パーキンソン病の進行(訪問リハビリ目線)
パーキンソン病は進行性の病気です。現れる症状に個別性があります。
この個別性について、リハビリ目線で言い換えると、「進行はするが、人によっては[お薬+リハビリテーション]で症状をコントロールし、在宅生活を送れる病気」でもあります。
今回はその進行度を解説し、お薬の効果が現れているデータを示して、シンプルに解説します。
・パーキンソン病の進行尺度である
「ホーエン・ヤールの分類」
・訪問リハビリで一つの目安になる
「日常生活機能障害度」
・薬物療法で日中に効果の差
「ウェアリング・オフ現象」
・ヤールの分類からみた
「薬物療法の効果」
・パーキンソン病の
「病期別の症状」
以上について解説をします。
ホーエン・ヤールの分類
パーキンソン病は厚生労働大臣が指定する「別表7疾病」です。
この指定を受けるためには、ホーエン・ヤールの重症度分類という「病状の進行度を測る尺度」があります。
1〜5度まであり、数字が多くなるにつれて、重度となります。
姿勢をイラストにすると、下記になります。
別表7に該当するのは赤線よりも右の範囲となります。
これをシンプルに解釈すると
0〜2.5:両手に震えがでて、不便にはなるが、介助は必要ない。
→ある程度シャッキリ動くことができる
3〜4:小刻み歩行、すくみ足がみられ、介助が必要になってくる。
→トボトボ歩くようになってくる
5:車いすが必要になり、寝る時間が長くなる
→グッタリしている
このように解釈することができます。
別表7の対象となるのは「トボトボ歩き」になる病状からです。
では、もう一つの項目である「日常生活機能障害度」を確認してみましょう
日常生活機能障害度
この評価では「介助を要しない or 介助を要する」のⅡ度がボーダーとなります。
「ヤールの分類」ステージ3以上と
「日常生活機能障害度」Ⅱ度またはⅢ度を総合すると、結論は
トボトボ歩いて、介助が必要となれば厚生労働大臣の指定する「別表7疾病」に該当することになります。
※進行度の判断は医師の診断となります。
「ウェアリング・オフ現象」
パーキンソン病では薬物療法で特徴があります。
効いている時は動きやすく、効きが薄い状態は動きが鈍くなるのが区別しやすい特徴です。
お薬が効いて症状が軽減する状態を「ONの状態」
お薬の効果が薄れて、症状が悪化する状態を「OFFの状態
と表現します。
このような特徴があるため、お薬を飲んでから「どの時間にどの程度動きが改善しているのか?」は重要な情報となります。
この情報を主治医の先生へ診察で伝え、お薬をコントロールするのです。
最近、大日本製薬さんが提供されている「パーキンソン病ステーション」分かりやすいサイトを見つけました。
この中では「おうちでできる!リハビリテーションのススメ!」や、
提供されているアプリケーション「リハビリ日誌」などが私としては分かりやすくて良いリソースでした。ぜひ、リンクへ飛んでみてください。
ヤールの分類からみた薬物療法の効果
縦軸をヤールの分類、横軸を病気を患っている時間です。
ここでは【赤】で記されているパーキンソン病を使っていなかった群は10年から15年をかけて重症である上方向へと悪化していっています。
一方、【緑】で記されているお薬を使ったONの状態ではヤールⅢ〜Ⅳ程度まででコントロールされて留まっていることが分かります。
これを見てわかるように、
パーキンソン病の薬を飲むことによって悪化を抑制している効果は明らかです。
データを用いても、お薬が大切だということが分かります。
ここで皆さんに質問なのですが、このヤールの分類では罹患された患者さん、みんながみんなヤールの5(重症)になるのでしょうか?
答えから言います。全員がヤール5になるわけではありません
お薬でコントロールをすることができれば、出てくる症状に対して予測的に対処ができるため、介助者の負担の軽減になります。
パーキンソン病の進行と症状
パーキンソン病は4大症状に加えて、自律神経症状、精神症状、排尿障害など、色々な症状が出現します。
これはパーキンソン病に罹患してから、どのような時間軸で症状が出てくるのか?の統計的データとなります。
個別性があるため、図はひとつの目安であります。
まとめ
今回はパーキンソン病の進行尺度である、「ホーエン・ヤールの分類」
・訪問リハビリで一つの目安になる「日常生活機能障害度」
・薬物療法で日中に効果の差「ウェアリング・オフ現象」
・ヤールの分類からみた薬物療法の効果
・パーキンソン病の病期別の症状
以上のことについて、シンプルにまとめました。
次回はパーキンソンの保険情報についてお送りする予定です。
▼次回の記事はコチラから
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