ゲーム「KINGDOM HEARTSIII」感想
本感想はKINGDOM HEARTS(キングダムハーツ)シリーズダークシーカー編の完結作である「KINGDOM HEARTSIII」(以下KH3)の感想となっています。
KHシリーズは数多く存在し、KH3とは言っても間に色々なシリーズ作品を挟んでいるので1、2、3だけをやれば全て分かるものではありません。
そもそもダークシーカー編ってなに?ダークシーカー編って言葉はKH3から初めて出たように思えます。いや言いたいことは伝わるけど。KH1から続いてきたシリーズが今回で一旦完了しますよと言う意味でしょうね。
最初に結論書きます。一応「完結」を謳っているので期待してプレイしたKH3、ゲームシステムは面白かったけど話は面白くなかったぞ!と言う感想です。あまりの駆け足打ち切りエンドっぷりにショックを受け、2019年1月に発売されて当時プレイしたゲームの感想を2021年5月に書いている始末。
当時を思い出しながら書いていこうと思います。
ジャンル:アクションRPG
プレイ時間:52時間
媒体:PS4
■ KH3の前作はKH3D(KH2.8)
「KH3の前作はKH2でしょ?」と勘違いされる方もいそうですがそうではありません。3DSで発売されたKH3D(正確にはKH Dream Drop Distance)がKH3の前作に当たります。現在はリマスターされており、KH2.8と言う作品に収録されています。
KH3Dは簡単に言うと「修行して強くなるぞ!」と言うお話です。「修行し終わったぞ!」が KH3の始まりです。つまりKH3をやるといきなりKH3Dの続きから始まる訳なんですね。もしこれからKHシリーズをプレイしようとする方はシリーズを調べてからやると良いかもしれません。
■ 一応ソフトの説明
調べとくと良いよ!って言ったけど一応ソフトの説明をしておきます。
KH
KH2
KH1.5+2.5(リマスターが色々入ってる)
KH2.8(リマスターが色々入ってる)
KH3
リマスターされた作品名を書こうとすると数が多すぎて混乱するでしょうし、2021年時点でソフトを買うとしたらこんな感じです。約10作ほど発売されていると思うのですが、つまりこのナンバリングが正しくない、ということになります。本来なら、えー…KH3と言われているのはKH9(たぶんこれくらい)にあたる訳です。
個人的には作品の発売順にプレイするのをオススメしておきます。
■ 一応大まかなあらすじの説明
KH3の感想見に来る人に必要かどうかわかりませんが、一応書いておきます。
KHシリーズは簡単に言うと光VS闇のお話で、キーブレード使い(光)と闇の勢力の戦いのお話です。主人公のソラはそれに巻き込まれた感じです。普通は知覚出来てないけど色々な世界があり、とあるきっかけのせいで数々の世界に渡ることが出来るようになってしまったので世界を渡りながら様々な事件を解決していく…のが最初のKH。その後も、まあ似たような感じ。
スクエニとディズニーがコラボしている作品なので、数々の世界と言うのがディズニー世界だったりする訳です。
■ ゲームシステム
KHシリーズはアクションが楽しい
さて、ゲームシステムの話からしていきます。毎度期待を裏切らないアクションシステム。今作も本当に楽しかった!
仲間との連携、キーブレードの変形、アトラクションフロー、リンク。過去作と似たシステムなのに、さらに進化させてくるので馴染みやすく楽しいです。
縦横無尽に駆け回れるフィールド
今作はフィールド探索がとんでもなく楽しいです。
各ワールドごと特色があるのはもちろんですが、今回はなんと、高度の設定がとんでもなく高い!どこまでも登れるー!!
写真撮影機能の充実っぷりがすごい
昨今流行りの撮影機能。もちろんKH3も入れてくれました。最高の形で!
KHシリーズをプレイされている方ならご存知かと思いますが、KHシリーズは誰かと一緒に道を歩きます。お供がいるんですね。シリーズでは主にドナルドとグーフィーです。そのキャラ達にカメラを向けるとセリフを言ってくれたり、ポーズを撮ってくれたりするのがものすごく楽しい。
主人公のソラも自撮り用のセリフをいくつか言ってくれるのが可愛くて好きです。
幸せのマーク探しが楽しい
こちらもKHシリーズ…と言うかディズニー系ではお馴染みですが(ディズニーランドでもミッキーのマークを探したりしますよね)、幸せのマーク=ミッキーのマークを探すミニゲームがあります。
今作ではミッキーを探して撮影するとクリア。フィールドの色々なところに隠れているので探すのがとても楽しいです。が、めちゃくちゃ難しいです。
グミシップ
こちらもKHシリーズお約束のグミシップ、シューティングアクションです。
各ワールドを移動する際にはグミシップで移動する、と言うのをミニゲームに落とし込んだ形です。
その他ミニゲーム
他にもミニゲームがいくつか存在します。これがなかなか難しい〜!けど楽しいです。
ワールド
ワールドについて説明していきます。KHシリーズと言えば魅力的なのはワールド!ディズニー作品の世界に行くことができるんです!
オリンポス
まずはオリンポス、つまりディズニー作品の「ヘラクレス」のワールドになります。
KH無印でも2でも登場したワールド。もう出来ることはやり尽くしたかと思いきや、まさかの展開!こういう形でまだ見ぬエリアや物語を提供してくれるとは!原作準拠ありがとう!
KH3では初めて降り立つワールドになるので期待していましたが、その高すぎる期待を遥かに越えてきました。楽しい!
トワイライトタウン
KH2で出てきたオリジナルワールドが続けて登場。このBGMを聞くだけで泣ける。
このワールドで高低も合わせて今作は全ワールドがとても広いフィールドなのだと実感しました。見える建物大体登れる。
惜しむらくは、トワイライトタウンのシンボルである時計塔が登れないこと。自分で登りたかったな〜。
ここで可能なミニゲームはディズニー作品「レミーのレストラン」から一緒に料理を作るようなミニゲーム。作った料理には特定のバフが付けられたりするので便利です。
トイボックス
こちらはディズニー・ピクサー作品「トイストーリー」のワールド。
ここは本当にフィールドが楽しかったです。アンディの部屋、そこから外への大冒険、さらにおもちゃ屋への突撃!
ソラ達は世界を移動する際に「その世界にいて違和感のない姿」に変わるのですが、トイボックスではソラ達がおもちゃになっていたのも可愛くて楽しかったポイントです。おもちゃとしての視点で見る外の世界、こっっわ!たのし!
ここで可能なミニゲームはシューティングゲームとプリン集め。どちらもディズニーは関係なさそうですが、シューティングゲームはかなり面白かったです!どっちかと言うとスクエニ色が強いミニゲームでした。
キングダム・オブ・コロナ
こちらはディズニー作品「塔の上のラプンツェル」のワールド。
ラプンツェルはなんとなく仲間に出来そうだな〜と思ってましたが、まさかフリン(ユージーン)も仲間に出来るとは思いませんでした。というかこっちが主体でした。
塔から山中、そして街までと作り込まれているフィールドが楽しくて探索も楽しい!
シナリオ上でプレイ可能な街中でのダンスがこのワールドでプレイ可能なミニゲームです。シナリオ終了後、何度でもプレイできます。街の人が入り乱れた、いかにも「街のお祭り」感あって、これが可愛くて可愛くて!お気に入りのミニゲームです。
モンストポリス
こちらはディズニー・ピクサー作品「モンスターズインク」のワールド。
最初に入る受付エリアはモンスターズインクと言うより「ディズニーランドのモンスターズインクのアトラクション前に並ぶところ」のような気がして一人で「これぞファストパス…!」と感動していました。原作より見たランドの会場。
ミニゲームと言うほどでもありませんが、扉を運ぶレールの上を移動するゲームがとても楽しかったです!
100エーカーの森
こちらディズニー作品「くまのプーさん」のワールド。
KH2でやり切ってしまったせいか、狭いフィールド、話も短い、あるのはミニゲームのみ言う悲しい仕上がりですが、それでも思わず泣いてしまうくらい思い入れがあります。う、プー…好きだよ…。
だがミニゲームのパズルゲームだけ許さん。ソシャゲかよ!
アレンデール
こちらはディズニー作品「アナと雪の女王」のワールド。
基本的にKHシリーズはディズニー作品の改変と言うか、誰かの立場を代わりにやってあげること多いのですが(そうしないと蚊帳の外なので)、このワールドでは蚊帳の外だったの逆に良かったです。やっぱ姉妹の話なんだよなアナ雪はよ!
ただしこのワールドのお供キャラが雪の巨人だったのが嫌でした。しょうがないんだろうけどさ~~!
ここでのミニゲームは山頂から雪滑りなのですが、これが結構楽しかった!
それと、シナリオ上のミニゲームでバラバラになったオラフを元に戻すゲームがあるのですが、これが結構面白くて思わず吹き出しちゃいました。可愛い。
カリビアン
こちらはディズニー作品「パイレーツ・オブ・カリビアン」のワールド。たぶん2の世界観。
KH2でも登場していましたが、KH2とは比較にならないほど技術力が上がっています。めちゃくちゃリアルです。
さらにフィールドが広くなったことによって海域まるごと探索出来るようになり、そしてなんと海の中まで行ける!泳げる!迷う!とても楽しいフィールドでした。
ミニゲーム(とカウントしていいのか分かりませんが)は船を操作出来ます。敵船も出てきます。攻撃されます、出来ちゃいます。船ごと体当たりも出来るぞ!
サンフランソウキョウ
こちらはディズニー作品「ベイマックス」のワールド。
ただしサンフランソウキョウの街のフィールドがすごすぎて、ヒロの自宅や大学等のエリアはありません。残念…。
また、一番キャラクターと関わらないフィールドです。ベイマックスの原題は「ビッグヒーロー6」なので、ベイマックスだけではなくて各キャラとも一緒に街を歩きたかったな〜。
ミニゲームは縦横無尽に駆け回れるレースみたいな感じです。今思い返すとなんとなくアナ雪のワールドの雪すべりと似てるな。
こんな感じで各ワールド楽しくプレイ出来ました。
メインストーリーは全くと言っていいほど進みませんでしたが(意味深なこと言って敵が逃げ帰るの繰り返しだった)、KH2では一度訪れたワールドをもう一度訪れて再度事件を解決することがあったので、今回もそのパターンかな?と思ってました。呑気にプレイしていました。そう、この時は。
〜〜〜〜ネタバレするよ〜〜〜〜
■ いきなりの急展開
各ワールドが終わった直後、メインストーリーがいきなり進み、アクアを助け、ヴェントゥスを助けました。いやいきなりすぎるが?でもまあ、いきなり進んだけど過去シリーズやってた身としては助かって良かったねと思えました。助けるために必死だったもんね、良かったね。
その後、キーブレード墓場がいきなり出てきたのには本当に驚きました。え?これ、最終戦間近ってことじゃん?今回って一応、シリーズの一区切りのはずなのに、全然何も説明してもらわないまま最終決戦に向かうの?
しかし私はKHシリーズに厚い信頼を寄せているので悪い予感を断ち切って思い直しました。とりあえずやってみよう。やってみた。ソラが絶望して負けました。
意味が分からないが???????
絶望するのはいいんだ。でもみんなやられちゃって、「俺は一人じゃ戦えない、みんながいたから戦えたんだ」って、どういうこと?
今までずっといろんな人に支えられながらそれでも諦めずに一人で戦ってきたでしょう。後ろで一緒に戦ってくれないと無理ってことなのか?いやいやまだリクがいるじゃねーか。何言ってんだ?
納得出来る何かがあるのかもしれないと進めても結局納得出来ず、謎展開が発生し、謎展開が更に発生し、更に更に発生し……いや全部謎展開だが?え?なんで??結局分からないまま進んで分からないまま終わりました。
どうしても許せなかったのは敵のボスがなんとなく更生し、雰囲気的になんとなく許す感じになっちゃったことです。薄っぺらいなあその悪の矜持!そしてそのまま進んで、ハッピーエンドで一区切りにならなかったのがどうしても嫌です。結局ソラがやってきたことはなんだったの!?こんなん完結じゃねえ!
一応、本格的にネタバレしないために一部以外はぼかして書きましたが、当時の殴り書き感想も置いておきます。こっちはご丁寧に話の流れも書いちゃってるのでネタバレ全開です。閲覧する際はご注意を。
■ 唐突に出てくるKHUX
前述したシリーズ一覧からはあえて外していたのですが、KHシリーズはアプリゲーム(ソシャゲ)が1作品出ています。KH Union χ(以下KHUX)、これが作中でいきなり我を出してくる。こいつはKHシリーズの中で時系列的に最古のお話っぽいです。
本作でなぜか意味深なことを言ってくるマスコットキャラになぜかいきなり出てくる謎のキャラクター達。おそらく、おそらくこのアプリのことなのかな?たぶんそうっぽいな…?という演出。多少アプリの知識がある私でも置いてけぼりな展開でした。
まあ、アプリの話が繋がってるならアプリをやってみるかと思ってやってみた結果、当時のアプリのシナリオはそもそも完結してなかったし、終わってない話をいきなり「光は過去からも届くんだ!」って言われても謎すぎて今でも訳がわかんないです。
ちなみにKH3をプレイした後に頑張ってKHUXをやってみて挫折した感想がこちらです。
■ シークレットムービーで意味深に出てくる世界観
ソラがいる場所はスクエニの別作品「すばらしきこのせかい」っぽい、リクがいる場所はトイ・ストーリーのワールドにあったミニゲームの世界観「VERUM REX」っぽい。まーたすれ違いで別の場所にいてまーたしばらく会えなくてとかそういうのになるんでしょ知ってる知ってる。
あと「VERUM REX」って言うのが作中でCMも流れるのですが、当初のFF15(FF13ヴェルサス)を忘れられなかったのか、どうしてもやりたいんだろうな~~っていうのが透けて見えて嫌でした…。KHシリーズだったらファンはいくらでも待つだろうからここでやればいいやってことか?このやろう…
■ KH3をやったが故に今後に期待出来ない
なんというか、結局終わらせる気がないことを本作で気づいてしまったというか、意味深なことを言っておけばいいし引っ張れるだけ引っ張ろうとしてる魂胆が見えてしまっているというか、KHシリーズを続けるが故にソラやその周辺の人たちはいつまで経っても終わりが迎えられないことに気付いたというか…。今後の話もどうせ終わらないし、どうせなんとか編終了!新しい章開始!とかやっていつまでも引っ張るんでしょって思ってしまったんですよね。
まあね、そうでしょうね。金のなる木だもんね。
■ まとめ(ネタバレなし)
プレイ時間は52時間。このほとんどが各ワールドのアクションを楽しんでる時間です。メインストーリーなんて微々たるもんだよ。
途中までは本当に楽しかったんです。今までのKHだったんです。けど打ち切りエンドみたいな急展開、今まで見てきたソラとは思えない思考をするソラ、謎展開等々によって、めちゃくちゃダメージを追いました。
アクションだけ見るならオススメ出来るのですが、話も含めると到底オススメできない作品になっちゃったなあという感想です。でも気になるから次回作出たらやるんだろうな…はは…。