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ゲーム「CHRONO TRIGGER」感想

 かの有名な「CHRONO TRIGGER(クロノ・トリガー)」。しかし私は未履修のため、何も知りません。鳥山明がキャラデザをしている・サウンドがめちゃくちゃ良いらしい。この程度の知識で挑んでみた人の感想です。
結論を最初に言っておくけどめちゃくちゃ良かった!ネタバレの感想読むんだったら引き返して購入することをオススメします!

ジャンル:RPG
プレイ時間:27時間
媒体:PC(Steam)

■ プレイ媒体

 この感想を書いている時点ですとSteam、App Store、Google Play、Amazon AppStoreで販売しているようです。
私はSteam版をプレイしました。最初から最後まで低スペックPCを使ってプレイしましたが問題はなかったので、私のような低スぺの皆様もご安心ください。
あ、でも若干ラグが発生したかな。一瞬ラグったのが全部で3回ほどです。稀です。


■ あらすじ

 Steamのページに書いてある「物語」から引用します。

ガルディア王国建国1000年のお祭りでにぎわう「リーネ広場」の一角。
主人公の少年「クロノ」はひょんなことから「マール」と名乗る一人の少女と出会う。
一緒にお祭りを回ることになった二人はクロノの幼馴染「ルッカ」が発明した物質転送マシン「テレポッド」を見物することに。
しかしテレポッドは暴走し、好奇心から実験台となったマールは次元の穴に消えてしまう。
マールが残したペンダントを手に、次元の穴へと彼女を追いかけるクロノが辿り着いた先は400年前の世界だった…。

物語

なんと、過去へ行く話みたい!かなり面白そうです。



■ ゲームシステム

グラフィック

 オリジナルと高解像度を選べます。個人的にはオリジナルの方が好みだったのでこちらでプレイ。オリジナルはいかにもなドット絵、高解像度版は滑らかなのがわかるでしょうか。正直、離れて見るならどっちも一緒です。

オリジナル版

©SQUARE ENIX

高解像度版

©SQUARE ENIX

バトルモード

 ウェイトかアクティブを選択することができます。
アクティブはアクティブゲージが溜まった順番から攻撃をし、敵も動いて止まってくれない忙しいモードです。コマンドを選んで悩む時間も相手は攻撃してくるのでボス戦だとかなり危ない。
ウェイトは技コマンドやアイテムコマンドを選んでる間は止まってくれますが、選んでない時は止まってくれません。
どっちにしてもターン制のバトルではないので、慣れてない人はちょっと難しいかも?

バトル

 バトルUIはこんな感じ。判断が遅いとタコ殴りにされますが、パパっとこなせば素早い戦闘が可能です。全自動物理で殴るオートモードもある。
直線攻撃、範囲攻撃、全体攻撃など、範囲技で攻撃するのは気持ち良い。敵は動くのに自分は動けないので、敵の範囲技を避けたくても避けられなかったりします。
有利不利攻撃も存在し、吸収される攻撃や、HPの半分を強制的に奪われる攻撃、デバフが撒かれまくって身動きできなくなったりなど、ただ単純にレベルだけ上げればいいものではないのが肝となります。
つまり、本作ではバトルの戦略が大事です。それが面白かったですね~!

©SQUARE ENIX

編成

 主人公合わせて3名編成となります。戦闘中の入れ替えはできないので本当に3名しか参加できません。余ったら留守番。

UI

 シンプルで見やすいUIです。わかりやすい!

©SQUARE ENIX
©SQUARE ENIX

寝起きで起こされるシーンで始まるゲームはDQ3で履修済みのため、これが堀井節……!?と楽しくなりました。

章に名前がついてる

 可愛くていいな~って思ったのがこれです。章に名前がついてること。漫画やアニメのサブタイトルみたいでかなり好きでした。

©SQUARE ENIX



■ 追加サブイベント

 「竜の聖域」というサブイベントがSteam版では追加されています。
2つの時代に発生するエリアなのですが、これがまーた面倒くさい!この竜の聖域、町とダンジョンエリアが4つほど存在します。
町に寄ってA時代でダンジョンの端に行き、B時代で町に寄ってまたダンジョンの端に行く。端から端に往復させられるこのサブイベント、最初は良いのですがほぼ同じ場所なので飽きます。一言二言貰いにいくだけなのに往復するのが面倒すぎて全く好きじゃないイベントになってしまいました。最終的に貰える装備は強いんですけどね……。






~~~~ネタバレするよ~~~~









■ ストーリー

 本作は原始時代から未来時代までタイムトラベルすることができる作品です。タイムトラベルした結果、過去で変えたことが現代や未来に影響します。

例をあげると、過去から現代まで同じ場所に存在する宝箱があるとします。過去に戻って宝箱を開けてしまうと、現代に存在していた宝箱は開けられていた状態になります。当然ですね、過去に開けたんですから。
しかし、現代から先に宝箱をあけ、過去に戻って宝箱を開けると、同じ宝箱から2つのものを取得することができます。過去の宝を取った瞬間、現代の宝を取った事実が無かったことになるとか意地悪な話にはなりません。そんな世界観なんです。
 ただし、過去に戻っても時間は一方通行です。恐らくなんですが、すべての時代に起点となる時間軸が存在し、主人公たちの滞在時間が経過するたびに起点が上書き保存されてるんですよね。そのため、「あの悪い出来事をなかったことにしたい」と願っても、その起点以前にはいけないし、起点以降に悪い出来事が発生してしまったら、もう修正できない。それが本当に面白い!

1からストーリーを語ろうとするとかなり長くなってしまうため、時代ごとに色々端折りながら書いていきます。

現代

 主人公や主人公の幼馴染のルッカ、お姫様であるマールの出身時代。魔王を打ち倒してから数百年後の世界。
大臣が魔族に取って代わられているヤバい国なので無実の罪の人が裁判にかけられたり牢屋に入れられていたり、なんだったら王も裁判にかけられたりする。
ただし魔王は倒された時代なので魔族は僻地に追いやられているし、人を憎んでいるし、死んだ魔王を信奉しつつも「どうして人を滅ぼしてくれなかったのか」と恨み節。うーん、ヤバ!
最終的に全部救うので安心してください。

中世

 魔族と戦争している時代。ここでも大臣が魔族に取って代わられてるし、魔族と戦争中なので魔族が蔓延ってる。呪われた元人間の剣士・カエル(人間大の二足歩行のカエル)と出会う時代。
ここで魔王軍と戦い、ヤバいものを召喚中の魔王を打ち倒すことになります。なので現代で村人たちに感謝されてる勇者が本来の勇者ではなく主人公たちに変わっていることに。
たぶんですが、本来の史実ではヤバいもの(ラスボス)を召喚してそのせいで魔王は死んでしまうという流れな気がするので、勇者なんていなかったのではと思いました。あ、偽勇者は一人いたか。こいつのおかげになってたのかも。

未来

 荒廃した地に近代的な機械の施設でガラッと雰囲気を変えてきた未来時代。人は飢えてるし希望も何もない。途中で壊れているロボットを修理し仲間になる。
現代から数百年後、ラヴォス(ラスボス)と言う巨大な何かが地中から這い出て地上を焼き尽くし、この未来になることが判明します。うーん、ヤバ!

 この時代に残っている機械は現代から約千年後の時代に作られたものなので、かなりの長い時間経過していることがわかります。約千年でロボットが人間に成り代わることを願えるほど情緒的に完成された機械を生み出せていたり、食欲は満たされなくてもHPMPともに全快する装置があったり、地上が焼き払われて施設がボロボロになったとしても約千年人間が滅亡せず人口を保てる仕組みが存在していたり、かなりのオーバーテクノロジーっぷりが伺えます。このオーバーテクノロジー時代には行けなかったのが本当に残念。

時の最果て

 どの時代にも属さない最果ての地。安心安全の地で、謎の老人がいる。ここからいつでもラスボスに挑める親切設計です。

原始

 この時代も雰囲気変えて原始時代。森!山!火山!村は少々という時代です。恐竜人と猿人(わかりやすさのためこの表記にしてます)が地上の覇権を争っている時代。猿人のリーダーであるエイラを仲間にし、恐竜人のリーダーとその配下を打ち倒す。
そしてこの時代で宇宙から隕石(ラヴォス)が飛来。ラヴォスは地中深く潜り、星のエネルギーを吸収し、星すべてを餌にしようとしていることが判明。

この展開が結構好きでした。隕石が地上に降り注ぎ、その後氷河期がやってきたと言われている現実の過去の話とリンクしていて楽しい。作中でもこのあと氷河の時代になると予言されています。

古代文明

 魔力ある者は天の民として天空の国へ、魔力ないものは地の民として氷河期の地上へ棲み分けられていた古代文明時代。地底に存在するラヴォスの力を利用し、不死なる繁栄を得ようとしていた時代。
 ラヴォスの力に影響されて国の女王が操り人形と化し、怪しい予言者が女王をそそのかし、女王の子供である王女サラは逆らえずに協力させられ、王子ジャキは国の三賢者とともにどこかの時代に送られてしまった。ジャキは中世に、賢者はそれぞれ現代・未来・時の最果てに送られ、国はラヴォスに滅ぼされてしまった。その結果、主人公は死んだ。

これがさぁ……本当に驚いてしまってさぁ……!
主人公が死んで周りの仲間がうなだれ、どうしようもなく、それでも前に進むと魔王と再会。ここで魔王に恨みのあるカエルが魔王を許すと、魔王が仲間になって、主人公が生き返る手段を教えてくれます。さっさと言えよ!

サブイベント

 大事な内容ばかりなのですっ飛ばさずにプレイしていただきたい。恐らく、どれをクリアしたかによってエンディングのセリフが微妙に異なってくる気もする。

ラスボス戦

 ラスボスを倒すためにはいくつかルートがあります。私は現代に発生した黒の夢という空中要塞みたいなダンジョンに入って宝箱を根こそぎ奪い、レベリングを十分にして古代文明の女王を倒し、ラヴォスに挑みました。

古代文明の女王を倒すと「ラヴォス様!我に力を!」って言いながら高笑いして消えるので、力を貰うんじゃなくてラヴォスに吸収されて消えていったのかな。




■ エンディング

 ラヴォスを倒すタイミングによってエンディングが変化するようです。クリアしたやつだけ載せてます。

バッドエンド

 ラヴォスに喧嘩売ってぼろ負けするエンド。初期に挑んで負けました。「未来で頑張って歴史を変えてね(意訳)」的な激励も貰ったのが悔しかったなぁ!
ラヴォスは今までのボスの技や弱点を模倣していたため「そういう戦闘スタイルなのか」と学習し、以後のボスバトル戦にてメモを取っておくことで二度目のラスボス戦に役に立ったので、ぼろ負けして良かった気もする。

「時の向こうへ」エンド

 普通にプレイするなら一番最初はみんなこのルートに行くであろうエンディング。
「ゲートがもうすぐ閉まるからみんなとお別れしないとね、寂しいね」って言い合って別れた後に主人公の母親と飼い猫が登場!ゲートに突入!ゲート閉門!どうしようと悩む主人公たち!「タイムマシンがあるじゃない!」というルッカの一言!そして再び旅に出るエンディングっていうのがテンポ良くてめちゃくちゃ好きでした。各時代の仲間たちが映るのも良かったな……。
その後のムービーで主人公とマールが結婚してたり、ルッカが謎の赤ん坊を拾ったり、カエルが元の人間に戻ってるっぽかったり、色々な情報が多すぎてムービーから目が離せません。

ちなみに私は主人公とルッカの組み合わせが好きだったため、このエンディングに笑いながらダメージを負ってました。でも公式なのでしょうがない!



■ キャラクター

 それぞれのキャラクターにも愛着が湧いたのでついでに語っておこうと思います。

主人公

 現代出身の平民。物理・雷攻撃・連携技とかなり使える主人公。性格は本編中だとあまり自己主張はしてませんでしたが、ムービー中だと正義感が強く、優しい少年なのかなと思います。
まさかおまえ、途中で死んでしまうとは思わなかったよ。かなり驚きましたがめちゃくちゃ面白い展開でした。復活させるのも、まさか等身大人形と本人を入れ替えて本人だけ持って帰って「はい!復活です!」ってやるとは思わなくて笑いました。ぶ、物理的~!
でも良い展開だったな。みんな主人公のこと大好き。いいね。私も大好き。

マール

 現代出身のおてんば姫。単体回復と水魔法要員。しかし一人で使える全体回復がないので戦闘では留守番になりがちでした。
主人公を想ってくれるかわいい子なのですがエンディングで結婚してた時は本っ当に驚きました。マール側が好きだったのはわかってたけど、主人公もそうだとは思わないじゃん!もっと主人公の好感度もアピールして!

ルッカ

 現代出身のメカ大好きっ子。火魔法と攻撃が意外と高めなのでアタッカーとして使うことも多々。
幼少時に機械の誤作動で母親を目の前で亡くした過去を持っていたため「死は覆らないどうしようもないもの」という認識をしていたけど、プレイヤーがルッカを操作して過去改変し母親を助けてしまったのでそういう気持ちはなくなったっぽい?
ルッカの場合、主人公が助けにいくのではなく、自身が何らかの力によって過去の母親と自分を救いに行くって言うのが面白かったです。自分で自分を救ってしまう女、ルッカさん……。
しかし、なぜ過去改変できたかは謎でした。大いなる意思(?)がルッカを哀れに思ったのか?

カエル

 中世出身。心優しき才能溢れる青年だったけど魔王に呪われてカエルの姿にされてしまった。魔王と対峙した際、親友であるサイラスに庇われてサイラスを目の前で殺されてしまったため、自罰的な思考になっていたが、主人公たちと過ごすうちに克服。
中身の性格も人間だった姿もイケメン。エンディング後なぜか人間に戻ったので魔王が元に戻したのかな。
 中世時代の姫のために動くけれど、なぜそうかと言うとサイラスがやっていたからで、サイラスの意思を引き継いで色々やっているため、サイラスとずっと一緒にいたかったんだろうな……としみじみしました。私の中のよこしまな気持ちが若干うずいた。

ロボ

 未来出身。ロボットのロボ。ルッカに直されて動けるようになった。物理・回復要因。カエル・ロボをどちらかをパーティーに入れることが多かったです。回復、大事!
 実は人間の生活を覗く役目を持った潜入担当のロボットだということが判明します。ロボを作ったマザーはロボットの楽園を作りたかったみたいだし、ずいぶん人間的な思想なので、人間を模倣したかったんだろうな~と思ってます。
ロボは主人公たちに味方するのが可愛くて好きでした。ルッカとロボの仲良しシーンは大好きすぎるのでもっと出してほしかったな~。

エイラ

 原始出身。物理は強いのですが魔法が使えないので、あんまり使わなかったな。魅了してアイテムを敵から奪えるのがめちゃくちゃ使えるけど、アイテム奪取以外は普通。
 キャラデザ初見の印象は「お色気お姉さんかな?」と思ってたけどそんなことなかった。気持ちの良い性格だし、主人公に興味あるのは強さだけだし、カップリングは原始時代の男に固定されてるし、初見時からのギャップがある性格が可愛くて面白かったです。

魔王

 古代文明出身で中世時代在住の魔王さん。お前仲間になるんか~い!な弟属性ジャキくん。
姉のために別時代に送られても力をつけてラヴォスを召喚して姉を取り戻そうとするし、失敗しても次元のゲートから古代文明時代に移動して予言者としてラヴォスを巨大化させ、最終的にサラを救えず、とあるエンディングでは自分の非力さにすべてを投げうって記憶もすべて失い、失うことでわずかな可能性に賭けたいと思ってしまった悲劇的な人物でした。やることなすことぜーんぶ裏目!そりゃそう、一人でできるわけないのに一人で全部行動するし、助けを求めないんだもん。
でも、すべては姉のための行動っぽかったのが好きでした。それはそれとしてお前が魔王としてやったことはなかったことにはならないがな!



■ 残された謎

赤ん坊は誰?

 ネックレスつけてるので王女サラ?と思いつつもさっぱりわかりません。金髪だし。赤ん坊だし。
ルッカはなんでそんなにこやかに笑ってんの?ルッカ視点で見ると捨て子がいるだけだぜ?もっと慌ててもいいだろ。

予言者ムーブは何?

 姉を助け出すためだけなら予言者ムーブして主人公たちを遠ざけないだろうし(邪魔してくれるなら御の字なのでむしろ招き入れるだろう)、ラヴォスへの力の供給も止めてなかったので、予言者ムーブしている時は何がしたかったのか謎。ラヴォスを育てるだけ育てて姉だけ救出するつもりだった?なんで?国を滅ぼして姉だけ救いたかったとか?まさかなぁ……?

大いなる意思の動き

 大いなる意思とは言っても「すごい存在が」「過去を見せたかったのだろう」というニュアンスの言葉が作中で言葉を変えて語られていたため、恐らく星の意思ってことだと思うんですけど、じゃあなんで星の意思さんはマールを過去に送ったことを起点に各時代に主人公たちを送ったんだろう。星の命運はすでにラヴォスに地上を破壊しつくされているので最初は何もしなかったと思うんです。なんで抵抗し始めたんだろう? 滅ぼされる寸前でようやくやる気出た?

 それにルッカだけなぜ母親を助けることができたんだろう。魔王は姉を助けられなかったし、カエルは親友を助けられなかったし。マールの母親も幼少期に亡くなって記憶もおぼろげだし、主人公の父親なんて影も形も明かされていないし。後悔ポイントなら結構たくさんありそうだけど、なんでルッカだけ選ばれたんだろう。わからんな~~。次回作で何かわかるのかな。








■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイ時間は27時間。ラスボスは中盤からいつでも挑めるため、倒せるならもっと早く終わるでしょう。でも最後まで行ってから倒すルートの方がオススメです。良いんだ、このエンディング。
システム面も不足なく、ゲーム性も面白く、キャラクターも良い。追加サブイベントが好きじゃなかったけど、まあそんなもんでしょう。名作と謳われるクロノトリガー、めちゃくちゃ面白かったです。続編もあるらしいのでいずれプレイしたいな~!

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