2024年10月ファーストエイド・エピペン®講習
こんにちは。NPO法人ホームチャイルドケア協会です。ベビーシッターに特化した座談会、勉強会、研修会などを行っております。
10月はリアル研修会「ファーストエイド・エピペン®講習」を実施しました。
経緯
ベビーシッターは基本的に1人で保育を行っていますので緊急時も1人で対応しなければなりません。そのため救急救命研修を受けている人がほとんどです。この記事を書いている私も、年に1度は必ず救急救命研修を受講し、体で覚えるということを行っています。
でも、日々の対応では擦り傷・切り傷・熱中症など身近なものばかり。正しい方法を教えてもらっていないという声を受けました。またアレルギーでアナフィラキシーショックを起こしたときの予防薬として利用できるエピペン®︎研修は、救急救命研修でなかなか取り扱わない分野でもあり経験がない方も。
みなさんからのリクエストを受け、ベビーシッターに特化した「ファーストエイドとエピペン®講習」を企画しました。
参加者が学んだこと その1
「善管注意義務」(ぜんかんちゅういぎむ)
いきなり難しい言葉が並びましたが、ベビーシッターに当てはめて解釈すると下記のようになると先生からお話がありました。
ベビーシッターが緊急事態に遭遇した場合は、管理者として救命行動を取らないといけない義務のこと。救命行動をとらないと訴えられる可能性がある。そして仮に救命しようとしてミスがあった場合はとがめられないとも。
行動あるのみ!
目の前の命を救うのはあなたしかいません。先生が力説されたのも納得です。
参加者が学んだこと その2
とにかく119番‼︎
救急救命の研修会に参加すると、誰か近くにいることが前提で「赤い服を着たあなた119番通報してください」と手助けしてほしい人の特徴を伝えながら指示をお願いすると教わりますが、ベビーシッターはそれができません。
だからこそ、すぐに119番通報をし、救急隊からの指示を早く受ける必要があります。「過去の誤嚥事故から学ぶ」でも同じことを学びましたよね
理由はそれだけではありません。「善管注意義務」を遂行した記録を残すためでもあります。
119番通報の練習はできないと思い込んでいましたが、119番の代わりに
「117(時報)にかけて 練習しましょう」との一言
その手があったか…!!!
練習といえど、カウントダウンタイマーの「カチッ カチッ」という大きな音、焦る気持ちも伴う本番さながらの通報練習でした。「◯時◯分◯秒」とAIの声で時報が聞こえた時、ホッとしたのは私だけではないと思います。
スピーカーフォンで通報、救命処置の指示を仰ぎながら行動できるようにすることも命を守る上で大変重要です。
参加者が学んだこと その3
エピペンの使用方法は難しくありません。
①青いキャップを取る
②垂直に打つ
③10秒揉む
④打った時間を記録する
その注意点としては
②垂直に打つ
エピペンを持つ手を振り上げて打つと洋服で滑ることがあり、垂直に打てないこともあるそうです。振り上げないで打つのがポイント!また、ジーパンなど分厚いデニム生地でも、重ね着でも貫通するので服は脱がさなくてOK。ポケットに入った小銭、鍵などがあると刺せないことも考えられます。お子さんの場合は、石やドングリなどでしょうか、ポケットを確認してから打つことも大切です。
③10秒揉む
打ったことで出血することもあるので、揉むときの感染対策が必要です。患者本人の手を持って揉むこと、あればビニール等の手袋で行う。自分を守る大切なことになります。
④打った時刻を記入する
緊急時には忘れてしまいそうですよね。エピペンを打ったから安心ではありません。その後の受診が必要になってきますので、エピペンを打ってから何分くらいで発作が治まったかの記録も必要です。救命車を呼ぶことも忘れてはいけません。
満足度100% 参加者の感想
・実技として実施できた事がよかった。エピペンに触れた事が無かったので実際に使えたことが良かった。
・緊張感のある中で実践できたことはよりリアルで頭をフル回転することができました。知識だけではなくインプットとアウトプットが大事ということが実際にやってみて感じることができました。
本当にたくさんの練習で身につけるのが大切だと勉強になりました。
・エピペンの講習はなかなか受けることができず、その中で119番をかけるやり方まで実際にやることができパニックならずにやることの重要性を知ることができて本当によかったです
他にもたくさんの感想をいただきました。
まとめ
参加者が学んだことは3つ
①「善管注意義務」(ぜんかんちゅういぎむ)
管理者は救急救命を行わなければならない
②とにかく119番!
すぐに支持を仰ぐ
③エピペン使用での注意点
処置後の感染対策・時間の記録
想定外を想定内にしておくこと、大切ですね。
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