おとなちゃれんじしっぱいぽい。
Here comes a new challenger!
木犀花(もくせいか) 隠世 /散らかる文 青紗蘭
2024年11月17日 21:59
鼻を擽るのは君か。
「雑魚に手こずってるから、後ろを取られるんだよ」
秋を知らせる香木。木肌は木犀のようだが
実に可愛らしいオレンジ色をつける。
「足手まといと雑魚だけか」
紅葉の入りに、ふわりふわりと風に口説かれ色っぽさを薫りに忍ばせる。
「ちっとはマシかな?」
あの鼻を擽る甘さは、妖艶さを感じさせる。
「まぁ、自分が来たからには、もう万事OK、ノープロブレム!」
悪い意味では無い。
「スリリングだろ!」
隠世と此処を往き来するような謎めいた魅力を感じる。甘さはある
「抑制能力に欠けてるのは、おめえの方だな!」
が気品がある。
「だけどプロジェクトは譲れないぜ」
まるで、その様ないのちの姿をしたものが其処にいそうな気がする。
「さすが新型機は違うねえ、燃え方もきれいだぜ」
薫りに身を任せ揺蕩えば。
「貴様…まさかわざと!」
ふと隠世に招かれそうになる。
「やっとこさお出ましか…かわいこちゃん」
ふと薫り強まり手招きされる。
「たまんないねえ、かわいこちゃん!」
つい薫りの手招きにそっと手を合わし。
何者であるかなど愚問とばかりに、引き寄せたい。想い滾るままに情を交わしてまいそうだ。
「”やり過ぎ”っていう意味が、よく分かりませんが?」
明日の身も知れぬ、権力争いに翻弄されていたなら。疫病に怯えるしかないなら。
ならば、誘いに揺蕩うのも悪くない。
「暴走の達人をなめんなよ!」
薫りの成すままに互いのすべてを重ね。
互いを隅々までいきわたらせる。
「こちらアルファ1、ノイズが多くてよく聞こえない」
虚しさすら哀しみすら蒸発させる。
その熱量、薫り、より色濃く。
「状況回復まで一時交信を中断する」
二度とは逢えぬ。
いのちの逢瀬と共に知っている。
「古い地球のことわざにあるだろ」
「”百聞は一見にしかず”って」
涙と共に初恋のような接吻をかわし。
「利口な奴は、ちゃんと用意周到に鉄砲を持ってるもんさ」
薫りの誘いは、魔除けの花となり。
「心配ねえよ!」
隠世から戻りし私の手に
そっと添えられている。
「運頼み?運も腕のうちよ」
そなたの名は木犀花。
「デートの時間には間に合いそうだぜ」
よく知られる金木犀。
「過ぎたことは忘れようぜ」
だからよく己に問え!
これからなんの、どんな役を演じるのかをな!
古傷がね、うずくんだよ。
嵐が近いってね。