんが司会のイベントです。伊藤詩織さんや中村一也さんなど、性暴力を受けた当事者として声を上げてる方が登壇され、大治さんや澤田記者など有識者の人を交えた懇談トークイベントでした。すごく良いイベントだったので感想を書きたいと思います。
ただ、内容によっては被害を受けたことのある人にはちょっと辛い部分もあるかもなので、注意して読んでくださいね。(めっちゃ長文です)
今夏、国会で法改定がされて、性暴力について今までの悪法がいくつか改定されたのを、丁寧にSessionの番組内で解説されていて、涙が出るほど僕は感動しました。(なんでそんなに感動したのか、は後半解説しますね)それを機に、もっと性暴力の事について学んだり、話を聞きたいけどどうしたら良いのかなあ…とぼんやり考えていたので、今回のイベントのことを知って即チケットを購入して楽しみにしていました。
場所は日本プレスセンターという年季の入った建物で、よくテレビや動画で会見をしたりする事で有名な場所です。霞ヶ関の駅から徒歩数分の便利な場所にありました。
会場の中もレトロな感じで外は丁度夕焼けから夜に差し掛かる良い感じの時間帯でした。18:30開始で僕の着いたのは18:10頃でしたが最前列がまだ空いてたので勇気出して座ってみました。
荻上チキさんは17:50までTBSラジオに出演しているので、間に合うのかな?と勝手に少し心配していましたが、18:30になったらイベントが開始され、登壇者の人が会場に入ってきました。チキさん間に合いましたね、早い。
会場の席の1つ1つの椅子の上に、登壇者の人の紹介と性暴力について関連する新聞記事の切り抜きなどをまとめたA4用紙の資料が置いてあり、それもスライドで紹介しながら、チキさんが司会となって登壇者の人の意見を回していく、というSessionでもお馴染みの光景が直に見れてとても感動でした。
登壇者の方は4人いて、チキさんが各々の意見を引き出しながらスムーズに回していくのですが、チキさんの手元で資料を見たり、何かきっちり段取りのメモがあるわけでもないのに、とうとうと話していく様はさすがだなあ、と思いました。情報や整理された意見がするする出てきてよどみがありません。さらにチキさんの喋り方はとても静かでボソボソ言ってるようなイメージでしたけど、すごく聞き取りやすくてボイトレって大事なんだなあと勝手に感心しました。
僕はこのイベントで心配してたのは、伊藤さんや中村さんのお話を聞いたら自分のメンタルが落ち込むんじゃないかと言うことでした。
実際、お二人の番になっていろんなお話が出てくる中、当事者として思い出して気持ちを発する時の表情とか、ためらって言葉に詰まるところとか見て、正直泣きそうになりました。でも最前列で泣くのは恥ずかしいし、せっかくの貴重な機会に感情溢れて話が聞けないとか勿体無かったので堪えました。
でもそうやって血が出るような思いで言ってくれてるお二人を見たら、すごく胸が熱くなったというか、こういう方がいてくれてることの大事さを痛感しました。
大治さんは専門家としてものすごい知識量だな、というのが少しのお話の中から垣間見れたし、時折手元の資料が見えるのですがノートにびっしりメモが書いてあったのが見えて、このイベントにもすごく準備してくださってきてるのが分かって凄いなあ、と思いました。
澤田記者も、国会での取材や政治家の方の様子をとても分かりやすく教えてくださり、最後はそのおかげで僕が選挙で政治参加する確かな理由を一つ見つける事にもなってとても嬉しかったです。
最後に質問コーナーとなり、僕も手を挙げました。2回目でチキさんが指してくださったので勇気出して質問に立ちました。
僕はこういう時、真っ先に手を挙げる事にしています。このヒリヒリ感はたまらないものがあり、どんな質問したら1番会場にとっても主催者にとっても有意義か、というのを考えるのがとても楽しいのです。
僕が質問したのは、チキさんと澤田記者に対してで、
「ラジオのリスナーや、あるいは政治家さんの熱量など、一体、世間では性暴力に対しての関心はどれだけあるのか、手応えはどれだけあるのか?」
ということでした。実はこのイベント、実際行ってみたら満席に近い形でしたし、オンライン配信もされていて、ZOOMの画面でハートも飛んでいたし、そこそこの人は観てるとは思いましたが、多分あんまりチケットが売れてなかったように感じました。
会場も中年の男性が多く、あまり若い人がいない感じで、世間ではあんまり関心が無いのかなあ…とちょっと悲しく思っていました。
ここからは僕の個人的体験も含む話になるのでご注意いただきたいのですが、僕の両親は自分が5歳くらいの頃離婚し、それ以来僕と弟と母親の3人家族でした。
小学校1年の時母親が再婚して義理の父親が出来、最初は僕も義父のことが大好きでなついていました。
ただ、小学校3年くらいの時、夜寝てる時に義父から性暴力を受けました。家族4人で川の字になって寝ていたのですぐそばに母親もいましたが、寝ていたのか、寝たふりをしていたのか、誰も気づかない様子でしたが、僕は恐怖と混乱で今考えてもゾッとします。
その後も性器を見せられたりしたことが2回くらいあって、それ以来僕は24時間弟と一緒にいる事で自衛したり、義父のことを憎むようになり、関係は最悪でした。
その時受けた暴力は、自分の性器に指を突っ込まれるというもので、それはその1回限りでした。ただその1回が心の傷となって20歳になるまで誰にも話せませんでした。
20歳の時、弟にだけ打ち明けて、それから僕は実家を出て1人で生きていく事にしました。
弟はもう亡くなりましたが、今でも命の恩人だと思っています。
母親はその事を弟から聞いて罪悪感を抱いたらしいのですが、
「(指を入れられただけで)あー良かった、なーんだ」
とか
「私が罪悪感抱くのは嫌だから、(母親のことを僕が)許すって誓いなさい。お母さんは何も悪く無いよ、って言いなさい」
と言ってきたりして、今では母親の中ではもう終わった事になっているようです。
当の義父は僕が中学くらいの時に母と離婚して以来会わないまま、随分前に風の噂で病気で死んだらしく、僕の体験を覚えているのはもう僕だけになっています。
その事を、時折思い出したりしてふと心が混乱したり落ち込む事が、39歳になった今でも全然あります。
そんな中、チキさんの番組内で今年の国会で性暴力に関しての法律が変わり、たとえ性器自体を入れられなくても、物や指であってもレイプになるんだ、という解釈になったと聞いて、ホッとして涙が溢れてきたのを覚えています。
僕が受けたのは立派なレイプで、被害を受けたんだ、と法律が認めてくれた気がしてとても勇気が出ました。
それをラジオで丁寧に解説してくれなかったら僕はその事をいまだに知らなかったわけで、とても救われた思いがしました。
だから今回のイベントに行けば、またそういう情報を得たり、体験ができるかな?と思って参加しました。さらにはチキさんや番組の方へ感謝の思いを伝えるとともに、そうした議論を今後もメディアで続けて欲しいな、と思って質疑にも手を挙げたのでした。
チキさんと澤田記者からの答えはとても有意義で質問して良かったな、とも思いましたし、僕の質問で会場の雰囲気が和やかになった感じがしたり、帰り際「僕もラジオ聴いてるんですよ」と何人かのリスナーさんが声をかけてくれたのがとっても嬉しかったです。
帰り道、すごく心が軽くなっていたのがとても不思議で、とても嬉しかったです。行って良かったなあ、と心から思いました。
番組のステッカーももらえてすげぇ嬉しかったです。(僕の大好きなヨシタケシンスケさんのイラストで、マイクで熱唱してる南部さんとメガネのチキさんがただただ可愛い)
またこうしたイベントがあったらぜひ参加したいですし、色んな方にこういう取り組みや番組のことを知ってもらいたいなあ、と思いました。
TBSラジオ荻上チキSession
月〜金 15:30〜17:50
時事問題などをとても分かりやすく解説してくれたり、時折音楽や雑学なども特集してくれてとても面白い番組です。radikoのアプリで無料で1週間聴き直しもできるのでオススメです。気になった方は是非聴いてみてください。
※追記:2023年10月から番組編成が変わって、「荻上チキSession」の放送時間が変わりました。
TBSラジオ荻上チキSession
月〜金 18:00〜21:00
放送時間も長くなり、よりディープな内容になっています、是非聴いてみてください!
僕は夕飯と同時に聴いています。