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好決算相次ぐ

NYダウ:34,912.56(+534.75)
NASDAQ:14,823.42(+251.79)
S&P500:4,438.26(+74.46)
WTI:81.31(+0.87)
ゴールド:1,797.9(+3.2)
ドル円:113.70
ユーロ円:131.88
VIX:16.86(-1.78)

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市場予想を上回る米主要企業の決算発表が相次ぎ、投資家心理が改善した。朝方発表の米経済指標を受け、過度なインフレや景気減速への懸念が後退したことも買い安心感につながった。

【プラス要因】ーーーーーーーーー

・ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが大幅高。14日朝に発表した2021年6〜8月期決算が市場予想を上回ったうえ、併せて発表した医療サービス企業への出資拡大など成長戦略も好感された。

・医療保険のユナイテッドヘルス・グループは市場予想以上の7〜9月期決算と通期予想の上方修正を受け、買われた。

週間の米新規失業保険申請件数が前週から減り、29.3万件と市場予想(31.8万件)を下回った。雇用回復が進んでいるとの見方が広がった。

9月の米卸売物価指数は前月比0.5%上昇と、伸びは8月(0.7%)から鈍化し、市場予想(0.6%)も下回った。インフレ加速への警戒感が和らぎ、米長期金利は1.5%台前半で落ち着いた動きとなったのも株買いを後押しした。

【アナリスト予想】ーーーーーーー

好決算銘柄に加え、アナリストが「第4次産業革命による長期的な伸び基調」を指摘した建機のキャタピラーも買われ、ダウ平均を押し上げた。
14年ぶりの大規模な業績拡大期を予想する」。米投資会社のカウエンは14日付リポートで投資判断を「買い」で調査を開始したキャタピラー株についてこう分析した。高評価の背景はITや人工知能などの普及による第4次産業革命だった。建機や鉱山機械などでも自動化や温暖化ガスの排出を減らす取り組みが進むなか、顧客の少なくとも75%が新技術を搭載した製品に買い替えると予測する。自動化製品への切り替えが売上高を今後10年間で350億ドル押し上げるとみる。世界的に脱炭素化が広がる状況下で、リチウムや希土類(レアアース)の採掘関連など新たな需要も見込めるという。アナリストは商品価格の上昇で鉱山業が活発になり、需要が「キャタピラーのコスト増を上回る」との見方を示した。さらに米国のインフラ投資政策も建機を中心に需要拡大につながるという。

【決算内容】ーーーーーーーーー


ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス

6〜8月期決算が市場予想以上だったうえ、長期成長戦略が好感され7%強上げた。医療サービスのピレッジMDへの出資を拡大し、2027年までに共同で1000の診療所を開設するといい、医療サービスと医薬品販売の両面で収益拡大を目指す。4月に付けた今年の高値から前日まで2割弱下げていたが、今年コーヒーチェーンのスターバックスから移ったロザリンドブリューワーCEO下での成長期待が広がった。


銀行大手の決算

7〜9月期決算が市場予想以上の増収増益だったパンクオブ・アメリカが4%強上げた。収益指標とされる純金利収入は10%増と、同業のJPモルガン・チェース(1%増)やウェルズ・ファーゴ(5%減)と比べて堅調と受け止められた。M&Aの助言や預金残高の増加も業績を押し上げた。M&Aが活発ななか、7〜9月期の助言業務が過去最高の収益となったモルガン・スタンレーも高い。


決算シーズンの開幕直前は供給制約やコスト高が収益を圧迫するとの懸念が広がっていた。S&P500は4日に心理的な節目となる4300まで下げていた。マリー氏は4300と50日移動平均線(13日時点で4435付近)のレンジで推移するなか、「どちらの水準を抜けるかで目先の相場の方向感が決まる非常に重要な局面にある」とみる。14日は4438と50日移動平均を小幅ながら上回って終えた。
ホーガン氏は「供給網の影響などを見極める必要があるが、(主要株価指数が)過去最高値圏で迎えていた前回までの発表シーズンと異なり、市場予想を上回る実績や見通しが示されれば押し目買いを誘いやすい」とみる。決算発表は本格化したばかり。今後の供給網やインフレを巡る経営陣の見解などを見極める必要があるものの、下振れリスクが警戒されているだけに、内容次第では下げ基調だった銘柄を中心に買い直される雰囲気も漂い始めた。

半導体のTSMC△2.3%

14日に発表した21年7〜9月期決算で売上高や1株利益が市場予想を上回った。半導体需要が膨らみ、需給ひっ迫による値上げも寄与した。売上高と純利益は四半期として過去最高となった。日本工場の建設も正式に発表した。

航空機のボーイング▲2.0%

米ウォール・ストリート・ジャーナルが14日、過去3年間に製造された中型機「787」のチタン製部品に欠陥が見つかったと報じた。ボーイングは以前に機体構造上の不具合が見っかった787の出荷を停止している。報道によると米連邦航空局(FAA)から品質審査の不備も調査されているといい、787の出荷再開に時間がかかる可能性が意識された。

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