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会話と何気ない感じと問題と思い出す作業のこと。

今期クールでぼくが観ているテレビドラマはね、
日曜日放映の日本テレビ系列
『ホットスポット』及び、
同じく日曜放映のTBSテレビ系列
『御上先生』です。

『ホットスポット』では、一昨年放映の
『ブラッシュアップライフ』と同様、
バカリズムさんの脚本で、登場人物の
会話のセリフがおもしろくって、
なおかつ、ストーリーもね、
なんだか何気ない感じがよいんですが、今後
物語が大展開してゆきそうな予感もありつつ、
でも、その予感は、じつは脚本によるミスリードであって
(『ブラッシュアップライフ』のときも、
そういうようなシーン、けっこうあったから)、
このまま、何気ない感じが
つづいてゆくやもしれないけれど、たのしみ〜!

そしてまた、『御上先生』では、
松坂桃李さん演じる文部科学省のエリート官僚御上が
官僚派遣制度により私立高校三年生の担任教師になる、
というストーリーなのですが。
ドラマの中で、次は何が起きるのやら
まったくわからないかのごとく、いや、えーっと、
うまく言えないんだけども、すごい!!!

御上先生が派遣される高校は、超名門校なので
生徒みな難関大学を目指していたり、なおかつ、
彼らが将来就きたい仕事も、難関とされる国家試験を
突破しなければ就けないような職業を目指されている。
そのため、なのかはわからないけど、
このドラマの特徴として、普通、学園ドラマでは
いじめであったり、及び、スクールカーストと呼ばれる
クラス内の序列であったり、というものが
ドラマの舞台であるこの教室には存在していなくて、
それが、逆に、観ていて新鮮のようにも感じられる。
おそらく、生徒ひとりひとりの心のうちでは
なにかしらの問題を抱えておられるとしても、
その問題が、クラス及び学校における問題として
(今のところかもしれないが)現れていない。

つまり、生徒それぞれが
クラスメイトとじぶん自身とを比べず、
じぶん自身の目標のことを真剣に考えている。
というふうにも思えてきて、もしかしたら、
こういうような、つまり、他人と比べずに
全員がじぶん自身の目標のみを考えるならば、
いじめ等の問題は起きないのではないか?!
というふうにもね、ドラマの
今のところのストーリーを観ながら感じたんだった。

はたまた、先週放映の『御上先生』第二話では、
ある授業の終わりごろ、御上先生が
新しい学習のヒントとして、紙を配りながら
【ここからの時間で、今日、何を学んだかを
 この紙に書いてくれるかな?】
と仰って、そのとき、ある生徒さんが御上先生に対して
【意図を説明してください。】
と伝えると、別の生徒が
【それ、「アクティブリコール」ですよね。】
と発言され、そして
【ちょっと時間をください。】
と告げながら、黒板の前に立ち、その考え方を
クラスのみんなに説明された。

彼の説明によると、米国で行われた実験において、
「1回勉強した人」と、
「2回勉強した人」と、
「何回も繰り返して勉強した人」とでは、
誰が一番成果が上がったか? と考えるとすると、
「1回だけの人」と「2回やった人」では差があったけど、
そのあと何回繰り返しやっても成果はあまり変わらなかった、
らしくって。そして、さらには、
「『マインドマップ』をまとめた人」と
「『思い出す』という作業をした人」とを比べると、
「思い出す」の作業をした人が、
いちばん学習効果があった、
という結果が出ている、という、それがつまり
「アクティブリコール」という学習方法とのことでして。

先生自らが、その意図を
説明されるのではなくて、
そのことを知っている生徒が教室の前に立ち、
クラスメイトたちへと説明する、
というシーンが素敵だなあと思ったし、また、
この生徒さんによる説明の後には、御上先生が
【どこででも、満員電車に揺られながらでも
 できるのが良いところなんだよね。】そして、
【やるかやらないかは、個人に任せます。】
と話されていたのもよいなあ、と存じました。

このことをドラマで観ながら聴きながら、
たとえば、学習したことをね、その後に
「思い出す」って、大切なのだなあ。
と思いながら、ならば、ぼくも
思い出せたい! って思ったんだった。

思い出とは、思い出せなければ
思い出にならなくて、
思い出すからこそ、
思い出になるやもしらないか。
それらを、
思い出すも、
思い出さないも、すべては
個人に任せる、つまり、
個人個人に委ねられているのだろう。

令和7年2月2日