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テスラに注目

NYダウ:35,457.31(+197.80)
NASDAQ:15,129.10(+107.30)
S&P500:4,519.63(+33.17)
WTI:82.96(+0.52)
ゴールド:1,769.65(+0.30)
ドル円:114.38
ユーロ円:133.05
VIX:15.70(-0.61)

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2021年7〜9月期の決算発表が本格化するなか、好業績銘柄を中心に買いが集まった。ダウ平均はほぼこの日の高値で終え、過去最高値を付けた8月16日以来の水準に浮上した。

上昇が目立ったのが日用品・医薬品のJ&J。19日に発表した21年7〜9月期決算で1株利益が市場予想を上回り、好感された。保険のトラベラーズも予想を上回る決算発表を受けて買われた。米主要企業の好決算が相次ぎ、投資家心理の改善につながった。市場では「強気の姿勢が必要だ。10月は下げた局面では買いの好機になる」との声が出た。

一方、日用品のP&Gは決算発表で経営陣が想定を超える原材料費や輸送費の上昇に言及し、売りに押された。消費財や小売り株が売られ、スボーツ用品のナイキが安い。

19日のナスダックは5日続伸し、約1ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。前週までは9月の米消費者物価指数(CPI)など物価指標の上振れで米長期金利が上昇すれば、高PE Rのハイテク株が売りの標的になりかねないとの警戒感が相場を下押ししていたが、把憂に終わったことで投資家は攻勢に転じている。

テスラ株が上昇している要因の一つは出荷の伸びだ。2021年7〜9月期の出荷台数は約24万台と前年同期比で7割増えた。市場では、半導体不足や物流など供給の問題があるなかでは「驚くべき数字だ」との声が上がる。投資家の目には、同業のトヨタが半導体不足を理由に減産に追い込まれたのとは対照的に映る。テスラは20日に21年7〜9月期の決算を発表する。それに先立つ18日、シティグループはテスラの21〜23年の1株利益予想を上方修正したテスラはこの2年間で株価がおよそ17倍に上昇。テスラの空売り残高をみると、9月末時点では2900万株が積み上がっている。1月下旬に上場来高値を付ける1カ月ほど前には約6000万株と倍以上の残高があった。短期筋の買い戻しが株価を押し上げる力は当時ほど大きくなさそうだ。足元のテスラ株は、20日の決算を先取りしているとの見方もある。決算発表後のテスラの値動きはハイテク株全体の浮沈を左右しかねないだけに、市場の注目度は高い。

日用品・医薬品のJ&J +2.3%

21年7〜9月期決算で1株利益が市場予想を上回り、21年12月期通期の業績見通しも上方修正した。新型コロナウイルス渦で低迷した処方薬販売や医療機器の需要が回復した。

仮想通貨交換業者のコインペース・グローバル +4.2%

フェイスブックが試験的に始めたデジタルウォレットの信託業務で提携したと発表した。国際送金で米ドルに連動し、値動きが相対的に小さい「ステーブルコイン」の利用が可能になる。暗号資産の普及期待や信託業務への需要拡大を好感した買いが入った。

仮想通貨ビットコインのETFプロシェアーズ・ピットコイン・ストラテジーETF +4.9%

米国発のビットコインのETFとして、19日にニューヨーク証券取引所に上場した。ピットコイン先物で運用し、ピットコイン価格が上昇したのを受けて高く終えた。

手術ロボットのインテュイティプ・サージカル +1.2%

18日夕に肺生検支援ロボット「イオン」の使用で肺がんの生検の効率や質が向上したとの調査結果を公表し、一時は3.9%高となった。引け後の予定を早めて午後に21年7〜9月期決算を発表した後は伸び悩んだ。決算は市場予想を上回る増収増益だったが、前倒し発表で混乱を招いたうえ、材料出尽くし感からの売りも出たようだ。

アリババ+6% 自社開発の半導体を発表し競争力向上

データセンター向けに自社開発した最先端技術の半導体を19日に発表した。クラウド事業の拡充が期待され、競争力が増すとみる買いも入った。自社開発としては第3世代となる新型半導体は人工知能に特化し、回路線幅は5ナノメートルの高速情報処理能力を持つ。英アーム社の設計技術を活用した。クラウド事業の「アリババクラウド」やグループ企業内での利用を計画し、外部販売はしない。独自の半導体によるサービス拡充で顧客のニーズに応え、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やマイクロソフトが支配する世界のクラウド市場のシェアを獲得する狙いもある。中国当局の規制強化でECの成長鈍化が懸念されるなか、アリババはクラウド事業を成長分野に据える。現在のクラウド事業の売上高比率は足元で8%程度とみられ、今後はライバルから顧客を奪う戦略を強化するようだ。米中関係の不透明感が続くなか、中国政府は企業の半導体の自社開発には前向きとされる。中国の通信機器最大手のファーウェイやバイドゥも半導体開発を強化している。

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