産声のない出産②
出産を通して。
全てがもう急展開やし、破水後の痛みはほぼ無かったのもあって、結構冷静になれた、
というか頭が追いついていない。
助産師さんに『もう足出てるよ』って言われて、
思わず、
『せっかく立ち会ってくれてるのに(分娩台に乗るまで)耐えきれなかった、ごめん』
ってパパに言ったかも。
でも、
『大丈夫、頑張った!』
って、手を握りながら、優しい笑顔でそう言ってくれて、嬉しさでいっぱいになった。
病室で陣痛に苦しんでいる時は背中をさすってくれたし、分娩台に居る時は水いる?って何回も聞いてくれたし、ずっと側に居てくれたから安心して過ごすことができたよ。
--------------
産まれてからも冷静だったおかげで、
直後に抱かせてもらったときは、泣くよりも、やっと会えて嬉しいって気持ちと安堵でいっぱい。
小さいけど骨がしっかりしていて、ここまで一緒に生きていたんやなって思って感動した。
髪の毛も、眉毛も、まぶたを閉じているのも、鼻も口も、耳も、手足の指も爪も、全部しっかり見えていたよ。
どこを見ても可愛くて愛しい気持ちでいっぱいになった。
--------------
産まれた直後やから、私のお腹に居たときの体温で心音ちゃんがすごく温かくて、思わず、『温かい』って言葉が出た。
でも、言ってからすぐにハッとして…
温かいはずがない。
やっぱり、お腹から出てくるとすぐに冷たくなっちゃって、出産翌日には、もうどこを触っても冷たかった。
悲しいけど、これが現実。
もし心音ちゃんと話せるなら、
『お腹の中が温かくて居心地が良かったよ』
って言ってくれると、母としては嬉しいなぁ。
--------------
出産後、私は点滴して2時間ほど暫く横にならないといけなかった。
その間に、助産師さんとパパとで、身長と体重の測定へ。
みんな隣の部屋に行って、私一人になった時、今日までのこと全部思い返して涙が出てきた。
--------------
後々話を聞くと、先生も、赤ちゃんには外傷はなくて特に異常は無さそう、って言ってたみたい。
強いて言うなら、へその緒の赤ちゃんのおなか側が細いかな?というのと、
首周りにへその緒がたすき掛けになってたとは聞いた。
けど、それが死産の原因とは言い切れへんらしい。
胎盤検査などの話も質問したけど、調べても原因不明って言われることの方が多いそう。
改めて、
『なにか悪いことをしたって自分を責めないでね、そんなことないからね』
って言ってもらった。
--------------
亡くなった原因、仮に調べ尽くしたとしても原因不明なことが多い中、世の中ではへその緒が巻いていても産まれてくる子もいる。
少々成長しきれていなくても、産まれてから治療してちゃんと大きくなる子もいる。
どうなるかなんて、産まれるまでほんまに分からへんのやなって思ったし、産声をあげて産まれてくることが奇跡なんやなって実感した。
今回は産声のない出産になったけど、母として一歩成長できたと思ってる。
内診の痛みにどう耐えるかの呼吸も分かってきたし(痛いのは痛いけど笑)。
私が痛いの無理な人やからって、痛みに強くなれるように経験させてくれたのかなって思えるよ。
成長させてくれてありがとう。
--------------
今後、子供のことは前向きに考えているし、それが心音ちゃんも喜んでくれることかなって思ってるから、パパとママも頑張るからね。
妹か弟かどっちかな?楽しみにしていてね。
そして、お空から、元気な産声をあげる姿をしっかり見てあげてね。
--------------
心音ちゃん、お誕生日おめでとう!