よしせん

奈良クラブを応援するファンの記録。

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奈良クラブを100倍楽しむ方法#0

 奈良に住んで40年。生まれも育ちも奈良である。小学1年生からサッカーを始め、5年生のときにJリーグが開幕。それまで日陰者のサッカー部が一躍スクールカーストの上位になるという革命的事件を経験した身である。しかし、奈良には致命的な弱点があった。そう、奈良にプロクラブがなかったのである。大阪には大きなチームが二つあり、どちらもスポンサーも太く優勝争いも経験するほどの実力がある。日本代表に選ばれるほどの有力な選手も多く在籍している。ゆえに、奈良にプロクラブがなかったとしてもそれほど

    • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#036 第36節対 SC相模原 ”ギターの音が街に響けば

      シーズンも佳境に入り、それぞれがそれぞれの終着点に向けて最終局面を迎えている。自転車ロードレースで言えばラスト10kmを切り、ゴールに向けて各チーム各選手の思惑が入り乱れながらゴールラインに傾れ込んでいくような場面だろうか。こういう時期は自分が推しているチームでなくても、直接関係のあるチームの結果が気になってしまうわけで、奈良クラブの試合がないにも関わらず一喜一憂するような週末を迎えた人も多いのではないだろうか。 もちろん僕もその1人であり、前日の結果を踏まえれば今節の相模原

      • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#035 第35節対 福島ユナイテッドFC ”Rain"

        正午過ぎに降り出した雨は、試合開始前の午後2時には本降りとなりロートフィールドを多い尽くした。かなりの集中豪雨だ。みるみるピッチは水浸しになり、「本当にこのなかで試合するの?」という声があちこちで聞こえ始める。ほどなく試合開始を20分遅らせるというアナウンスが流れる。屋根のある席にいた僕たちだが、風が巻いているので雨がじゃんじゃん振り込んでくる。「これはまずい」ということで、皆に倣ってコンコースでの雨宿り。そこには雨を避けた人が集まり、真っ暗な西の空を不安そうに見つめる。おそ

        • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#034 第34節対 カマタマーレ讃岐 ”光るとき"

          『薬屋のひとりごと』の第二期の制作が発表された。この作品も、前回に取り上げた『葬送のフリーレン』同様、昨年のこの時期に初回放送があった作品だ。なかなかに面白いので、第二期までに見ておこうと視聴を進めている。この作品の主人公である「猫猫(マオマオ)」の声優は悠木碧さんなのだが、この方は僕の好きな作品でもたくさん出演されているし、印象的な役所が多い。一番有名なところは『魔法少女まどかマギカ』の「鹿目まどか」ではないだろうか。この作品と双璧をなすほどの名作が『アニメ平家物語』の主人

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        奈良クラブを100倍楽しむ方法#0

        • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#036 第36節対 SC相模原 ”ギターの音が街に響けば

        • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#035 第35節対 福島ユナイテッドFC ”Rain"

        • 奈良クラブを100倍楽しむ方法#034 第34節対 カマタマーレ讃岐 ”光るとき"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#033 第33節対 ヴァンラーレ八戸 ”イメージの詩"

          遅ればせながらアニメ『葬送のフリーレン』を見終わった。昨年の本放送の時期は仕事が非常に忙しく、やっと見始められると思えばそのまま一気見だ。第二期も制作決定とのことで、続編が待ち遠しいところである。 『フリーレン』は劇伴も良いし、物語の仕掛けも面白い。種族によって寿命が違うという一種の時間的な”ラグ”を、登場人物の価値観や倫理観の違いの根拠にしているところが、この作品の一番の魅力だろう。ただ、それだけでいくと『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』や『アニメ平家物語』など、山田尚子

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#033 第33節対 ヴァンラーレ八戸 ”イメージの詩"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#032 第32節対 FC大阪 ”Fight For Your Right"

          痛すぎる敗戦。かなり精神的なダメージを受ける試合だった。中田監督に変わりこれまで一つ一つ丁寧に積み上げチームを再建してきた奈良クラブ、その流れから行くとこの試合は必ず勝たなければならないものだった。サポーターも選手も、この試合にかける意気込みは相当なものだったはず。しかし現実はそう甘くはない。フットボールの神様は残酷だ。 この試合については、あえて「力負け」という表現はしない。実力としてはイーブンだったし、奈良クラブが戦力として見劣りするようには思えない。むしろ、この試合は

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#032 第32節対 FC大阪 ”Fight For Your Right"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#031 第31節対大宮アルディージャ ”バイタルサイン"

          10月4日は「新世紀エヴァンゲリオン」の初回放送が放送された日だそうだ。一番最初に登場する使徒サキエルに対して、碇シンジの乗るエヴァンゲリオン初号機は一方的に攻撃を受け活動を停止する。そこから、いわゆる「暴走=動けないはずの状態なのになぜか動く」が始まり、使徒を殲滅するというのが1話〜2話の流れだ。アニメが大好きな人なら「親の顔よりも見た」というシーンだろう。エヴァンゲリオンの監督を務める庵野秀明の作品には「動かないはずのキャラクターが原理不明の要因で動く」という描写が時々あ

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#031 第31節対大宮アルディージャ ”バイタルサイン"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#030 第30節対松本山雅 ”翼"

          フットボールにおいて、僕には「翼を広げないと空は飛べない」という勝手な持論がある。抽象的な言い方にしているが、ただ格好つけたいだけで、要は「サイド攻撃が重要だよ」という意味だ。フットボールには「ウィング」というものすごくかっこの良いネーミングのポジションがあり、彼らが躍動する試合が大好きだ。元々、奈良クラブを応援しようと思ったのは地元のチームだからというのもあるが、古典的なウィングのいるシステムを採用していたからだった。 ウィングとは、タッチラインいっぱいまで張り出し、ボール

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#030 第30節対松本山雅 ”翼"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#029 第29節対テゲバジャーロ宮崎 ”あるく"

          こうやって観戦記を書いていると「書きやすい試合」と「書きにくい試合」がある。「書きやすい試合」というのは、勝敗でななくていわゆる「因果」がはっきりしている展開のものだ。良きにつけ悪きにつけ「こうだったかああなった」というふうに記述できる試合は書きやすい。 この試合は一番書きにくい類の試合だ。因果はそれなりに見えているのだが、最後の失点シーンは何度見直しても納得できない。誰がどう見てもあのプレーは反則だっただろう。騒然とするスタジアムは、それぞれがやり場のない感情を抱え、「どう

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#029 第29節対テゲバジャーロ宮崎 ”あるく"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#028 第28節対長野パルセイロ ”がんばれ兄ちゃん"

          情熱と期待を胸に船出した、中田一三監督率いる新生奈良クラブ。変わったもの、変わらないもの。僕も含めて見ている人にはさまざまな感情があるはずだが、大事な大事な2戦目だ。前節は準備期間の短さもあったが、なにより新監督の初陣ということで奈良クラブには「なにをしてくるのかわからない」というアドバンテージがあった。今節はある程度の手の内を明かした状態での一戦となる。奈良クラブを見る側にとっても、前節と比べて何がどう変わり、何をしようとしているのかを確認する意味でも重要な試合だ。中田監督

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#028 第28節対長野パルセイロ ”がんばれ兄ちゃん"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#027 第27節対カターレ富山 ”Go Let It Out!"

          愛ゆえの決断、さらばフリアン9月4日のプレスリリースで、フリアン監督の解任が奈良クラブから発表された。JFLからJ3昇格の立役者でもあり、奈良クラブのファンなら人一倍思い入れのあるフリアン監督である。今シーズンの苦しい戦いぶりからも、「フリアンではない道」を模索するような声もあったが、中断期間を経ても監督の交代は発表されなかった。僕はそれゆえ「どうあってもフリアンと今シーズンを戦うのだな」と思っていた。 最終的なきっかけは前節今治戦の大敗だろう。中断明けの2試合も結果が出な

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#027 第27節対カターレ富山 ”Go Let It Out!"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#026 第26節対FC今治 ”Some Might Say"

          0−6。大敗。さすがに堪えるスコアである。良いシーンがなかったわけでもないが、それでも結果としては「何も得るものがなかった」と言われても言い返しようのないものである。非常に辛い。 ここまでやられてしまうと、何度かあったように「戦術どうこう」ではなくて、もっとベースの精神面のところでの立て直しが必要だ。では前向きな言葉がけをするのかと言っても、それも空虚な感じがする。選手は選手で困っているし、サポーターも困っている。 今でこそ盤石なFC今治もシーズン序盤は不安定だった。奈良

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#026 第26節対FC今治 ”Some Might Say"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#025 第25節対ギラヴァンツ北九州 ”かすかな光"

          久しぶりのホームゲーム。できるだけポジティブな言葉で自分を鼓舞し、「もしかしたら」「あはよくば」というかすかな期待を胸に臨んだギラヴァンツ北九州との一戦は0−2。完敗としか言いようがない内容と結果だった。メインスタンドから見える空には遠くに光る夕立の雷が時折見えた。雷鳴のない雷は、まさにロートフィールドで観戦した奈良クラブを応戦する人や選手たちの胸中を象徴的に表していたのかもしれない。 今シーズンの最も悪い時期が今だろう。前半戦にも苦しい時期があったが、今はわけが違う。なにせ

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#025 第25節対ギラヴァンツ北九州 ”かすかな光"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#024 第24節対ガイナーレ鳥取 ”虎"

          試合終了のホイッスルがなった時、普段あまり感情を出さない堀内が倒れ込んで悔しさを露わにしていた。それくらい、この試合に賭けるものがあったということだ。それでも勝てなかった。この敗戦はかなり痛い。入念に準備をした一戦だっただけに、単純な一敗ではないダメージがある。同じ負けでも、先日のホームでの沼津戦のように総力戦で挑んでの敗戦なら、受け入れやすい。今節は出せるはずのものは出なかったという印象がある。こういう試合は見ている方ですらこれだけ悔しいのだから、選手たちは尚更だろう。もど

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#024 第24節対ガイナーレ鳥取 ”虎"

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#番外編〜奈良の林業とユース組織の未来〜

          文語でいくと、どうしても堅苦しい感じになってしまうので、今回は口語調にして、難しいことでもできるだけ簡単に聞こえるように書いてみようと思います。今回書くことは、実はめちゃくちゃ難しいことですが、これはどんな立場の人も知っておいてほしいと思うので、あえてこういう雰囲気でいきますね。 去る8月11日に、奈良クラブ主催のイベント「ファンコミュニティ会員ブルーディアイベント@吉野郡川上村」に長女と参加させてもらいました。抽選ということでかなりの応募多数だったようですが、めでたく当選

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#番外編〜奈良の林業とユース組織の未来〜

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#024 後半戦展望 ”Whatever"

          90年代の英国を代表すバンドのオアシス。このバンドを知っている人なら誰でも知っている、CMにも採用されたこともあるので聞いたことのある人も多いだろう名曲の「Whatever」はこんな歌詞で始まる。 オアシスの楽曲のコード進行は全く難しくない。非常にシンプルなコードでほとんど曲を弾くことができる。FとかBのバレーコードさえクリアできれば、あなたもオアシスだ。そんなシンプルなコードで構成されているというのに、どの楽曲も胸を鷲掴みにするような、「このメロディしかない!」というとこ

          奈良クラブを100倍楽しむ方法#024 後半戦展望 ”Whatever"