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喰らう

何度も痛みと闘って
デジャヴかと思うほど
同じ光景を見て

もう二度と同じ思いは味わいたくないと
そう心に誓って
体を空にするのに

何でまた入れてしまうんだ

何も入れなければ
痛むこともないだろうに

愚かだ
まさに喉元過ぎればなんとやら

それでも人は喰らわずには生きていけない

例え親が死んだって
そりゃ喉も通らない日もあったりはするけど
それでもいつかは何かを口にするしかないのだ

激痛の後だって
今生の別れの後だって

喰らわずには生きてはいけない
残酷だがそういう風に創られている

感覚を麻痺させて
命を頂いていることを忘れて
美味しいなどと言う

激痛が襲ったことなど
都合よく何処かに置いて
また喰らう
また腹を空かす

愚かな所業に呆れながらも
目の前にある命と向き合いながら
己の命を紡いでいることを知る

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志音
どこの馬の骨かわからぬnoteに辿り着いてくださったあなた、出逢っていただき本当にありがとうございます。顔も名前も分からないのに私の文章に興味を持っていただけてこんなに嬉しいことはありません!読んでくださるあなたのおかげで、前に進む勇気をいただいております。ありがとうございます!