どうしていつもこうなのだ、スウェットよ。
急に冷え込んできましたね。
個人的にはこの季節の変わり目は何となく好きで
クローゼットの服たちを見つめながら
「今年の秋・冬はどんな服を着ようかな」
とワクワクさせてくれます。
まだ寒すぎないこのタイミングでは、冬は中に着こむような服を主役にできることが多く、悩むのが楽しかったりします。
すぐに冬が始まってしまいそうですが(槇原敬之)。
そんな中、今期はスウェットシャツを楽しみたいと思っていたところ。
今日はスウェットシャツについての思いを書いてみたいと思います。
春秋・冬でも活躍が見込める服として1つのトップスのジャンルを確立しているスウェットシャツ。画像のような丸っこい形をした服です。ざっくりとした定義はこのようなもの
うむ。分かりやすくていいですね。子どもの時は「トレーナー」って呼んでいたかも。年代によって呼び方が違うのかな。
アメカジの必須品としてでも、服が好きな方の着こなしの幅を広げるアイテムとしてでも、スウェットシャツが好きな人は少なからずいるはずだし、多くの人が1着は持っているのではないでしょうか。お気に入りのスウェットって、ありますよね。
でもですね。
でも…思いませんか? 特にスウェット好きの男性陣に聞きたい。
スウェット、使いづれぇ!!
好きがゆえに、何とか積極的に着用していますが、正直に言ってシャツやウール、カシミヤのニットと比べてあらゆる点で「不便」なのです。
特に次の3点が、スウェットを「困ったやつ」にしてしまっているように感じます。
① 暑い日に暑く、寒い日に寒い。
最初の厄介さは、まずここに尽きるかなと。
平たく言うと厚手のコットン100%の生地なので、温度調整が絶妙に難しいのです。夏場や秋の始まりでは暑くてどんどん汗をかくし、冬の前後ではどんどん風を通して冷えまくるのです。
ベストな時期は、春・秋の15℃~20度かと思いますが、この温度が一日続く日なんて、今の日本ではほとんどないのです。そのため、結論として「やや汗をかく」か「やや寒い思いをする」かの日着ることが多いのです。
さらに厄介なのは、競合相手の存在。自分にとって「やや暑い日」の主役はシャツで、「やや寒」の日には薄手のウール・カシミヤのニットが猛威を振るいます。どちらも軽量で守備範囲が広く、かつ重ね着も可能なので、「がんばったらスウェット着れるんじゃない?」という日でも勝ち目がなくなってしまうのです。
② ただひたすらに、乾かない。
最初にお借りした説明にある通り、スウェットは本来「汗をかくもの」。
なので、どんどん着用してどんどん洗濯を繰り返すもの。なのですが、どうしても洗濯が億劫になってしまいます。「ひたすらに乾きが遅い」からです。
洗濯後はたっぷりのコットンがたっぷり水分を含み、脱水しているにもかかわらず重みを感じます。縦に伸びないように工夫して吊り干しするか、ニットのように平干しをするのですが、とにかく乾きが遅い。
部屋の乾燥機能を使っても中々乾かず、リブや脇などの複数の生地の結合部は一日たっても乾いていないことも。様子を見て、「まだか…」を繰り返すうちに、「次は複数回着てから洗濯しよう」と洗濯の機会が遠くなってしまうのです。
そして、一回着て、二・三回目に着る際には「洗濯してないけど、これで外出しても大丈夫かな?」と矛盾に満ちた欺瞞が生まれます。
その結果、外出時の主役の座をなかなか掴めない事態になってしまうのです。
シャツのように、【一回着用⇒洗濯⇒すぐ乾く】の優秀なサイクルに加われればいいのですが、突出した「乾きの遅さ」によって、なかなか不遇なポジションについてしまっていることが多いのではないでしょうか。
③(三十路には)着こなしが絶妙に難しい。
「カジュアルすぎるんだよなあ~」
というのが最近の感想です。
もしかしたら同じ人もいるかもしれませんが、自分がスウェットが好きになったのは大学生の時で、チームや大学のロゴが入ったいわゆる「カレッジロゴスウェット」に憧れ、着用したことにありました。
なんか、みんなで同じスウェットを着て、馬鹿騒ぎして、思い出を作るのが好きだったんですね。そのような楽しいイメージの延長もあって、あのカジュアル感を体現する雰囲気が好きなのです。
しかし今、時は2024年。
30を超えたオッサンにはスウェットを主役にするのが日に日に難しくなってきています。
明らかにカジュアルすぎる。
近くのコンビニにならいいけど、これをメインに据えて街を歩くなら色々とバランスを考えないといけない、と勝手に感じ始めています。
いつものデニム・スニーカーに合わせると大学生のコスプレになるし、かといってスラックスだと「ちぐはぐ」に見えるし…と、色々と考えるうちに、少しずつ出番が減ってきてしまっている気がします。
と…ここまで散々文句を垂れてきた訳ですが、そんな文句を言いながらも、スウェットを好きになってしまう。
どうしても抗えない魅力があるんですよね。
なかでもスウェット特有のコットン生地のモチモチ感、着こなせないけど懐かしさを感じさせる行き過ぎたカジュアル感、そして経年変化を「育てる」楽しみなど、他にはない魅力が詰まっているからかなあ。
不便だけど手放したくない、出番を用意してあげたいと思わせる憎めない服だと思うのです。
最後に、年相応になって少しずつ洗練された(?)(主観です)
お気に入りのスウェットを紹介させて下さい。はい。完全に自己満足です。
1 Brurhms Rootstock の Soft & Hard Sweat
日本製にこだわり、徹底的なモノづくりを続けるBlurhmsさん。
その少しカジュアルラインと言うべきポジションなのがBlurhms Rootstockなのかなと勝手に解釈しています(間違っていたらすみません)。
とは言え、決してセカンドライン的なものではなく、デザイン・素材・縫製のどれをとっても素晴らしい服を作っている印象です。
そのRootstockの人気商品がSoft & Hard Sweat シリーズ。
外側はしっかりハード、内側はソフトな着心地という謳い文句の通り、スウェット好きが求める適度なハリ感+重さと包まれるような着心地を両立した素晴らしいスウェットです。
愛用しているのは、黒に近いグリーンで、ヘンリーネックのような形をしている一着。
ゆとりがありながらもダボダボにはならない絶妙なサイズ感に加えて、胸元のスナップボタンがアクセントになっていて、無地なのにスウェットのカジュアル感を程よく出してくれています。
休日(期間限定)の外出にぴったりの一着かなと感じています。
このブランドのデザイナーさん、本当に良い服をつくってくれるなあ。
Blurhms Rootstockの人気な服であるカジュアルに振り切ったカレッジロゴ入りのスウェットも欲しいけれど、着こなせる自信はなく保留中。
日差しの下では濃いグリーンにちゃんと見えるのがまた着ていて面白く、毛羽立ちの少ない生地なので、今後のハードな洗濯で少しずつ色褪せながら育っていくのが楽しみです。
重厚なスウェットゆえもちろん、洗濯後の乾きは遅いです(哀)。
2 LoopWheelerのインディゴスウェットシャツ
スウェット好きの心をつかんで離さない日本のブランド LoopWheeler。
詳細は言わずもがなですが、ここを基準にすると、ビンテージを除いて他のどこのスウェットも霞んでしまうほどのクオリティのスウェットを輩出してくれています。
こだわり抜いた極上のもちもち感、着心地はやみつき必至です。
LoopWheelerのもう一つの面白いところは、かなり積極的にコラボをしてくれるところ。
BEAMSとの恒例のコラボに加え、GraphpaperやLowercaseなど様々なところとのコラボレーションによって、「被らない・飽きない」スウェットとして魅力を引き出しているのも凄いなあと思います。
自分のお気に入りもそのようなコラボの流れから生まれた一着です。
まだコラボレーションの紹介ページが残っていました。
こういう企画はいつも服好きをワクワクさせてくれます。
ガゼットやリブ、ラグランスリーブといった王道のディテールをもちながら、現代人に嬉しいやみつきの着心地、生地感に加えてインディゴ染の色落ちまで楽しめる一着になっていて、気づいたら購入して4年ぐらい経っていたと思います。気にならない程度のネップと色落ちが目に見えてきました。
これ一着で街中に出かけるのには自分は実力不足ですが、室内・屋外問わず着たい時に着て、洗って、次の季節を待つ。というのんびり付き合っていきたいと思わせてくれる一着です。
と、自分の推し紹介が長くなってしまいました。
自分にとっては正直少し扱いづらいスウェットシャツですが、
この服だけの魅力も詰まっていて
どうしても憎み切れないモノだと感じています。
でも。それでいいのかなと。
この記事を少しずつ書いている間に寒さが厳しくなり、
もうあと僅かしか出番がなさそうですが、
また次に「スウェットを着たい!」
と猛烈に思わせる季節まで待機してもらいたいと思います。
これからもよろしくです。
皆さんはスウェットシャツについてどのように思いますか?
お気に入りのスウェットや、スウェットのブランドがあれば教えて下さい。
読んで頂きありがとうございました!