SIはつらいよ
あー、つらいなーと感じたことを思うままに語ります。SIだけではなく、サラリーマンあるあるネタに近いです。
マラソンを全力疾走で駆け抜けろ。まさに労働の集約。
いわゆるSI企業やコンサルは自社サービスや製品を持たない。(持っていたとしても売上に対する割合は非常に少ない。)
抱え込んだ人的資源を元手に顧客に労働力を提供する。読んで字の如し、人的資源である社員は、基本的に常時フル稼働を求められる。
社員数は会社の売上を左右する重要な変数であり、社員数を増やさずに売上を上げるのはほぼ不可能と言っていい。
SI企業に社員として在籍する限り、常に全力疾走し続けることを求められる。20台から40年近く働くのに、ずっと全力疾走って冷静に考えて無理じゃね?
結局のところSI業界は調整弁。発言権はないのだよ。
IT業界は雇用の調整弁、という表現には同意しかない。
SI企業にも働かない社員は一般的な割合で存在している。だからこそ若手~中堅は疲弊してしまう。
本文中に、どうでもよい要求を聞き入れて要件を膨らませるから~、という記述がある。これはシステム規模の肥大化に対する苦言だが、SI企業にしてみれば願ったり叶ったりだったりすると思う。社員の労働時間が長くなろうと、エンジニアとしてのモチベーションを下がろうと、開発規模が大きくなれば利益が大きくなるし。
顧客は調整弁に余計な発言は求めない。自分たちのビジネスに口を出されて良い気はしない。言われたものを黙って安く作れば良い。
長い時間を費やし、クソを生み出す覚悟を。
SI企業は基本的に顧客が欲しいものを具体化し、提供する。言い換えると顧客の課題に対する解決策を提供することだ。解決策はソリューションとして直訳され、システム開発が結びつけられることが多い。
こすられまくっている超有名なネットミームだが、まじでこれが当てはまる。
顧客は自分たちの要件をうまく説明できず、ニーズや課題を的確に捉えていない。そのくせ自分たちは絶対であるかのようにが振る舞い、細かい要件に固執し、あら捜しをする。SI企業もリスクを察知し、バッファを増やし、費用がかさむ。コストを削れと文句を言うの無限ループだ。
かたや、プログラマは日本語能力に乏しく、正しく理解できるドキュメントがでてくることは少ない。プログラマが習得すべき言語の第一位は日本語だ。生産性がめちゃくちゃ高いトッププログラマなんか見たことない。
様々なプロジェクトを経験したが、これは良いもの作ったな、と思ったことはない。無駄じゃね?これ必要?イケてないなー。と思うものしかないし、改善提案をする余地はほぼない。我々にはビジネスに口出しをする発言権などないのだよ。
採用活動と実態の乖離。若手のピュアさに辟易。
SI企業に入社後、大抵は既存システムの問い合わせ担当からスタートすることが多い。そうやって顧客担当者とのコミュニケーションやITの基本知識を学ぶ。いわゆる下積みだ。よっぽど優秀な人や専門性がすぐに活かせる人を除いて、一見遠回りに思えるが効率的だと思う。
SI企業は、前述の理由からとにかく人が欲しい。そこで、どの会社も採用活動ではキラキラしたエピソードを話す。お?コンサルっぽいこともできるし、コンサルほど激務じゃなさそうで安定してそう、という理由から軒並み人気企業になる。
ひとつ困るのは、キラキラ話をすべて真に受け、人気企業に入った自分は優秀なんだと信じて疑わない人が増えたことだ。覚えたばかりの単語を並べ、さも優秀であるかのように振る舞う。自分に割り当てられた基本的なタスクはまともにやらないくせに、それ以外の活動に精を出す。キラキラした話に憧れ、モチベーションを上げるのは一向に構わないが、まずは自分のタスクを100%こなしてほしい。
これからSI企業に入る人は振られた仕事、言われたことを愚直にやってみると良い意味で目立つかもしれない。
これから入る人、目指す人に向けて。
日系SI企業を志す人は、エンジニアやPMになるのではなく「サラリーマン」になると思ったほうが良い。
どの業界でも似たりよったりの不満はあるだろうから、あまりSI企業に絶望しないで欲しい。SI業界を含むIT業界はこれからも発展するだろうし、年収は高いところが多い。仕事は楽しいに越したことはないけど、年収も大事だ。余計なことを考えずに入るのも吉。
あと、女性にとって日系SI企業はおすすめ。リモートワークや産休育休制度は浸透しているので、高年収を維持しながら子育てできる。自分の年収が高ければ、いざとなったら離婚できる精神的な余裕が持てる。
SI企業に勤める女性は、自分と同等かそれ以上の年収水準の人と結婚するケースが多い。エンジニアは高年収で真面目な人が多く、婚活面でも有利だ。
責任感が強く、抱え込む人は、時短勤務で負い目を感じたりしてしまうかもしれない。そうじゃないタイプならまじで人生楽しめると思う。