どれくらい食べていますか?
この1つの質問で何種類の回答が得られるだろか?人間はいつなにをどれくらい飲食しているか正確に覚えているのだろか?過小申告・過大申告という問題が様々なダイエット産業を創り出しているといえるのではないか。足りている栄養素、足りていない栄養素は人それぞれ異なり必要な量も人それぞれ異なるのに個人に対して正確な調査を行わずして栄養や運動など健康について断言できるのだろか?
食事調査法には、食事記録法(レコーディングダイエット)、24時間思い出し法(昨日の食事の調査)、食物摂取頻度調査法(質問票を使用し尋ねる)など複数種類が知られているが、その多くが対象者による自己申告に基づいて情報を 収集するものである。その場合、申告誤差は避けられない。最も重要な申告誤差として、過小申 告・過大申告が知られている。
このうち、出現頻度が高いのは過小申告であり、その中でも特に留 意を要するものはエネルギー摂取量の過小申告である。 調査法や対象者によってその程度は異なるものの、エネルギー摂取量については、日本人でも集 団平均値として男性 11% 程度、女性 15% 程度の過小申告が存在することが報告されている 31)。 この研究では、16 日間の秤量食事記録法によって得られたエネルギー摂取量を、性及び年齢区分 から推定した基礎代謝量と比較している。また、平成 28 年国民健康・栄養調査(案分法による 1 日間食事記録法)によって得られた平均エネルギー摂取量と推定エネルギー必要量(身体活動レベ ル II)を年齢区分ごとに比較すると、下図 のようになる。
対象者個人ごとの推定エネルギー必要 量との比較ではないために解釈には注意を要するものの、幼児期における過大申告と小児期から成 人期における過小申告の可能性が読み取れる。
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