これからの「入り口」のようなアルバム。
前回noteでは、先週リリースなされました
Mr.Childrenの新アルバム『miss you』と、
くるりの新アルバム『感覚は道標』は、
同じ発売日だからこそ、ぼくがそう
感じてしまうからなのやもしれないのですが、
どこか似ているかもなあ、
と感じたことをしるしました。
それはたとえば、どちらの作品でも
老いであったり、もしくは、年齢を重ねてゆくことが
曲の中、また、アルバム全体の中で
表現されているのではないか? と思いました。
WEBサイト「Real Sound」での
くるり×田中宗一郎(タナソウ)さんの対談では、
くるりの新アルバム『感覚は道標』について、
たくさん語られていたのですが。
そのなかでのタナソウさんからの質問として、、
『感覚は道標』の両側に
既存のレコードを並べるとすれば?
とのように訊ねられた岸田さんは、
ビートルズの『ラバー・ソウル』と、
はっぴいえんどの『はっぴいえんど』と答えておられました。
ぼくは、はっぴいえんどは
あんまりよくわからないのですが、
たとえば、岸田さんの言われるような
『ラバー・ソウル』と『音楽は道標』って、
なんだか、いや、専門的な音楽のことは
ぼくはわからないけど、そう言われてみれば
雰囲気が似ているようにも感じられます。
ぼくのなかではね、ビートルズの
『ラバー・ソウル』という作品とは、たとえば、
アコースティックな感じで、
穏やかで、優しくて、でも、
弱いという雰囲気では全然なくって、
しなやかに強くて、聴いていると心地が良い、
というふうなのですが。そう考えるとすれば、
くるりの『音楽は道標』も、
そのように言えるのかもしれないな。
上で引用しましたインタビューの以前の箇所では、
タナソウさんがビートルズについて、、
『ラバー・ソウル』『リボルバー』及び
『ホワイト・アルバム』というアルバムについて、
決定的な一曲が無い、それこそが
アルバムの醍醐味だとおっしゃっていて。
タナソウさんの言われるようにそう考えるとすれば、
くるりの新アルバム『感覚は道標』もね、
「決定的な一曲」と言うよりかは、
いろいろな曲を聴くことができて、そして
アルバム全体の雰囲気や流れがすばらしい。
‥‥と、そう思えば、
Mr.Childrenの新アルバム『miss you』もまた、
ビートルズの『ラバー・ソウル』的なごとく、
アコースティックな雰囲気、
穏やかであり、かつ、しなやかに強い、そして、
決定的な一曲というのも挙げづらい、いわゆる
「THE アルバム」のようなアルバムなのだと思われる。
ビートルズのアルバム『ラバー・ソウル』の解説によれば、
1965年10月12日、メンバー4人が
アビイ・ロード・スタジオに集まり、
レコーディングが始まった、とされるのですが。
イギリスの季節がどのようになっているのか、
わからないけれど、季節は秋で、そしてまた
『感覚は道標』も、『miss you』も、
この秋の季節にリリースされた
秋に聴きたい音楽のようにも感じる。
またもうひとつ、ぼくがビートルズの
『ラバー・ソウル』で思うのはね、
それまでの『ヘルプ!』までのアルバムとは
だいぶ雰囲気がちがくって、そして、
これからリリースされてゆくアルバム、つまり
『リボルバー』や『サージェント・ペパーズ』への
入り口のような作品だと思うの。
前作『ヘルプ』には、アコースティックでの
『イエスタデイ』や『夢の人』が収録されていて、
それらが、つまり、『ラバーソウル』への
布石のような曲だったのかもしれないけれども。
つまりはさ、アルバム『ラバーソウル』とは、
これまでとこれからの分けるような、いわば
未来へと進んでゆくような作品かもしれない。
そう考えるともすれば、
くるりの『感覚は道標』も、そして、
Mr.Childrenの『miss you』も、
これからの作品はどうなってゆくんだろう?
って思えてくるかのごとく、これからへと向けた
「入り口」のようなアルバムなのやもしらないな。
あれはなんだろう
遠ざかる 景色
あれは あれは
あれは将来
令和5年10月14日