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【詩】「磨く」 ※加筆しました。再びご覧いただけましたら幸いです。

手垢のついた手鏡を拭き上げて
汚れた櫛を丁寧に掃除して

忙しいと面倒でまあそのままでも使えるか
と思ってしまうことを
自分の手で一つ一つ丁寧にやってみる

予想外にくたびれた姿に
日頃見えているようで見えていなかった
何かがあることを知る

ごめんね
気付けていなくて

いつもお世話になっている道具さんたちを
手で包み込み優しく撫でる

ありがとう
向き合う時間をくれて

鏡を磨いて
櫛を磨いて
自分を磨いて

輝きを取り戻した鏡と櫛を見て
自分の輝きも少し取り戻す
靄が晴れたその奥と目が合う
見えてなかった何かがこちらを覗いた


磨くとは
削ること
自分の手を動かすこと

すなわちそれは
痛みを伴いながら
自分で自分を知ることだ

私にとっては文章を書くことが
その戦いにあたる

書いては消して書いては消して
何度も何度も何時間かけても
納得のいく答えが出ない
(今まさに悶々と何時間もかけてこの文章を加筆している最中だったりする)

こんなつまらなくてありきたりで綺麗事な文章をと
もう一人の自分が否定してきたりする

自分の限界を知る

それでもやると決めたから
恥を忍んで文と向き合う
自分と向き合う

この戦いは一生続くのだろうな
それでも
磨いた奥にいる何かと出逢いたいんだろうな

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志音
どこの馬の骨かわからぬnoteに辿り着いてくださったあなた、出逢っていただき本当にありがとうございます。顔も名前も分からないのに私の文章に興味を持っていただけてこんなに嬉しいことはありません!読んでくださるあなたのおかげで、前に進む勇気をいただいております。ありがとうございます!