デンマークと言っても田舎のことしか知らない?
移住することになって色んな友達に幾度となく言われました。
「北欧とか最高じゃん!必ず遊びに行くね!」と。
おそらくコペンハーゲンあたりを想像しながら言っていた人が大半でしょう。しかしそんな友人たちには申し訳ないのですが、私が移住したのはドイツとの国境近くにあるトゥナー(Tønder)という小さな街。
というかもはや村です。
首都と真反対に位置する僻地
この地図の赤丸の場所がトゥナー。そして地図の右側に小さい★マークが見えますが、それがかの有名な首都コペンハーゲン。
それぞれ東西の端っこ同士に位置しているのが分かりますよね?それゆえに電車だろうが車だろうが約4時間かかります。定期的にコペンハーゲンには買い物に行くんですが、半年に一回くらいで良いかなと思うくらい体力と交通費を要します。
飛行機の国内線を使いたいところですが、この小さな国には日本のように隅々までカバーする国内航路はありません。。。
ん。でも、言いながら不安になってきたけどデンマークって本当にそんな小さい国なのだろうか?完全には把握していなかったので thetruesize.com で正確な比較をしてみました。
うーん、ここまで小さいとは想像以上、いや想像以下でした。
これでわかる通り、トゥナー⇄コペンハーゲン間は、だいたい東京⇄長野間くらいの距離ですね。田舎度合いで言っても長野は良い例えかもしれません。主な産業が酪農や農業だったりしますし。
余談ですが、日本人が思ってるより日本の国土って結構デカイんですよね。近所に中国やロシアという超巨大国家がいるので麻痺してしまいますが。
八丈島と同じくらいの人口?
あまり日本では馴染みがないですが、こちらの仕事仲間なんかは何気ない日常会話であっても「人口」を街の繁栄度の尺度として用いることが多いです。自分の出身地を説明するときや、過疎度合いを自嘲するジョークに使われたりも。
そしてそれに則ると、トゥナーの人口は7505人。
比較のために東京の人口を持ち出すと、そもそも都全域だと約1402万8000人。世田谷区単体でも約93万7500人。東京都で近い人口を無理やり探すなら八丈島の7096人というのがありました。
もはや想像がしにくい人の少なさ。
ただ、この比較で気を付けたいのは、そもそも日本の総人口約1億2500万人に対してデンマークはおよそ1/20の約580万人の人口しかいないことなんです。
なので7500人の街といっても、20倍の総人口である日本の規模感に例えるならば、およそ15万人くらいの市区町村。ふたたび東京で例えるなら多摩市や東村山市といった郊外のベッドタウンくらいの規模ですね。
(東京以外の方すみません。。。)
限界集落というわけではない
この乱暴な例えが当たらずも遠からじなのは、このトゥナーは7000人の人口にも関わらず決して死にゆく「限界集落」ではないからです。トゥナーの65歳以上の人口は未だ25%程度(限界集落の定義は50%以上)で、20/30代は横ばいの傾向にあります。
それゆえに継続的に町の開発もされていて、H&Mもマクドナルドもバーガーキングもあれば、デンマーク版ニトリとも言えるJYSKが今年わざわざ同じ市内で改装移転するくらいには経済が回っています。
というわけで日本で例えるなら「国道沿いのチェーン店が定期的にリニューアルされる田舎の中規模の市区町村」みたいな規模感が近いんじゃないでしょうか。
デンマークの「普通」を体験中
つまり何が言いたいかというと、「北欧に学ぶ〇〇!」みたいな記事に出てくるコペンハーゲンなどの大都市における最先端の事例はあまり目にしないということです。
いえいえ、がっかりしてフォローを止めるのはちょっとまだ早いです。
これは逆に言うと、私の置かれている環境だからこそデンマークの「普通」を語れるということなんじゃないかと思ってます。なぜなら日本もそうですが国民の大多数は大都市に住んでないわけですから。
デンマーク三大都市であるコペンハーゲン・オーフス・オーデンセ全てを併せても全人口のおよそ30%です。つまり残りの人口の70%はそれ以外の中小規模の都市に散らばっているということを意味します。
「幸せの国デンマーク」を解剖するにあたっては、わたしの郊外に住む庶民の視点も悪くないですよね?
まとめ
というわけで、デンマークに移住したと言っても私が住んでいるトゥナーは、、、
国道沿いにチェーン店が並ぶ日本の田舎街くらいの規模感。
最先端の事例は語れないけど、デンマーク国民のリアルな暮らしを体験できる場所。
とはいえコペンハーゲンのショップ店員とかに「東京からあそこに移住したとか、お前イカれてるのか?」と言われたりもする。
、、、という場所だと踏まえて、これからの記事を読んでもらえると幸いでございます。
さて次回は私が日々接する「人々」のはなし。これまた少し特殊なんです。
ではまた次回。
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