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ゲーム「黄昏のフォルクローレ」感想

※この感想は18禁ゲームの感想です。ご注意ください。

 Navel作品である俺たちに翼はないが好きだった私。月に寄り添う乙女の作法も結構好きでした。そんなNavelが姉妹ブランドを打ち出し、大正ロマンっぽいものを出してきた!これは期待せざるを得ませんね。
そして友人から「つまらなかったのでそれを共有したい」と言われてプレイし始めました。やってやらぁ!
そしてプレイし、私も結論を出しました。つまらないと。

ジャンル:ノスタルジック浪漫譚
プレイ時間:約12時間
媒体:PC

■ あらすじ

 公式から引用します。

「——以後、この子に仕えて生きるように」

開国から数十年、発展著しい大帝都。

医者の息子だった『隅方有馬』は、唯一の家族であった父が病で急逝してしまい、天涯孤独の身となってしまう。

だが父の出入り先だった帝都でも有数の名家『乙部家』に引き取られ、そこで一人娘『乙部すぴか』の従者として働くことになった。

そして生まれついて体の弱いすぴかは権謀術数渦巻く乙部の本家を離れ、わずかな使用人と共に別邸に移り住み、穏やかな日々を過ごしていた。

地元から単身帝都に飛び出してきた同僚の女給『阿久戸麦』
すぴかと同じ女学院に通う不思議な雰囲気の女学生『弓張月子』
名家烏丸家の息女でありながら現役警察官の『烏丸志乃』

知人達と共に、すぴかは自分なりに楽しく過ごし有馬はそれに付き合い、支え続けていた。

だがしかし緩やかに流れるのは陽の当たる時間だけだった。
夜のとばりが降りればその限りではなく、命の削れる音が響きだす。

何故、医者の息子であった有馬がすぴかの従者となったのか。
それは——。

「だって仕方ないでしょう? 私は貴方しか食べられないのだから」

ストーリー あらすじ

 一応大正時代設定で、一応インキュバスっぽい設定の話です。


■ ゲームシステム

 特出すべきものはなにもないゲームシステム。シンプルです。というか、足りないです。

鑑賞モードが無い

 シーン鑑賞はまあいいとして、各画像を見る機能がないのはどういうこと……?ここ重要では??
恋愛シミュレーション系で必ずあるおまけ機能が全くありませんでした。

オートプレイの落とし穴

 「オートプレイ時にボイス再生を待つ」がデフォルトでオフなため、オート再生するとボイスがすっ飛ばされます。注意!


■ つまらなポイント

 今作、つまらなかったな~っていうポイントをあげていこうと思います。

文体が合わなかった

 つまらないと思った理由の1つです。文体が合わない。これは好みの問題があるのでどうしようもないやつですね。合わなかったもんは合わないんだ!

その設定にする必要、あった?

 大正だとか、ヒロインが男の精で生きる設定だとか、主従関係にするとか、そういうのまるごと全部ひっくるめて「その設定にする必要、あった?」と言いたいお話です。
最後まですべて読んだ上で、これらの設定の意味はなかったな~と思えてしまうのが嫌だ。

日常パートとシリアスパートのテンポが悪い

 ここからシリアス展開かと思いきやいきなり日常パートに戻されるっていうことがかなり多く、日常とシリアスの緩急が全く合いませんでした。テンポ悪く感じてしまった。

主人公が好きになれない

 主人公はヒロインの従者です。性格は何もわからない。有馬くんって言うんですけどね、何考えてるのかさっぱりわからないんですよこの男。外見だけは良い。
ヒロインのすぴかちゃん曰く、「いつも怒っていて隠し事をして誤魔化して」らしいのですが、主人公視点で見てもそんな感情は見えず、すぴかちゃんに父親を殺されているようなものなのでそれを恨んでるようで恨んでいないようで恨んでいるけど実は違うみたいな、結局どっちなんだよ!という謎の展開になったり、自我が全く見えない。主人公視点だよな……?と疑うレベルで何も感じてなさそう。だけど作中の人物は何か感じてるっぽい。プレイヤーにすら伝わらないその感情、何?

麦ちゃんが好きになれない

 主人公の同僚でもあるメイドの麦ちゃん。主人公はヒロイン(主人)に定期的に性を搾取されている状態なのにも関わらず、「女の子に興味を持たないとだめだよ~!」と言ってくる始末なので嫌いになってしまいました。最初は好きだったのに、そんな無神経なことなんで平気で言うんだよ……。

テーマが感じられない

 大正時代の何かを語りたいのかと思いきやそうでもなし、伝奇ものかと思えば違い、結局何を言いたかったがわかりませんでした。テーマが感じられなかった。
強いて言うなら、「人と人じゃないものでも愛を育めること」とか?それならもっと主人公を理解できるようなキャラ設定にしてほしかったです。



■ 好きポイント

 一応好きポイントも書いておきます。あんまりないけど。

攻略キャラが一人

 主人公がフラフラせず一人だけのルートなのは良かったです。話が面白くて納得できるようなキャラ分岐ならいいのですが、そういう素晴らしい作品はあまりないので……。

主人公の顔が良い

 スチルに表示される主人公の顔が良いのは褒めるポイントだと思う。顔だけは良い男なんだよな。

設定は良い

 設定は良い、ただし使い方がダメだ。設定は魅力的でした。





~~~~~ネタバレするよ~~~~~




■ ストーリー

 他人の生命力を奪って生きる生き物!それがヒロイン!そして医者としてやってきた主人公親子!命を奪われる父親!父がいないので従者として屋敷に残り続け、頑丈な主人公はヒロインのすぴかちゃんに定期的に性交して精を、生命力を捧げなくてはいけないのであった!
すぴかちゃんは主人公のことはちゃんと好きなようですが罪悪感があるのはわかる。主人公がどういう感情を持っているのか何もわからなくて混乱しっぱなしです。え?なに?どういうこと?なんでそうなった?これのループ。

 すぴかの祝い子の力の話や、一族の話について色々ありましたが、なんと言うか、設定は魅力的なのに引き込まれなかった。中だるみがすごかった。やっぱテンポ悪いんですよね。

■ 各エンディング

 選択肢はただ1つのみ存在します。
「有馬を信じるか」「有馬を信じられないか」。つまりこれ、すぴか(ヒロイン)の選択肢なんですね!最初からすぴか視点の恋愛シミュレーションにすれば良かったのではないか……?

バッドエンド

 有馬を信じずにすぴかが「手が滑って」殺してしまい、決定的に狂ったすぴかが一族に連なる者を殺し、有馬の遺品である銃を渡されるエンド。たぶんこの後自殺する。せっかくなので惨たらしく死ぬところまで描いてほしかったですね。

グッドエンド

 有馬を信じたらすべてうまくいったエンド。そっかー良かったねーとは思ったけど、最初から最後まで感情移入出来ずに終わったのでなんていうか、合わなかった。主人公が優柔不断だった理由も明らかにされたけど、その理由であの揺れ方はないのでは……って思ってしまったな。

おまけシナリオ「黄昏逸話」

 現代の話(子孫の話)をして、恐らく祝い子(鬼)の力は子孫に遺伝してないことを伝えたかったんだと思うんですが、「で?」ってなってしまった。だからどうした。

■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイ時間は恐らく12時間くらい。選択肢も1つだけですし、ゲームとしては難しくありません。
シナリオが好きになれず、主人公も好きになれず、第一印象は好きそうだったのに全然好きになれないゲームでした。おすすめしません!

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