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芸術とは何か?(『明日の神話』を想いながら。)

これまで数日読んでいた本を中断させて、
先日、クラウドファンディングで支援いたしました
岡本太郎さんの壁画作品『明日の神話』における
「大改修プロジェクト」のリターンで届きました
書籍『明日の神話1967-2023』を読んでおります。

この書籍を読みながら、
芸術とは何か? というのをね、
なんとなく考えているのですが。

岡本太郎さんの『明日の神話』という作品とは、
この書籍の中では岡本敏子さんが
【原爆の炸裂する瞬間を描いた】
とおっしゃっていて、また、
その壁画の中心には燃え上がる骸骨、
火災の中で漂う亡者の姿、及び、どす黒い何か、
死の灰を浴びる第五福竜丸などなどなどが描かれながら、
しかし、壁画の左端のほうでは、虹のような場所で
人々が談笑しているようにも思われる描写もある。
つまりはさ、やはり、この『明日の神話』とは
戦争の悲劇が描かれた、もしくは
戦争による死者へと対する哀悼の意味もありながら、
しかし、ここからでもまた生きてゆこうとする
人間の力のようなものもぼくには感じられるのですが。

そう考えてみれば、
もしかしたら、芸術とは、
哀悼や追悼であったり、はたまた、
生きる命のことが表現されているやもしらない。

たとえば、このほかならばなんだろう、
今、ぱっと思い出すのはね、
『ゴジラ』というキャラクターもまた
核兵器をモチーフにされているとも聞くし、
村上春樹さんの連作短編集『神の子どもたちはみな踊る』は
阪神淡路大震災について、また、
新海誠監督の映画『すずめの戸締まり』は
日本各地の震災及び東日本大震災について、そして、
エリック・クラプトンさんの『Tears in Heaven』という曲は
息子さんの死を悼み制作された、とも言われている。。。

Would you know my name?
If I saw you in heaven

これらのほかにもね、たくさん、たくさん、
このような作品は枚挙にいとまがないとぞんじますが。
それらの作品を鑑賞しながら、ぼくも、
死について考えたり、
戦争について悼んだり、
災害について祈ったり、
生きることについて想ったり。

ぼくは弱くて、かつ、無力で、
なんにもできないけれど、それでも
じぶん自身のできることを行えたい。

年末より引きつづき、岡本太郎さんの
『明日の神話』を想いながら。

令和6年1月2日