読了『会計の世界史』
皆さんこんばんは。弥生仁です。
昨日うっかり更新を忘れてしまいました。
さて、『会計の世界史』という本を読んだのですが、まずエンターテインメントとしてとても面白かったです。
個人的に世界史が好きだったこともあり、簿記・会計・ファイナンスというものがどうやって発展していったのか、体系的に学べたと思います。もちろん、エンターテインメント色が強いため本当に勉強するのであれば専門書を読んで講義を受けて、なおかつレポートや論文を書くべきかもしれません。けれども、素人が理解するには十分なツールでした。
さて、この本で僕にとってもっとも大きな収穫となったのは簿記・会計・ファイナンスの違いです。
会計…財務会計と管理会計があり、前者は他人のためのもので、後者は自分のためのものです。しかしどちらも簿記から受け継がれた記録としての性格が強いようです。
一方、ファイナンスは目線が未来に向いていて、正しい価値判断というのがキーワードになってきそうです。
エンタメとして面白いが、実務に役立てられるか
僕の仕事は会計事務所の職員なので帳簿作成がメインです。簿記や財務会計といった記録や報告がメインの畑です。しかし、これだけではお客さんに多くのお金をいただくことはできません。なぜなら利益につながらないからです。
少なくともお客さんの企業でしっかりした管理会計を行わなければ真にお客さんを良くすることはできないでしょう。しかし問題は別の領域にも存在します。
それは人的資産です。
簿記や会計はこの部分を苦手としています。鉄道事業や製造業において発達した会計は土地や機械などの資産で稼ぐことがメインでした。
しかし今や人による役務提供、サービス業や情報産業といった分野が隆盛を誇っています。もはや立地や所有している機械よりも、いかに優秀な人材を確保しているかが経営者にとって大きな悩みでしょう。(もちろんその優秀な人材に稼いでもらわなければなりませんが)
しかし、会計はヒトに弱い。会計事務所はどうやって人の能力を評価したらいいのか、伸ばしたらいいのかわからない。だからこそ、会計に強いはずの小さな会計事務所は閉じるしかないのだと思います。
会計の世界史でわかることは、時流に合わせて仕組みを作らなければ遅かれ早かれ負け組になってしまうということです。正直、会計やファイナンスについてすでにプロフェッショナルは存在しています。そんな彼らですら解決不可能な課題が世の中には山積しているわけです。
自分にのしかかる課題が果たして既存のもので解決できるか否か。まずは勉強から入って試行錯誤しなければならないでしょう。
個人単位では時間がカギ
世界史の規模で考えると、500年という「わずかな」時間で会計分野は発達してきました。一方、500年は人生5回分以上です。というか、ビジネス人生を考えたとき、20歳すぎから65歳まで40年ちょっとしかありません。非常に短いです。誰かが学んだことを一から繰り返していたのでは、全然時間的に足りません。ましてや、40年ちょっとのうちのほとんどは「会社がくれる仕事を捌く時間」です、多くの場合。これでは課題解決に割く時間はほんのちょっぴりです。
これはリスクのある行為ですが、1点突破で財を成した後、多くの人の協力を得ながら進むしかないように思えます。
ここでいう財は何もお金だけではありません。能力や人脈も財です。
ニーズがあり、好きであり、得意である。
この分野を徹底して深堀りして初めて次のステップに進めるのではないでしょうか。
これを極めることがブランドの構築やマーケティングにもつながると確信しています。少なくとも、会社に何十年もただしがみついたところで得られる能力はたかが知れています。
ニーズ×好き×得意
ひょっとしたら得意はあとからついてくるかもしれません。
テストマーケティングをして、ニーズを確かめてから自分が本当に情熱を注げる!と思った分野に全力で投資をするのも悪くないかもしれません。
2020年の7月までに仮説を出したいと思います。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
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