若い世代はもうその先に行っている
専門の「性の健康」に視点があるせいか、
セクシュアルヘルス、性的指向に関する記事に目が向きます。
2021年3月5日のオンライン朝日新聞の記事で、
”若者らが”背を押したことが心に残ります。
(記事は下段にリンク)
2019年8月に、多様な価値観が交わる釜ケ崎に移り住んだ高齢男性。
釜ケ崎で活動する若者らが、こころの中は女性である男性の思いを知り、生まれて初めて女装姿で歌う会を設けてくれたことから、かつて流行っていたボールルームを模した”カマボール”を開催することに。
『カマボールは、釜ケ崎の労働者らと対話をしてきた大阪大COデザインセンターの教員や学生が企画した。』そうである。
高橋綾(あや)特任講師(45)が観たドキュメンタリー映画を見たことがきっかけ。
それは、1980年代の米ニューヨーク、アフリカや南米にルーツのある同性愛者やトランスジェンダー(性別違和のある人)が思い思いの格好で踊る舞踏会の様子が描かれていたことから、ヒントを得たそうである。
『居場所を求めて釜ケ崎に流れ着いた人たちが、明日を生きる力を得られる場にしたいと考えた。』とのことだ。
この記事から、私の脳内に浮かんだことは・・・、
いわゆる「性教育」において、
教育の提供側が心得ておくべきだと思うことの一つに、
自分たちの発信の仕方ひとつで、
新たな偏見を生むことがある、ということ。
「・・・・べき」という表現は
好きではありませんし、
なるべく使わないようにしています。
・・・が、前述のことは「すべき」と強く思います。
若い世代の感覚は確実に変化しています。
大人の内部に知らず知らずに内在させてきた、
「普通」「あたりまえ」から発信することの怖さを思います。
「性教育」の学習支援者は、
折に触れて、
自身の無意識を、意識化する作業が必要だと考えます。
可能な限りではありますが、自分の中の感覚や思いを
”知っておく”ということですね。
脳、つまり頭で考えていることは意識できます。
無意識にフッと出てくる思いが本心だった、
ということ、経験ありませんか?
できるだけ、しか、できない、のですが、
自身の中の偏見や否定、拒否感、といった
ネガティブな感情を抑え込むのではなく、
意識にあげておく、
そして、使い方を調節する、
ということが必要ではないか、と考えています。
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この記事では、若者たちは、性的指向をそのまんま、
ふんわり受け止めて、
(受け入れるかは、また別)
サポートしていることが素敵だなと思います。
若い世代の伸びやかさを邪魔しない、
と多くの自戒と共に思います。
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『昨年7月、釜ケ崎で活動する若者らが長谷さんの思いを知り、生まれて初めて女装姿で歌う会を設けてくれた。』
『「着飾れば着飾るほど、内面がせり出してくる。化粧や服は、隠れているものを表現する呼び水です」』
”外見は、いちばん外側の内面”
しばしば聴く言葉です。
隠しても、そこはかとなく、
その人が纏うものは醸し出されるもの、と思います。
「装い」、とても、とても大切なものと思っています。
『カマボールの鑑賞はオンラインで無料。
申し込みは6日までにサイトから』(2021年3月)
会場:NPOココルーム
(写真はココルームFBよりお借りしました)
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