第3章③ pH、EC(電気伝導度)
このnoteでは、土壌医検定の問いのテーマから内容整理や関連する内容をアウトプットしていきますのでご参考にしていただければと思います。
<注意点>
問題の選択肢や解答は掲載しません。
また、内容につきましても個人的なまとめのため、保証はできかねますので、ご了承ください。
今回の対象
第3章 作物生育と化学性診断
今回も化学性診断の続きです。
長い・・・、けど出題率は全体の30%以上を占めるので頑張っていきましょう!
さて、今回は土壌診断項目のpHとEC(電気伝導度)になります。
(1)pH
リトマス試験紙とかBTB溶液で判定する昔習った(うす〜く記憶にのこっている)あれです。
とりあえず、7.0が中性、7.0未満が酸性、7.0より大きい値がアルカリ性が分かればよいと思います。
それより、①作物の育成に適した土壌pH、②土壌pHによる養分の溶解性、③土壌PHによる土壌微生物への影響が大事です。
①作物の育成に適した土壌pH
多くの野菜は土壌pH6.0~6.5の微酸性域が生育が良い。
ホウレンソウやレタスなどはpH6.0~7.0が育成が良い。
茶、ブルーベリーはpH5.0の酸性域で育成が良い。
②土壌pHによる養分の溶解性
土壌pH6.0~7.0で多くのようぶんの溶解性が良い。
アルカリ性になると、マンガン・ホウ素が溶解しにくくなり、作物の育成が悪くなる。モリブデンは溶解しやすくなる。
ホウレンソウは、マンガン欠乏症になると葉に薄い緑黄色の斑が発生する。
逆に酸性が強くなると、マンガンの溶解性が増し、過剰障害が発生するとともに、作物に有害なアルミニウムの溶解性が増し、障害を与える。
③土壌PHによる土壌微生物への影響
アブラナ科の作物は酸性が強くなると「根こぶ病」が発生。
pHを7.2~7.4にすると発生が抑制される。
ジャガイモは中性からアルカリ性で「そうか病」が発生しやすくなる。
こちらはpHを5.0前後にすると発生が抑制される。
土壌pHの改善
・pHが低い(酸性に傾いている)場合
石灰類を施用する。
pHを高める資材の順は、以下
生石灰>消石灰>苦土石灰>炭酸石灰
pHを高める資材の必要量も土性によって異なる
砂土は少なくて良いが、埴壌土では多く必要となる。
・pHが高い(アルカリ性に傾いている)場合
基本的には、石灰質資材を無施肥とする。
特に高い場合はピートモス(強い腐植酸を含みpH3.5~4.5)や硫黄華や硫酸第一鉄を施用する。
(2)電気伝導度(EC)
電気伝導度は土壌中の水溶性塩類の総量を表す。塩類濃度が高いと根から水分吸収が妨げられ、作物が枯れることがある。
⇒塩類濃度が高いと浸透圧の関係で水分が吸収できないのだろう
塩類濃度障害の原因
・過剰な肥料や堆肥の施用による硝酸イオンや硫酸イオンの蓄積
・肥料の副成分(主に硫酸イオン、塩素イオン)
※特にハウス栽培では降雨がないため、塩類が蓄積しやすいので注意
①作物による影響の違い
影響大きい:イチゴ、インゲン
影響中程度:水稲、小麦
影響小さい:ハクサイ、トマト
②土壌の種類や土性による違い
砂質土:EC高まりやすい
黒ボク土:EC高まりにくい
保肥力が弱いほど急激に変化するため、ECの影響を受けやすい。
⇒これは科学的緩衝能の話ですね(第1章、第2章①)
③施用する肥料による濃度障害
同一成分の施用量が同じである場合は、有機肥料より無機肥料の方がECを高めやすい。
無機肥料でも硫酸塩よりも塩化物がECを高めやすい。
塩化アンモニウム(塩安)>硫酸アンモニウム(硫安)
ちなみに今年の田には硫安を施肥しました。かなり強いとのことで1反あたり0.5袋(10kg)で様子を見ています。それでも塩安の方が強いんですね。
まとめ
問8
土壌pHがアルカリ性域に変化すると、溶解性が増加する元素は?
モリブデンですね。
酸性の場合は、マンガン、ホウ素です。
問9
土壌PHが高い場合に起こりやすい作物生育障害は?
アルカリ性なのでマンガン、ホウ素が欠乏します。また、ジャガイモはそうか病が発生しやすくなりますね。
問10
塩類濃度障害を最も受けやすい作物は?
ECの影響を受けやすい作物でイチゴ、インゲンですね。
逆に影響を受けにくい作物はハクサイ、トマトです。
問11
土壌pHと作物生育との関係に関する記述
酸性、アルカリ性での病気、養分の溶解性を覚えておきましょう。
・根こぶ病:アブラナ科+酸性
・そうか病:ジャガイモ+アルカリ性
・マンガン・ホウ素・アルミニウム:酸性で溶解
・モリブデン:アルカリ性で溶解
問12
土壌の電気伝導度(EC)に関する記述
・ECに急激に作用するのは有機肥料か無機肥料か?
・ECを高めやすい無機肥料
・ECの影響を受けやすい土壌
このあたりを押さえればOK!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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