本棚の前に立ちながら。
さくじつのブログでもすこし記しました
ぼくの母方の祖父のことは、でも、
祖父はぼくが幼稚園のときに亡くなり、
当時、ぼくは、祖父や祖母のおうちとは
遠いところに住んでいたので、
お盆やお正月では訪れていたとは思うけれど、
おそらく、そういうとき以外では
なかなか会うこともなくって、だから、
祖父とお話しした、という記憶もほとんどない。
なので、祖父が、
どのような方だったか、というのは、
その後、母から聞いたところが大きいのですが。
祖父は、学校の先生をされていて、
専門は「国語」だったと聞いているですが。
母曰く、祖父は本が好きで、
祖父の部屋にはたくさんの本があったらしい。
それらの本について、子どものころの母は
祖父の部屋へ内緒で入り、
(おとなの本だ!)って思いながら、
本棚から本を取り出してきて、
ぱらぱらと眺めてから、また、
本棚にそっと戻した、という記憶があるらしい。
母が言うにはさ、
「私が部屋に入って本を見ていたことは
たぶん、気づいていたとは思うけれど、
でも、なんにも言われなかったなあ。」
とのことなのですが。
その光景って、
なんだか、目に浮かぶようだし、
素敵な記憶だなあって思うのよね。
そして、ぼくが大人になってから、
子どものころにはほとんど読まなかった本を
いろいろ読むようになって、
それでね、たしかぼくが20代後半ごろ、
祖父の本棚を譲り受けて、今ではさ、
ぼくの部屋に祖父の本棚が置かれているの。
祖父の本棚は、
かっこよくって、素敵で、丈夫で、
とっても気に入っている。
本棚の前に立ちながら、
本を眺めていると、
本自体はちがう物なのだとしても、
祖父もこうしてこの本棚の前で立っていたんだ、
と感じられて、どことなく、祖父と、
対話しているような気持ちにもなってくる。
これからもね、祖父の本棚、
大事にしてゆきたい〜。
令和4年7月11日