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「今世をやり直す」と伝えられるタイミング。

前回noteでは、今年1月期のドラマ
『ブラッシュアップライフ』のブルーレイボックスがね、
先日届きまして、それから、あらためてドラマ観ながら
思ったことをしるそうと思いつつ、でも、
前回だけでは書ききれなかったこともあるので、
そのつづきを今回申します〜。

前回では、安藤サクラさんの演じる
主人公・近藤麻美(あーちん)が、
不慮の事故で亡くなり、ふと、気づけば
だだっ広い白い空間に居て、そこで
バカリズムさん演じる案内人より、あーちんの来世が
グアテマラ南東部のオオアリクイであること、そして
もしも希望の生命で無いのだとしたら、生前における
必要な徳が不足している可能性が高い、
という旨を伝えられた。。。

あーちん:じゃあ、わかりました。もう、あそこ(左側の扉)から私、オオアリクイの人生っていうことですよね。
案内人:そうですね。まぁ、あとは、来世ではなくて今世をやり直すか、ですよね。
あーちん:ん? どういうことですか?
案内人:新しい生命ではなくて、もう一度、近藤麻美様として同じ人生をやり直すことでしたら可能です。
あーちん:え? それもあり?
案内人:えぇ。そこでご自身の人生を修正していただいて、ご希望の生命に生まれ変わる確率を上げることはできますけど。
あーちん:あぁー、ん! 要するに、徳をたくさん積んでいくっていうことですよね。
案内人:そうですね。
あーちん:ほうほうほう。うん、じゃあ、そっちのほうがいい…
案内人:そうされます? では、やり直すってことで。
あーちん:はい。
案内人:かしこまりました。では、こちら右側まっすぐ進んでいただきますと扉がございますので、そちらから今世にお入りください。
あーちん:わかりました。ありがとうございます。
案内人:行ってらっしゃいませ。

ドラマ『ブラッシュアップライフ』第1話より。

案内人によるこの説明のシーンを観ながら、
一つ、ちょっと奇妙に感じたことがあったのよね。

それはさ、つまり、
「今世をやり直す」ということを
伝えられるタイミングなのでして。たとえば、
前回noteでしるしました場面では、案内人より
【ではですね、こちら左側まっすぐ進んで頂きますと
 扉がございますので、そちらから来世にお入りください。】
と言われた直後、あーちんが、そのまま
左側の扉へと進みそのドアを開けていれば
今世をやり直すことはなかった。でも、あーちんは
数歩だけ進んだところで一旦案内人の元へと戻り、
【あ、すみません。ちなみになんですけど、次、
 どこに生まれ変わるとかってわかったりしますか?】
って訊ねた。そして、次は、つまり、来世の生命は
「人間」ではなく「オオアリクイ」なのだと告げられる。

あーちんはこのことをどこか不平だとも思いながら、
でも、あーちんが生前勤務していた市役所の
窓口でのクレーム対応のことを思い出しながら、
(この人に言ってもどうしようもないんだろうなあ…)
とも思い、そして、この上でしるしました
【じゃあ、わかりました。もう、あそこから私、
 オオアリクイの人生っていうことですよね。】
と言ったタイミングで、案内人より
【あとは、来世ではなくて今世をやり直すか、ですよね。】
と説明される。

あーちんにとって、ある意味では
とっても重要だとも思われる
「今世をやり直す」という情報がね、なぜ、
そんな微妙、とゆうか、はじめからは告げられずに
いくらかのやり取りを経てのタイミングで説明されたのか、
ってゆうのも、その解釈はむつかしいんですが。

たとえば、ドラマの第3話では、
あーちんが再び不慮の事故で亡くなり
再度、案内人の元へと訪れたときには
さらにまた、今世をやり直せることを知って、、

あーちん:これってもう、じゃあ、納得行くまで何回でもやり直しがきくっていうシステムですか?
案内人:いや、もちろん限りはありまして。その回数もですね、一週目で積んだ徳の量によって決まっているので、一度もやり直せない方もいらっしゃいます。
あーちん:なるほどなるほど。ちなみに私は、あと何回やり直しができますか?
案内人:それはちょっとお伝えできないです。
あーちん:そうなんですね。
案内人:すみません。

ドラマ『ブラッシュアップライフ』第3話より。

案内人から「一度もやり直せない人もいる」ということも
説明されていたですが、こうして考えてみると
このドラマの世界において、何度か、という
その回数は人によってちがうともしても、その人が
今世の人生を「やり直せる」と定められたとして、
でも、この旨は告げられず、たとえば
最初、あーちんが左側の扉へと向かい
そのまま引き返さなかった場合みたいな、
「やり直せる」にも関わらず、その情報を知らないがため
「やり直せない」というケースもあるようにも想像するの。

これはさ、でも、考えてみれば
このドラマのシーンだけでなくって、
日常生活におけるあらゆる場面においてもね、
じぶんには思いも寄らないけど、でも、
じぶんにとって重要となる情報を、
どうしたら知ることができるのか? つまり、
どうすれば相手から伝えられるか? ってゆうことと、
根本的には似ているような気がしていて。
それはさ、でも、ある意味では
このことを考えるのは、やっぱり
かなりむつかしいことだとも思うのよね。

そのときにはさ、なんか、たとえば、
あーちんが何度か言われていた
「ちなみになんですけど」
ということばはね、そう言うことによって
じぶん自身が訊きたい内容の世界観が広がる、というか、
すこしだけじぶんの把握できることが増える、というか、
重要なキーワードになるのやもしらないなあ〜。

令和5年9月8日