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保育記録 4つの大切な意味
こんにちは。
NPO法人日本ホームチャイルドケア協会です。
親子の笑顔をより増やすために、プロフェッショナルなベビーシッターが活躍している社会を創造するをビジョンに掲げて活動しております。
今回はベビーシッターがサポートが終わった後に、保護者に書く「保育記録」に隠された 4つの意味 についてお話します!
保育業務における「保育記録」の意味
ベビーシッターや保育士の業務の中で、欠かせない 「保育記録」
マッチングサイトを利用している方なら 「完了報告」 という言葉のほうが馴染みがあるかもしれませんね。保育園でいうところの 「連絡帳」 にあたるものですが、ベビーシッターならではの、その意味や目的について 深く考えたことはありますか?
「仕事のルーティン」として行うことが多いですが、ベビーシッターとしてその目的や価値を考えることで、保育の仕事にさらに意義を見いだせるかもしれません。
多くの方がすぐに思い浮かぶものから、意外に思われにくいものまで、一つ一つ説明していきます。
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1.記録としての役割(保護者への報告)
保育記録は大切な記録です。依頼時間にどのような保育をしたのか、どんなことがあったのか事実をお伝えする役割がありますし、ベビーシッターにとっては仕事をおこなった事実としての意味合いもあります。 依頼時間に子どもとどんなことをして遊んだのか、どんな様子だったのか、どんな生活リズムだったのかは一番気になるところでもあります。それをお伝えすることは、シッターが生活の一部を担っていることも関係しています。 「いつもより昼寝の時間が短かった」「食事を完食した」といった変化を記録しておくことで、シッターが帰宅した後の生活リズムの変化を捉えやすくもなります。
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2.自分の保育を振り返る
保育記録は自分の保育を振り返るためのツールでもあります。 その日子どもたちとどのように過ごし、どんな成長が見られたかを記録することで、主観ではなく、客観的な視野で自分の保育を見直すことができます。
「次回は紙を丸めて豆まき遊びができる準備もしていこう」「帰宅後すぐに手洗いにいけるように洗面所にお気に入りのおもちゃを置いておこう」など、子どものための興味や行動のパターンが見えてくるため、次のサポートに入る時の保育計画のような見通しを立てる際にも役立ちます。 ただの業務作業としてではなく、「未来につなげる記録」として取り組むことで、より意義深いものとなります。
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3.自己を守るための証拠
3つ目は、自分自身を守るためのものとしての役割です。保育の仕事は責任が重く、予期せぬトラブルが発生することもあります。万が一の事故や保護者との行き違いが発生した際、「その日の記録」があるかどうかで状況の把握が大きく変わります。特にSIDSチェック表は大切なものになります。
例:朝、引継ぎ時に目の下に傷あり(お母様と確認)
また、例のように後から確認する際、事実を明確に記録に残す報告書は、保育者自身のリスク管理の観点から非常に重要です。
4.営業ツールとして活用する
そして意外と見落とされることが多いのですが、完了報告書が営業ツールとしての役割を持っているという点です。
特にベビーシッターやフリーランスで活動している方にとって、大げさな言い方かもしれませんが、報告書は自分の保育スキルや実績をアピールする手段となります。保護者に安心感を与えるだけでなく、新たな契約獲得のための大きな武器となり得ることもあります。
例えば、保護者に「本日の報告書」を渡す際に、その内容が詳細かつ丁寧であれば、保護者から「この人はしっかりと子どもを見てくれている」と信頼を得ることができます。また、口コミや紹介を受ける際にも、「記録の丁寧さ」は保育の質の高いを表す要素となります。
実際にあった話:保育記録が「選ばれるシッター」を決める理由
複数人のシッターさんを家庭に迎え入れているご家庭で、こんなエピソードがありました。保護者は仕事関係の方から「保育ができる人を知らないか?」と相談を受けたそうです。その相談を受けた時、その仕事を紹介したのは、その中の1人のシッターさんだけだったそうです。
なぜそのシッターさんを選んだのか?
保護者にその理由を聞いたところ、こんな答えが返ってきました。
「夫婦で報告書を読んでいます。他のシッターの方も丁寧な報告書を書いてくれるのですが、保育士としての専門性をしっかり持っていることがより伝わってきました。ただ子どもと過ごした内容を書くだけじゃなく、子どもの成長やその日の様子を丁寧にに振り返りながら、どのようなことがその成長に繋がったのか、私たちの普段の関りも含めて良かった点、こうしたほうがもっと良くなる点も含めて分かりやすく書いてくれていました。だから『この人なら』安心して保育の仕事を任せられると思い紹介しました。」
保護者は、シッターさんが子どもにどれだけ向き合い、専門家としてどれだけ真剣に取り組んでいるか、保育報告で感じていたのです。保護者にとって保育報告は、ただその日を過ごした記録を読むものだけでなく、シッターの「仕事の質」を判断する重要な材料になってもいるのです。
まとめ
報告書は、単純な業務の完了書ではなく、保育者にとって多くの意味を持つ重要なツールです。自分の保育を振り返り、子どもの成長を記録し、自己防衛の手段となり、さらには次の仕事に繋がる4つの視点で完了報告書の価値を見直してみると、日々の業務に対する意識が変わるかもしれません。
「書くのが面倒だな…」と思う日もあるかもしれませんが、その記録が子どもたちや保護者、そして自分にとって大きな財産になることを忘れずに、ぜひぜひ考えてみてくださいね!
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