スキンケアこぼれ話#1-衣類-
スキンケアというと、洗浄、保湿、保護と言われますが、肌に触れる衣類も重要な役割を果たしています。今回は、肌着についてお話します。
1.肌着は着なくても良い?
最近おしゃれを意識してなのか、肌着を着ない人が増えているように思います。肌着には、汗や皮脂汚れを取る役割があるのに、肌トラブルは大丈夫かなと思ってしまいます。大人だけでなく、乳児においても短肌着は必要ないと考える人もいるようです。確かに、ぐにゃぐにゃした赤ちゃんに短肌着、長肌着、洋服と重ねて着せるのは大変ですね。でもよく考えてください。赤ちゃんは、皮膚が大人の1/2と薄く、2~3倍も汗っかきな一方で乾燥肌でもあり、肌トラブルを起こしやすいため肌着は重要です。これに対して企業側もよく考えているというか、親の負担を考慮して、洋服に肌着が付いたものを販売するようになりました。大人も赤ちゃんもスキンケアから考えると、肌への刺激も少なく、清潔に保たれる肌着を付けたほうが良いと思います。
2.肌着に適した素材は?
昔からよく使われているのは、保湿性、通気性、吸水性が良い綿製品です。化学繊維を含むものは、人によっては化繊負け(かぶれ、かゆみ、湿疹、皮膚炎など)を起こすことがあります。汗を十分に吸収できなかったり、摩擦が強かったり、微量静電気が発生するなどで肌が刺激を受けます。特に乾燥肌などバリア機能が低下している肌では、影響は大きくなります。肌トラブルが多い人は、洗い方や保湿だけでなく、肌着の素材を見直してみるとよいでしょう。特に、乳幼児、高齢者は乾燥肌になりやすいため、肌着の選び方は重要です。寝汗がひどい場合は、パジャマの素材も大事です。
3.綿100%でも・・・
綿100%だったら安心でしょうか。綿100%でも、それほど着用していないのに、小さな毛玉がたくさんできているものがあります。洗い方もあるかもしれませんが、繊維そのものの影響もあります。
これはメーカーの人に教えていただいたことですが、繊維の長さが関係しています。繊維が短いと、糸にしたときに繊維の端(はし)が糸の組織からはみ出し毛玉になりやすくなるそうです。髪の三つ編みをイメージしてください。きれいに揃った髪の毛だときれいな三つ編みになりますが、短い髪の毛が混じっていると三つ編みから短い毛が跳ねるようになるのと同様になるそうです。35㎜以上の超長綿とよばれる繊維で織ると肌触りが良くなる半面、価格も上がってしまいます。
綿100%であればよいというものでもありませんし、短い繊維で織られたものは、毛玉ができやすいだけでなく、くたびれやすい可能性があります。注意して選びましょう。
子どもの成長は早いため、衣類のお譲り会が人気です。衣類は肌に刺激を与えやすいため、選ぶ際には肌刺激も考慮しましょう。
4.衣類の縫い目とタグ
縫い目やタグがチクチクと肌を刺激し、接触性皮膚炎を起こしていることがあります。タグは外せばよいのですが、敏感肌の方は購入時に縫い目のチェックは必須です。
5.洗濯について
洗剤や柔軟剤に含まれる香料や界面活性剤が衣服に残っていると、皮膚が刺激されます。予洗いをして汚れを落とすと洗剤の使用量を減らすことができます。また十分にすすぎ、洗剤の残留量を減らすことも重要です。皮膚が弱い方は柔軟剤の使用は控えた方がよいでしょう。赤ちゃんの衣類の洗濯には、着色料、漂白剤、蛍光剤が含まれていない専用の洗剤を使いましょう。
洗濯方法も、裏返してネットに入れて洗うなど、摩擦を減らす工夫をすることで毛玉ができるリスクを減らせます。
肌トラブルには、スキンケアだけでなく、栄養や生活習慣も影響しています。スキンケア対策は奥が深いですね。
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