愛で見る-1-うつが愛に
みなさま、こんにちは
今朝の「音楽の絵本(70)」(音楽瞑想会)ありがとうございました。
今回は「愛で見る-1-うつが愛に」というエッセイを演奏とともにお送りいたしました。
アーカイブは以下でご覧いただけます。
https://youtu.be/ILX8nIkUV_w
KABUTO 音楽の絵本
Story-70 愛で見る-1-うつが愛に
「目を閉じます。我々が、悩みを苦しい、辛いと捉えるのではなく、愛として捉えたらどのような思いになれるでしょうか。今朝は「愛で見る」というテーマで1つの体験をお話したいと思います。
今から10年ほど前、2010年に東京、新宿のホテル会場で行われた1dayのミュージックセラピーに来られた方の体験談です。
その方は40代の男性でした。ミュージックセラピーに参加される半年ほど前にホームページを見たとお電話をいただきました。ミュージックセラピーに参加をしたいのだけれど今はまだうつ状態が芳しくなく、家を出られない、もう少し改善したら、ぜひ行ってみたいとおっしゃっていました。
その半年後に、お申込みをされて会場にいらっしゃいました。会場のドアを開けて入って来られたときは、まだそれほど元気のある感じではありませんでした。みなさん席について、セラピーが始まりました。
セラピーでは、午前中「今心にある思い」というワークを行います。
このワークは、悩んでいることを1つ取り上げて「なぜこれが愛なのか?」という発見をしていきます。
彼はワークに取り組み始めました。「うつになったことがなぜ愛なのか?」、この1点でワークシートに書き込んでいこうとしました。しかし、苦しいことばかりが思い浮かび、ペンは止まったままだったそうです。
彼は、午前が終わるころのシェアの時間で次のようにお話してくれました。
「うつが愛とはとても思えませんでした。仕事も失い、妻にも迷惑を掛けたことが良いことなどとは思えませんでした。
そこで時間もたっぷりありましたので、ノートを広げてこれまで何があったかを時系列に書いてみました。それを読んでみます。
『会社の仕事がうまくいかずにうつになり、ある日会社を辞めてきた。
家に帰ったあと、妻からは「これからどうするのよ」と詰め寄られたけれど、心が沈んでいて言い返すこともできなかった。
「病院に行く」と言ったら、妻も「私も一緒に行く」とついてきてくれた。
診察室に呼ばれると妻も一緒に中に入ってきて、「これからどうしたら良いか」と質問して、先生の言うことを、一生懸命ノートに書いていた。
今振り返れば、診察室に入って、先生のアドバイスをメモして、そのとおり実践してきた妻、本当に献身的だった。
またこのころから妻の料理のレパートリーも増えていった。妻は、一日も早くうつが治って欲しい、そのために新しい料理も勉強して、美味しい食事で私に元気を取り戻して欲しいとがんばってくれていた。
一緒になってから、なんて素敵な女性と結婚できたんだろうと思っていたが、うつになったことで、今まで出会ったことのないさらに素敵な妻に今出会っている。』
彼は、このようなお話をしてくださいました。
そしてセラピー終了前のスピーチでは、このように話されました。
『うつになったことで、さらに素敵な妻に出会えた。ある意味で、うつに感謝の気持ちが湧いてきています。一刻も早く仕事を見つけて、妻に恩返しがしたい。休みの日には同じような病気で悩んでいる人たちにボランティアで良いから何かできることをしたい。』
話されているときの顔は、朝ドアを開けた時の表情とは全く違っていて、笑顔と喜びの涙と、そして頬がピンク色に輝いていました。
うつが愛に変わった瞬間です。
心が今とても穏やかです。安心と幸せの中にいます。
自分に起きている辛く苦しいことのたった1つでも愛で見ることができると、本当は自分に起きていることはすべて愛なのかなとも思えてきます。宇宙は自分に愛のメッセージしかくれていないのかなと思えてきます。今「すべてが愛でひとつ」そのような思いでひとときを過ごしたいと思います。
ゆっくりと、もともとのあなた自身を感じていきます。
目を閉じたまま、だんだんとご自身に戻っていきます。
自分自身を感じていきます。全身を左右に少し動かしてみてください。
手の平を広げてください。
「過去は変えられないというけれど、過去への思いはいくらでも変えることができる」という思いを今ご自身に感じています。「過去の辛いできごとも愛で捉えることができたら、今からの行動が変わる」その幸せを感じています。ご自身がかけがえのない存在であることを思い、安心と幸せに包まれていることを感じます。
ゆっくりと目を開けてください。
ありがとうございました。
今、素晴らしいエネルギーに包まれ、満たされています。
すべてがひとつということは、あなたはすべての命「ひとつひとつ」であるということです。
良い一日をお過ごしください。」