「天然ポリコサノール」副作用なしで肝機能ALT値2割減。50代日本人対象の実証実験結果
「善玉コレステロール(以下、HDL)」の重要性を社会へ啓蒙する「長寿因子 HDL研究会」は、健康な50代の日本人を対象に天然由来のポリコサノールを摂取した臨床試験で、血圧が1割・肝機能指標ALT値が2割改善などの結果が得られたことを7月5日に、日本で初公開しました。本論文は世界のHDL研究第一人者であるチョ・キョンヒョン博士、上原吉就博士ら4名の共著で、国際学術誌「Life」で公式に受理・掲載されました。
【英語版】
「Protection of Liver Functions and Improvement of Kidney Functions by Twelve Weeks Consumption of Cuban Policosanol (Raydel®) with a Decrease of Glycated Hemoglobin and Blood Pressure from a Randomized, Placebo-Controlled, and Double-Blinded Study with Healthy and Middle-Aged Japanese Participants」での発表内容
https://www.mdpi.com/2075-1729/13/6/1319
実験の詳細
この研究は、高血圧と高脂血症のない50代の健康な日本人を対象に、キューバ産サトウキビ由来のポリコサノール(Raydel®)を12週間毎日20mgずつ摂取するグループと偽薬(placebo=有効成分が入っていないもの)を摂取するグループに分け、被験者の血圧、脂質、脂蛋白にどのような変化があるのかを12週間の期間をもうけて実証研究が行われました。
対象:50代の健康な日本人52人
実証実験の内容:キューバ産サトウキビ由来のポリコサノール(Raydel®)を毎日20mgずつ摂取
条件:ランダム、 プラセボ対照、 二重盲検
期間:12週間
結果
・肝機能が2割改善(グラフA)
ASTとALTは、肝臓細胞によって生成される酵素です。もし肝臓に何らかの損傷が生じ、細胞が破壊されると、ASTとALTが血液中に大量に放出されるため、血中濃度が上がり、数値が上昇します。ポリコサノール摂取群は12週間後にASTの数値が21%、ALTの数値が8.7%減少しました。
・高血圧が1割改善(グラフB)
一般に「上の血圧」「最高血圧」と呼ばれている「収縮期血圧」に関して、ポリコサノール摂取群は12週間後に数値が8.2%(約1割)減少しました。
・γ-GTPはタンパク質を分解し、肝臓の解毒作用に関与する酵素です。肝臓、腎臓、膵臓などの臓器や、胆汁の排出経路に異常が生じると、血中濃度が上がり、数値が上昇します。ポリコサノール摂取群は12週間後にγ -GTPの数値が16%減少しました。
・BUN(血中尿素窒素)はタンパク質の代謝によって生じ、腎臓で排泄されます。腎機能が低下すると、尿素窒素の排泄が適切に行われなくなり、血中の尿素窒素(BUN)の数値が上昇します。ポリコサノール摂取群は12週間後にBUN(血中尿素窒素)が約14%減少しました。
【長寿因子 HDL研究会について】
長寿因子 HDL研究会は、多くの疾患の引き金とされる“血管系の疾患”に深く影響する「善玉コレステロール(以下、HDL)」の重要性を社会へ啓蒙する研究会です。「HDLの正しい知識を広め、人々の健康寿命に役立てる」ことを目指し、シンポジウム開催、特設サイトの運営、論文・コラム・研究レポートの発表やSNSでの情報発信などを多角的に展開しています。
商号 : 長寿因子 HDL研究会
代表 :上原吉就(うえはら・よしなり)博士/医師
設立 : 2023年5月
事業内容:
「HDLの正しい知識を広め、人々の健康寿命に役立てる」ことを目的としたシンポジウム開催、特設サイトの運営、論文・コラム・研究レポートの発表やSNSでの情報発信など
URL :https://hdl-research.jp/