勉強会_4

【イベントレポート】Heart Driven School #4 〜事業を成功に導く事業計画〜

Heart Driven Schoolについて

スタートアップ起業家・経営者が経営や事業にすぐ実践できる内容をお届けする、Heart Driven Fund主催イベントです。
8月28日(水)に、シード起業家向けに第4回を開催しました!

当日の概要

スタートアップ企業の経営者として豊富な経験を有しており、ファイナンスと事業育成の両面から、企業の成長をドライブさせてきた経歴を持つHeart Driven Fundの石倉、国内外における経験を元にアーリーからレイトステージまで幅広い企業への投資判断・投資先支援及びファンド管理を担当している長谷川が、アイデアから事業計画への落とし込み方など、スタートアップに必要な事業計画の設計方法を伝えました。

今回も当日の様子のダイジェストをお届けします!

勉強会#4

登壇者の紹介

石倉壱彦(いしくら かずひろ)
株式会社アカツキ Investment&Co-Creation担当 執行役員
Heart Driven Fund パートナー

公認会計士・税理士。2005年 KPMGあずさ監査法人において、国際部にて監査業務やアドバイザリー業務等に従事。2013年より株式会社アカツキに入社。経営管理部長として大型ファイナンスやIPO業務に従事し、2014年に監査役に就任。 2015年より株式会社3ミニッツ取締役CFOに就任。創業時からコーポレート部門の統括、事業の立上や組織設計の構築に従事。2017年にグリー株式会社との大型M&Aのディールを成功させ、グリーグループ参画後も事業成長を牽引し、2018年6月に退任。 2018年11月アカツキ監査役を退任し、「Heart Driven Fund」責任者として、Investment&Co-Creation担当執行役員に就任。


長谷川 彩子(はせがわ あやこ)
株式会社アカツキ Heart Driven Fund アントレプレナーインレジデンス

アクセンチュア株式会社にてM&A・新規事業・戦略コンサルティングに従事。2014年よりフリーランスで、日英にてスタートアップ投資案件及びスタートアップでの戦略立案の双方に取り組む。その後、ゴールドマン・サックス証券会社投資銀行部門にてTMT/ヘルスケアセクターにおけるアドバイザリー業務に従事。2018年12月からHeart Driven Fundに参画。国内外における経験を元にアーリーからレイトステージまで幅広い企業への投資判断・投資先支援及びファンド管理を担当している。

事業計画の目的

まず、事業計画とは何で、何のためにあり、そして何が大事なのでしょうか。目的が異なれば、伝える相手も異なります。きちんと事業の目的や対象を整理し、把握することは事業計画の基盤としてとても重要です。

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資金調達を考えている人であれば真っ先に思いつくのは、投資者(VC)や融資者(銀行など)への説明となる事業計画でしょう。どういった成長戦略を描いているのか、どういったパラメータが効いてくるのか、等を説明するものとして重要です。また、事業を拡大していくにあたっては、パートナーとなりうる外部企業への説明にも使うことになりますし、新しいメンバーを勧誘するためにも使うことになるでしょう。
もちろん、事業を大きくドライブするために、KPIや戦略を内部メンバーに落とし込むためにも使うことになります。伝える相手によってどこに力点を置くのか考えて作っていきましょう。

ステージ別の留意点

起業されている方でもいろんなステージの方がいると思います。HDFも日々幅広いステージの方から投資案件を頂いていますが、注目している点はステージによって大きく違っています。

プレシード期のようにアーリーであればあるほど、事業計画ではその事業のスケーラビリティに注目しています。狙える市場は大きいのか?その市場を掴みにいけるいいチームメンバーが集まっているか?という点です。ですので、きれいに作られた事業計画は最初から期待していません。
シリーズA、シリーズBとステージが上がっていけば行くほど、事業計画のリアリティに注目しています。シリーズA/BではProduct Market Fitやユニットエコノミクスが達成されてきていることが多くなってきますし、事業計画を精緻化するに必要なデータが集まってきています。それをベースに、更に事業拡大/利益拡大を狙うにあたってどういった戦略を作っているのか?そして、その戦略を達成できる根拠は?という点を見ることが多いです。

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事業計画作成時のポイント

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1. いい例の紹介
HDFの投資先に、新しいイラストに出会うことができるサービスや、クリエイターへの投げ銭サービスを展開するSoziという会社があります。HDFはシードステージで投資したのですが、Sozi代表の宮村さんが持参してきてくれた事業計画がシンプルながらも要点を押さえていたので少しご紹介したいと思います(宮村さんの了承のもと、参加者には当日少しご説明しました)。
宮村さんの事業計画は、
1) ビジネスモデル、2) 必須コスト、3) キャッシュ残高
の3つが単純明快に示されており、これまでの事業成長度合いを見ても、彼とSoziというプロダクトの素晴らしさはこの時から現れていたなと思います。

2. 因数分解
KPIを設定したり、戦略を考えていく中での基本的な考え方は因数分解を行ってみることだと思います。目標地点(売上高等)から因数分解を行うことで、何が重要で、そのために取り組むべきことが何か見えてきます
例えば、サブスクリプションビジネスであれば、ユーザを増加させるために①既存ユーザ、②新規ユーザに分解したうえで、それぞれどういう施策を打っていくのかというのが一つの考え方になるでしょう。既存ユーザなら、継続率や離脱率を上げてLTVがCPAを超えるために、新規ユーザならPV数やリーチ数、コンバージョンレートを上げるため、それぞれどういった施策を検討すべきかということが上げられます。これらを分解したうえで、どの要素が最も(短期的/長期的に)重要か、自分たちがすぐにできるものなのかなどの軸をもって判断していくということになります。

ここでの注意点は、いずれのステージにおいても保守的になりすぎないかつ、目標目線を上げること。(ただ、過度に目線を上げすぎることも注意。)以前に、一瞬で間違いに気づくレベルの事業計画を持ってきてくださった方がいたので、計画を作成した後は市場規模や競合シェアと比較するなどして、検証を忘れないようにしましょう。

事業計画をもとにしたプロジェクトマネジメント

最後に、シード〜シリーズB以降の事業まで、事業計画書を参考にしながら3つの事業(ゲーム・広告メディア・EC)を実例に挙げ、プロジェクトマネジメントについて話をしました。
イベント当日は、具体的なExcelをお見せしながらお話ししましたが、noteレポートでは割愛させていただきます。

Q&A、交流会

今回も勉強会の終わりにQ&Aと交流会を設け、どちらもみなさんの積極的な参加のおかげで、主催者側・参加者側ともに有意義かつ楽しい時間を送ることができました。

最後に

起業家や起業準備中の方が課題に思うこと、不安に思うことがたくさんあると思います。Heart Driven Schoolでは、そんな不安を解決できるイベントを開催していきます。興味がある方は是非ご参加ください!

直近の開催予定

イベント情報などFecabookページに随時更新していますので、ぜひページのチェックもよろしくお願いします^^
https://www.facebook.com/HeartDrivenFund/

Heart Driven Fundについて

起業家、アーティスト、クリエイターなど多様な才能へ投資、コラボレーションを通じて価値創出するアカツキの投資プロジェクトです。現在投資からハンズオン支援まで積極的に行なっております。

Heart Driven Fund ホームページ
https://hdf.vc/

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