4年間使い込んでわかった!Notionを仕事で使いこなすための実践Tips集
こんにちは。今日はちょっと仕事感強めなトピックです。
仕事で2020年10月ごろからNotionを使い続けて、はや4年ほどの年月が経過しました。今日は筆者がこれまでにNotionを使い倒してきた中で積み上げてきたTips集を書き連ねたいと思います。
noteを含め、世の中にはNotionに関するエントリーが多くあるように思います。
Notionが何に使えるか
Notionの機能紹介
Notionショートカット集
一方で今回僕がこの記事で焦点を当てているのは以下のようなポイントです。
どうしたら効率よくNotionでドキュメントが作成できるか
どうしたらNotionデータベースを有効に活用できるか
Notionのチーム運用に特に有用だと思う機能
Notionを仕事等で使い始めたけど、「いまいち使いこなせてない」「何が便利なのかよくわかっていない」という方にとって、その一助になるような内容を盛り込んだつもりです。
最初に押さえておくべきポイント
Notionを触る際にまず押さえておくべきなのは、以下の3つの構成要素です。
データベース:ページの集まり。各ページにプロパティ(属性)を割り当てることができます
ページ:文字通り1枚のページ
ブロック:ページを構成する最小単位
基本的にNotion上で触るのは上記の3つの要素だけです。「ブロック」で「ページ」を構成する、という点は直感的でわかりやすいのですが、Notionを触り始める人にとって理解が難しいのは「データベース」と「ページ」の違いでしょう。
似たような画面に見えますが、左側はデータベースのリンクドビューが埋め込まれた「ページ」、右側は「データベース」です。これらを判別するための要素は多くありますが、最もわかりやすいのはブロックを加えたり除いたりできる点でしょう。ページの場合はどこでも自由にブロックを置くことができる一方で、データベースにはブロックを加えることはできません。
データベースとページの違いを正しく認識できていないと、以下のような問題に突き当たり、Notionを使う旨みを十分に発揮できません。
何をすれば左のようなページを作れるのかがわからない
データベースとしてページを積み上げられておらず、拡散する
まず、自分が開いているのはページなのか、データベースなのかを正しく認識することが大切です。逆にいうと、ページとデータベースの差分を明確に理解できていれば、あとはいかにページを効率的に美しく作るか、データベースを有用に使うかに集中すればいいことになります。
ページを上手く作るTips
Notionではシンプルなコマンドでかなりリッチなドキュメントを作ることができます。公式サイトを見ると、おびただしい量のショートカットコマンドが紹介されていますが、ここではその中で筆者が特に多く使っているものを紹介します。
スラッシュコマンドでいろんなブロックを作ってみる
Notionでは / を使うことで、あらゆる種類のブロックを生成できます。
/page で新規ページをページ内に作ることができたり、 /table で簡単な表を作ることができたり、 /callout で文章を目立たせることができたり…
中でも特に便利なのは /linked で生成できる「リンクドビュー」です。ワークスペース内で作成したデータベースを、ページの中に埋め込むことができます。埋め込んだデータベースのレイアウトを変えたり、フィルターをかけたりすることで、データベースに蓄積した情報をページ内で効果的に見せることができます。
@コマンドでいろいろメンションする
Notionの@コマンドは一味違います。人物だけでなく、日付やページをメンションすることができます。
あるページに参考資料として別のページのリンクを載せたい場合は、いちいちそのページに遷移する必要はありません。 ページ名を覚えていれば @ページ名 で簡単にそのページを紐づけることができます。
また、日付メンションは絶対日付と相対日付両方に対応しています。 @今日 もいけますし、 @次の火曜日 、 @2025/1/1 とかでもいけます。日付を確認する必要なく相対日付でノートを取ることができるのは地味に便利です。
全体として、 @メンション を活用すれば他の情報源に行き来することなく効率的にドキュメンテーションを進めることができます。些細なことのように思えますが、こうしたポイントを一つ一つうまくやるのが肝要です。
マークダウンをガンガン使おう
Notionはマークダウン形式で文書を作ることができます。 ### とか - とか [] みたいなやつです。見出しや箇条書き、チェックボックス等、あらゆるスタイルのブロックは前述のスラッシュコマンドでも生成することができるのですが、ぶっちゃけこの辺りはマークダウン使った方が早いです。
「マークダウンを一切使ったことがない」という場合には一定慣れが必要かもしれませんが、マークダウンはNotionに限らずあらゆるツールで使うことができます。Slack, Word, Google Doc, GitHub, etc… とにかくいろんなところで使えます。
ドキュメントを書くあらゆる場面で、テキストを適切にフォーマットすることができる強力な記法なので、この際に習得しちゃった方が良いでしょう。
よく使うのはこの辺でしょうか。ものによってはショートカットで作ってしまった方が楽なものもありますが、一通り試してみて、自身に合ったスタイルを身につけるのが良いでしょう。
# : 見出し。数によって見出しレベルが変わる。3つまで
- : 箇条書き。tabキーでインデントするとレベルが変わる
1. : 番号付き箇条書き。以下同上
[] : チェックボックスが作れる
> : トグルダウンが作れる(ツールによって変わる)
| : 引用文を入力できる(ツールによって変わる)
他にも細かい記法がいくつかあるので、ぜひ試してみてください↓。
データベースの使い方
上記のようなコマンド、記法を駆使してページを組み立てられるようになったあと、次に習得したいのはデータベースの上手な使い方です。特に、複数人でワークスペースを共有しているような場合には、いかにデータベースに適切に情報を集約して活用できるかが肝になってきます。
データベースはなるべく集約しよう
Notionでは、良くも悪くもデータベースをいつでもどこでも作成できてしまいます。ページ内で /detabase って入力したらすぐです。どこでも作成できるにとどまらず、上述の「リンクドビュー」でどこからでもカジュアルに呼び出すことができてしまいます。
チーム内にデータベースを作る場所の共通認識がなく、メンバーが自由気ままにデータベースを作れる状態だと、以下のような状況に直面することになります。
似たような役割・名前を持ったデータベースが別々の場所に複数ある
あるページでリンクドビューを作成しようとした際に適切なデータベースを参照できているかわからない
複数あるうちのどのデータベースを更新すべきかわからなくなる
こうなると大変です。データベースの更新にもリンクドビューの作成にも余計な確認の手間がかかり、ワークスペース内の生産性がガタ落ちします。
以上の理由から、データベースを作る場所はなるべく限定し、情報を集約することを意識して運用することをお勧めします。
インラインデータベースの乱用は避けたい
上記の内容に通ずる話ですが、筆者はインラインデータベースを使うことを極力避けています。データベースの「リンクドビュー」と「インラインデータベース」は見た目上とても似ており紛らわしいのですが、全く異なるものです。
インラインデータベースの使用を避けたい理由は、上述の内容と全く同じで「情報の集約」に重きを置くためです。
データベースは所定の場所にまとめておき、リンクドビュー機能を使ってページからデータベースを参照することを原則としたいところです。
プロパティをできるだけ触らないようにする
Notionあるあるですが、プロパティが多すぎると入力の負担が大きくなってデータベースに適切に情報を積み上げることができなくなります。
そもそも過不足なくプロパティを設定することが大事ですが、その他に入力負担を軽減する簡単な手法として「テンプレート」と「ボタン」を使うことが挙げられます。
まず、テンプレートを編集します。
テンプレートのページ内で /button と入力するとページ内に文字通りボタンを配置できます。例えばボタンを押すとステータスが完了に変わる仕組みなどが簡単に作れます。
データベースのプロパティ直接触ればいいやんって思われるかもしれませんが、ページ内にプロパティ編集の動線があるかないかで、更新の心理障壁がグッと下がります。
その他、便利な機能
ここからは、ページ、データベースの使い方とは別の視点で筆者が便利だと感じている機能をピックアップして紹介します。後半は特にチームでのNotionの運用にかなり便利だと感じています。
覚えておくと何かと便利なショートカット
以下のショートカットを使えるようになると、Notionワークスペース内を回遊するスピードが劇的に向上します。
ページ検索(cmd/ctrl + P):おそらく筆者が一番使っているショートカットです。Notion内のページをクイックに検索できます。これを使っているとサイドバー等を見てコンテンツを探す必要がなくなります。
リンクをコピー(cmd/ctrl + L):Notionで作ったドキュメントを誰かに共有、という場面は少なくないかと思います。そんな時に便利なのが、このショートカットです。一瞬で開いているページのURLをクリップボードにコピーできます。わざわざページ右上の三点リーダーを開いて「リンクをコピー」する必要がなくなります。
ブラウザっぽく使う:Notionはここ最近になってかなりブラウザっぽく使えるようになりました。というのも、以下のような操作が一通りショートカットでできます。
cmd/ctrl + T:ページを検索して新規タブで開く
cmd/ctrl + Shift + [ OR ]:左右のタブへ移動
開きたいページにカーソルをcmd/ctrlを押しながらクリック:新規タブでページを開く
cmd/ctrl + N:新規Notionウインドウを開く
Notionフォームで広く意見を募る
Notionフォームが実装されて、Notionデータベースの活用の幅は一気に広がったように思います(特にチームでの運用において)。
Notionフォーム以前には、Notionにはデータベースの特定のプロパティの入力を必須化するような仕組みはありませんでした。ところがフォーム機能で他ユーザーに対して必須項目の入力を求められるようになったことで、各種アンケートや申請等の仕組みをNotionで簡単に作れるようになりました。
筆者の職場では目安箱や定期的に使う振り返りシートとして導入することで、メンバーの意見等を簡易的かつ効率的に吸い上げてNotionに情報を積み上げられるようになりました。
Mermaidを使って図を作っておく
この辺から少しGeekyな話になってきますが、NotionではMermaidという記法を使って、マークダウンで様々な図を作成することができます。/code または ``` でコードブロックを呼び出した後、言語指定で Mermaid を指定するだけです。
例えば組織図や業務のフローチャート、ユーザージャーニーマップなどなど… 全てテキストで記述する割に、表現の幅はかなり広いです。
正直、Mermaidの記法を1から習得するのは結構大変なのですが、幸い、この辺りは生成AIが大得意です。かくいう筆者もMermaidの記法自体はそこまでしっかり覚えていません。
業務フローの叩き台をChatGPTにMermaid記法で作ってもらう
自身のユースケースに応じて編集する
再度ChatGPTに見てもらってブラッシュアップする
みたいな働き方ができます。生成AIはもちろん、PowerPointやMiro等で作るような図式よりもMermaidのようなテキストベースの図式の方が上手に解釈してくれます。こうしたツールを日頃から使っておくと、今後の生成AIと仕事が楽になってくるかもしれません。
※ 残念ながら現時点でNotionはMermaidのエディタとしてはかなり使いにくいです。公式のドキュメントやライブエディタがあるので、こちらを参照した方が良いかもです。
Notion Webhookで簡単に自動化プロセスを作る
最近、Notionデータベースのコンテンツが追加、更新された時にWebhook URLにデータを送信できる機能が実装されました。平たくいうと、「Notionデータベースで何か起こった時に外部サービスに情報を送る機能」です。従来からSlackやメールに通知を配信する機能はありましたが、機能がとても限定的でした。Webhook機能が実装されたことでZapier等のオートメーションサービスを使って簡単に複雑なワークフローが作れるようになりました。
具体的な手順等の説明はここでは控えますが、上述のNotionフォームと組み合わせて使うことで、以下のようなワークフローを簡単に実装し、色々な業務を効率化できます。
この辺りの機能をゴリゴリ使っていくことで、チームの生産性をもりもり上げていけると思います。
まとめ:Notionを使いこなし、仕事を加速させよう
Notionは使いこなしの幅がとても広いぶん、つまずきがちなポイントや知っておくと便利な小ワザもたくさんあります。重要なのは、まずは「ページ」と「データベース」をしっかり区別し、必要な情報をどこに集約するかを明確にすること。そして、自分のワークスタイルやチームの運用フローに合わせて必要な機能をうまく組み合わせていくことです。
特に複数人で共同作業をする場合には、今回紹介したフォーム機能やWebhookを活用して、データ入力や通知を自動化してしまうのも有効です。最初は設定に少し戸惑うかもしれませんが、一度仕組みができればチームのコミュニケーションコストを大幅に減らすことができます。
Notionは進化が早く、新機能が実装されるペースもどんどん加速しています。ぜひこのnoteをきっかけに、新しい機能や使い方の情報もウォッチしながら、自分やチームに合った最高のワークスペースを構築してみてください。あなたの仕事やプロジェクトが、よりスムーズでクリエイティブなものになるはずです。